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主に映画の感想文を書いています

2020年の作品

映画感想「山歌」「チロンヌㇷ゚カムイ イオマンテ」「アイヌモシㇼ」|涼みがてらのチュプキ7月前半鑑賞メモ

だるい。ねむい。クーラーでよく冷えた布団と枕の間に腕を突っ込みながらうだうだしていた日曜日。こんなことではいけないと思い直し、用もなくチュプキへ。結局3本観て帰ってきました。ざっくりと、超ざっくりとメモ書き。1本目は笹谷遼平監督の『山歌(202…

映画「三姉妹(2020)」感想|近年稀に見る極上の修羅場

イ・スンウォン監督による映画『三姉妹』を新宿武蔵野館にて観てきました。そこまで大きな鑑賞動機もなかったのですが、まあなんか「いい映画」なんだろうな〜って。『チャンシルさんには福が多いね』みたいなやつが観れたらいいな〜くらいの感じで行って、…

映画「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ(2020)」感想|この話は“きれいごと”じゃない

シネマ・チュプキ・タバタのウクライナ難民支援上映で、ドキュメンタリー映画『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』を観ました。2010年から2015年までウルグアイの大統領を務めたホセ・ムヒカ。在任中も公邸ではなく農場の自宅に住み、給料の9…

映画「オードリー・ヘプバーン(2020)」感想|慈善活動に尽力した晩年までしっかりと見せてくれるドキュメンタリー

本作、ポスタービジュアルだけ見るとオードリーの輝かしい女優キャリアにスポットを当てた作品とも見えるのですが、その実は「人間オードリー・ヘプバーン」のドキュメンタリーとなっていて、彼女の生い立ち、私生活、晩年尽力した慈善活動まで、広く知るこ…

ここ最近の鑑賞映画まとめて感想③|「梅切らぬバカ」他、いつぞやのチュプキ編

3週間前くらいのチュプキ鑑賞メモを超絶遅延で書きます(下書きに眠らせすぎました)。『梅切らぬバカ』『普通に死ぬ 〜いのちの自立〜』『人生フルーツ』の3本です。「梅切らぬバカ(2021)」自閉症の息子と、自身も老いてきたなか二人暮らしで介護の日々を…

映画「ZAPPA(2020)」感想|フランク・ザッパへの勝手な誤解がとけていくドキュメンタリー

フランク・ザッパのドキュメンタリー映画『ZAPPA』を観てきました。じつを言うとわたしはザッパを聴いたことがなかったのですが、ザッパ門下生であるスティーヴ・ヴァイにはかつて傾倒しておりまして、名前としての親しみだけならそこそこ強く持っていました…

映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」「香川1区」感想|このタイトルで、じつは家族の物語。

大島新監督の連作ドキュメンタリー『なぜ君は総理大臣になれないのか』『香川1区』を観てきました。これが、まいった。勝手に想像していた「政治ドキュメンタリー」とは全然違って、まずとにかく「面白い」し、どういうわけかめちゃくちゃ「泣ける」し、なん…

映画「浜の朝日の嘘つきどもと(2021)」感想|ドラマ版から観るのがおすすめ。あって当然ではない、映画館へのラブレター。

3月11日、何を観ようかと悩んだ末に『浜の朝日の嘘つきどもと』を選びました。「東日本大震災 映画」で検索したら出てきて、あ、これ観そびれてたけどそうだったんだ、って感じでした。福島県南相馬市に実在する映画館「朝日座」を舞台にしたフィクションで…

映画「ジョゼと虎と魚たち(2020)」感想|口の悪い清原果耶さんは声優でも絶品

長編アニメーション映画『ジョゼと虎と魚たち』をシネマ・チュプキにて日本語字幕・音声ガイド付きで観てきました。『ジョゼ虎』のタイトルは知っているも、観るのは関連作含め今回が初めて。なんなら「仲間たち」だと思ってたくらいです(今でも打ち間違え…

「まちの本屋」「ようこそ革命シネマへ」ほか、22年1月後半シネマチュプキ鑑賞メモ

東京・田端のシネマ・チュプキ・タバタにて、1月後半のプログラムを滑り込みで4本ハシゴしてきました。『まちの本屋(2020)』『ようこそ革命シネマへ(2019)』『サマーフィルムにのって〈音声ガイド付〉(2020)』『映画大好きポンポさん〈音声ガイド付〉…

映画「まともじゃないのは君も一緒(2020)」感想|とびきり口の悪い清原果耶さんを堪能する

新作の波が押し寄せる前に昨年観そびれた作品を優先的に観ていきたいと思っている2022年1月上旬。邦画の一発目として『まともじゃないのは君も一緒』を観ました。成田凌×清原果耶、そんなの絶対好きじゃんってことでずっと注目してたんですけど結局ずっと観…

映画「パーム・スプリングス(2020)」感想|缶飲料片手に観たいタイムループもの

パーム・スプリングスとはアメリカ西海岸のリゾート地だそう。結婚式参列のためこの地を訪れた主人公は、謎のタイムループに迷い込んで永遠に結婚式当日を繰り返します。抜け出す方法も見つからずひとり達観した「一日」を過ごしていた彼ですが、とある女性…

映画「MINAMATA -ミナマタ-(2020)」「阿賀に生きる(1992)」感想|熊本水俣病と新潟水俣病を少しずつ知る

水俣病ってすごくメジャーな公害病であると同時に正直よく知らない病気でもあって、今回鑑賞したのも何かしら知れたらいいなというくらいの気持ちでした。後から軽くWikipedia等で調べてみると結構脚色している部分はあるようで、劇映画的にしすぎている気が…

映画「ドロステのはてで僕ら(2020)」感想|2分後の未来に振り回されるミニマムSF

12/1から配信開始になった映画『ドロステのはてで僕ら』を観ました。『サマータイムマシン・ブルース』などのヨーロッパ企画によるオリジナル映画作品です。『サマータイムマシン・ブルース』は「クーラーのリモコンを取り戻すべく昨日へ行く」という超ミニ…

映画「由宇子の天秤(2020)」感想|信頼できない主人公と、自分勝手なけじめの物語。

映画『由宇子の天秤』を観てきました。『ゆうこのてんびん』と読みます。※前半ネタバレなし、後半ややネタバレありです。主人公・由宇子はドキュメンタリー監督。テレビで放送するセンシティブな内容のドキュメンタリー番組を鋭意製作中ですが、だんだんマス…

映画「うたのはじまり 絵字幕版(2020)」感想|歌ってしまうんだ どうしても

ドキュメンタリー映画『うたのはじまり』を観ました。ろう者であるカメラマンの齋藤陽道さんは幼い頃から「音楽」という表現手段に隔たりを感じていたといいます。「うた」って何? わからない。好きじゃない。 やがて彼は結婚し、子供を授かりました。妻も…

映画「きまじめ楽隊のぼんやり戦争(2020)」感想|作り込まれた非現実的世界で起こるミスマッチな現実がつらい

棒読み、無表情、曲がり角は直角に。「かなり変な映画」だという評判は聞いていたので楽しみにしていたのですが、これが想像以上に曲者でした。 シュールにシニカルに「戦争」を想起させるような内容の作品なのかなと思っていたのですけど、蓋を開けてみれば…

映画「サマーフィルムにのって(2020)」感想|チャンバラもラブコメだ! 誰も貶さない映画讃歌

先に総括しておきます。まず単純に青春群像劇としてめちゃめちゃ楽しい! 97分という短い尺でありながら登場人物全員が輝いてます。そして前述の説明だと誤解されそうですが本作はキラキラ恋愛映画もチャンバラ時代劇も等しく称える映画讃歌です! ぜひスク…

「海辺の映画館」は交響曲なのかもしれない 〜何度も繰り返し観て気付いたシンプルなこと〜

この映画を、初見から「すごくいい映画だった!感動した!」と絶賛できる強者はなかなかいないのではないかと思います。それよりもまずは圧倒されたとか、よく分からんけどすごかったとか、そのあたりが大多数でしょう。 わたしもガイド制作作業を始めるまで…

映画「プロミシング・ヤング・ウーマン(2020)」ネタバレ控えめ感想|食らってしまってしばらく言葉が出てこない。

これまず、変な邦題をつけずにそのまま公開してくれたのが嬉しい! 配給会社様、ありがとうございます。 さてこの作品、そのポップなキービジュアルから『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』みたいな映画を想像する方も多いことでしょう。マーゴット・ロビー…

至高の音楽映画「アメリカン・ユートピア(2020)」感想|めちゃくちゃ良かったとしか言えない

…というのもわたし、これまでトーキング・ヘッズもデイヴィッド・バーンも全く聴いたことがなかった上に、スパイク・リー作品と言われると一瞬身構えてしまうような感じだったので。では何を特筆すべきかといえば、繰り返しになりますが「めちゃくちゃ良かっ…

台湾映画「1秒先の彼女(2020)」感想|ただのラブコメでは全くない、超映画的バスロマンス・ファンタジー

現在公開中の台湾映画『1秒先の彼女』を観ました。とてもおもしろい映画だったので気になっている方はぜひこの記事なぞ読まずに観に行っていただければと思います。何をするにもワンテンポ早い彼女とワンテンポ遅い彼のラブコメ、といった感じで宣伝されてい…

サンクスシアターにて片渕須直監督のドキュメンタリーと大九​明子監督の短編を観た

「ミニシアター・エイド基金」のリターンとして先月末まで特設配信サイト「Thanks Theater」内で観ることができた2作品「Starting Position」「ただいま、ジャクリーン」を駆け足で観ました。

映画「ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記(2020)」感想|少女の純粋な目線で知る、沖縄の「悲しみ」。

ドキュメンタリー映画『ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記』を観ました。 北国・能登半島から沖縄へ15歳にして単身移住してきた好奇心旺盛な少女、坂本菜の花さん(さかもと・なのはな/本名)。老若男女入り混じるフリースクールでの勉強や交流、学生記者として…

映画「ラプソディ オブ colors(2020)」感想|極度のカオスに不思議と癒される実録人間狂詩曲

ドキュメンタリー映画『ラプソディ オブ colors』を観ました。蒲田のコミュニティスペースcolorsに所狭しと集う、そのあまりにも「なんでもあり」な人々の生き様を描きます。いろんな場所がある、いろんな人がいる、いろんな人生がある。生きることに対して…

映画「へんしんっ!(2020)」感想|身構えるものじゃなくて単純に面白いドキュメンタリー!

「しょうがい者の表現活動の可能性」をテーマとしたドキュメンタリー映画『へんしんっ!』を観てきました。 自身も電動車椅子を使って生活する石田智哉監督が大学の卒業課題として制作した作品で、自主映画のコンペティションである「第42回ぴあフィルムフェ…

映画「ファーザー(2020)」感想|認知症を擬似体験する映画

公開中の映画『ファーザー』を観てきました。主演のアンソニー・ホプキンスは本作で第93回アカデミー賞の主演男優賞を獲っています。 こちら、そんなに多くを語るような映画ではないのですが、ざっくり言えば「認知症」を扱った作品です。認知症の兆候が出て…

「トキワ荘の青春('96)」「電車を止めるな!('20)〈音声ガイド付〉」書きそびれ感想

ずるずると書きそびれてしまった感想を2本ぶん。どちらも田端のユニバーサルシアター「シネマ・チュプキ・タバタ」にて直近で取り上げていた作品ですが、上映期間中に書けなくてすみません! 「トキワ荘の青春(1996)」デジタルリマスター版 トキワ荘の青春…

映画「クワイエット・プレイス 破られた沈黙(2020)」感想|前作を復習しておいたほうがいい

『クワイエット・プレイス パート2』もとい『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』を劇場鑑賞してきました。絶対『パート2』のほうがかっこいいと思うんですけどね。『バック・トゥ・ザ・フューチャー 悪夢の摩天楼』とか嫌じゃん。 さておき、2018年に公…

2度目の「ミセス・ノイズィ」ほか、シネマチュプキ鑑賞メモ('21/06/06)

雑記的あれこれ。今日は午前中に「ハングル能力検定試験」通称「ハン検」の5級を受けてきました。自己採点では合格ラインだと思うのだけど……はっきりしてからネタにします(しかしはっきりするのは一ヶ月後なのである)。 試験会場は専修大学の神田キャンパ…