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主に映画の感想文を書いています

2000年代の作品

映画「サマリア(2004)」感想|書くことがなくて墓の話に逃げる

キム・ギドク監督の『サマリア』を観ました。タイトルからしてヤバいやつを覚悟していたんですが、これまで観てきた同監督作『魚と寝る女(2000)』『悪い男(2001)』『嘆きのピエタ(2012)』に比べればだいぶクセのない映画だったかなあという印象です(…

映画「子猫をお願い(2001)」感想|のどかなコメディかと思ったら。後の「はちどり」にも繋がる作品

韓国映画『子猫をお願い』を観ました。ぺ・ドゥナさんの初期主演作品としてタイトルは以前から知っていましたが、観るのがだいぶ遅くなりました。 ぺ・ドゥナさんは山下敦弘監督の『リンダ リンダ リンダ(2005)』や是枝裕和監督の『空気人形(2009)』など…

映画「シークレット・サンシャイン(2007)」感想|地味なのに展開が早く、いちいち行間が痛い(褒め)

イ・チャンドン監督の『シークレット・サンシャイン』を観ました。主演はチョン・ドヨン、そしてソン・ガンホ。かつてライムスター宇多丸さんも年間ベストに選んでいた本作、同監督の作品は昨年末に観た『バーニング 劇場版(2018)』がすごく良かったので楽…

映画「P2(2007)」雑感|クリスマスイブにNYの地下駐車場で監禁されるホリデイ・スリラー

クリスマスなのでクリスマスっぽい映画を探しましょう。「クリスマスイブ」「ニューヨーク」「監禁」──ふむ。いいですね。『P2』キミに決めた。 あらすじ クリスマスイブのニューヨーク。オフィスで最後まで残業していたアンジェラは、イカれた警備員の「粋…

キム・ギドク監督作品「魚と寝る女」「悪い男」雑感|完全アウトな純愛物語たち

キム・ギドク監督が新型コロナウイルスのため59歳で亡くなったというニュースが入りました。『嘆きのピエタ(2012)』くらいしかフィルモグラフィを存じ上げない監督でしたが、スキャンダラスな面も含めて名前はよく目にしていたので驚きました。そんなわけ…

映画「チェイサー(2008)」雑感|デリヘル店長と猟奇殺人犯の絶望的追撃戦

『哭声/コクソン(2016)』に引き続き、同じくナ・ホンジン監督のこちらはデビュー作『チェイサー』を観ました。韓国映画のなかでも特にメジャーなあたりではないかという印象がある本作ですが、主演のキム・ユンソクさんが出演している『あなた、そこにい…

パク・チャヌク監督作品「サイボーグでも大丈夫(2006)」雑感|B級だけどちょっといい話

パク・チャヌク作品集中履修、だいぶ進んできました。今回は2006年公開の『サイボーグでも大丈夫』を鑑賞。不思議なタイトルですが原題もそのまんまです。なお『サイコだけど大丈夫』という似て非なる(はずの)韓国ドラマがありますね。何か関係あるんでし…

パク・チャヌク監督作品「親切なクムジャさん(2005)」雑感|“復讐三部作”締めくくりはオールスターキャストの集大成的エンタメ作品

『復讐者に憐れみを(2002)』『オールド・ボーイ(2003)』から続くパク・チャヌク監督的“復讐三部作”の締めくくりとなる『親切なクムジャさん』を観ました。タイトルの「親切なクムジャさん(原題も同じ)」とは、イ・ヨンエさん演じる主人公のクムジャが…

パク・チャヌク監督作品「復讐者に憐れみを(2002)」雑感|エグい、エグすぎる。

さあ、ハマったらどんどんいきます。パク・チャヌク監督作品履修、引き続きお付き合いください。今回観たのは2002年公開の『復讐者に憐れみを』。本作に加え、翌年公開『オールド・ボーイ』、さらに続く2005年公開『親切なクムジャさん』までの3作を、パク・…

パク・チャヌク監督作品「渇き(2009)」雑感|ぶっちぎりの変態映画! 意外性だらけな吸血鬼ラブストーリー

これはまずいです。パク・チャヌク監督、わたし見事にハマりました。『お嬢さん(2016)』よかった、『オールド・ボーイ(2003)』よかった、そしてこの2009年公開作『渇き』。んーーー、どうしようもなく刺さる!! フェチなところに!! 邦題の『渇き』は…

パク・チャヌク監督作品「オールド・ボーイ(2003)」雑感|15年間わけもわからず監禁されていた男の物語

『JSA(2000)』『お嬢さん(2016)』と観てきたパク・チャヌク監督作品、今回は2003年公開の『オールド・ボーイ』を鑑賞しました。日本の同名コミックが原作となっており(なんでもポン・ジュノ監督からおすすめされたんだそうです*1)、非英語映画としての…

「愛の不時着」第1話に見られる韓国映画「JSA」オマージュについて(ただのタレコミ)

遂にあのビッグタイトル『愛の不時着』に手を出してしまいました。韓国の財閥令嬢がパラグライダーの事故で北朝鮮に不時着してしまう、というハードコアなラブコメですね。なお本稿では第1話にしか触れませんので、ドラマの展開に関するネタバレは実質含まな…

是枝裕和監督作品「大丈夫であるように -Cocco 終らない旅-(2008)」雑感|沖縄の人たちはなぜ明るく、歌い、踊り、三線を弾いているのか

是枝裕和監督の作品を順番に観ています。今回は劇映画ではなく、歌手のCoccoに密着した『大丈夫であるように -Cocco 終らない旅-』というドキュメンタリー映画です。これがめっぽうよかったので激推ししたいと思います。 ちなみにまず書いておくと、わたしと…

是枝裕和監督作品「歩いても 歩いても(2008)」雑感|希林さんのおかげで俄然明るくなった是枝作品

是枝裕和監督の作品履修を『誰も知らない(2004)』から再開したはいいものの、早速その次の『花よりもなほ(2006)』が一切配信されていないという壁にぶち当たりました(笑) 配信時代のこのもどかしさはなんとも言いがたい。そんなわけでいきなり飛ばして、…

是枝裕和監督作品「誰も知らない(2004)」雑感|こんなのきっと気付かない

『幻の光(1995)』『ワンダフルライフ(1999)』『DISTANCE(2001)』と順番に観てきたところで一年近く途切れてしまっていた是枝裕和監督の作品履修を再開。まずは2004年の『誰も知らない』から。 実際に起きた育児放棄の事件をモチーフとしたオリジナル脚…

大林宣彦監督作品「22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語(2007)」雑感

2007年公開の大林宣彦監督作品『22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語』をレンタルDVDで観ました。伊勢正三さん作詞作曲のフォークソング「22才の別れ」をモチーフとした作品になっており、こちらは未見ですが2002年公開の『なごり雪』に引き続いての「大分…

大林宣彦監督作品「その日のまえに(2008)」雑感

配信されている大林作品を全て観る(ことに最終的になった)マラソン、ついにゴールです。なぜかHuluでしか配信されていない『その日のまえに』が最後の一本。珍しくウェットな内容と相まって、なかなか感動的なフィニッシュとなりました。ではでは、しゅっ…

「ウォッチメン」原作コミック('86)、映画版('09)、HBOドラマ版('19)を一気に摂取した記録

本稿は『ウォッチメン』と名のついた各種作品を初めて摂取する方向け、より細かく言えばドラマ版を観たいんだけど予習は必要? と悩んでいる方向けのガイド記事、のようなものを目指しています。書いているのは、まさに一週間前くらいまでその状態だった人で…

大林宣彦監督作品「転校生-さよなら あなた-(2007)」雑感

ついにオリジナル未見のままリメイクを観てしまいました。まだまだ続くよ大林作品履修期間。今回は2007年公開『転校生-さよなら あなた-』の雑感です。蓮佛美沙子さんの映画初主演作! あらすじ 幼少期を過ごした長野へ尾道から越してきた斉藤一夫(森田直幸…

ポン・ジュノ監督の主要な8作品(長編+短編)を簡単に紹介

『パラサイト 半地下の家族』の大ヒットにより誰もが知るところとなったポン・ジュノ監督。この記事では、ポン・ジュノ監督の主要な8作品を公開順に軽く紹介していきます。 ほえる犬は噛まない(2000) ほえる犬は噛まない [DVD]発売日: 2014/06/27メディア:…

ポン・ジュノ監督作品「母なる証明(2009)」雑感

途中になっていたポン・ジュノ履修を再開しようということで、前回のオムニバス『TOKYO!(2008)』に引き続いてこちらは有名タイトルの『母なる証明』を観ました。息子があらぬ殺人容疑をかけられてしまった母親の物語。 『パラサイト 半地下の家族(2019)…

ポン・ジュノほか参加のオムニバス映画「TOKYO!(2008)」雑感

ミシェル・ゴンドリー、レオス・カラックス、ポン・ジュノの3名が東京をテーマに制作したオムニバス映画『TOKYO!』を観ました。ポン・ジュノ作品で助監督をつとめた片山慎三監督の『岬の兄妹(2018)』を先日観て、途中で止まっていたポン・ジュノ作品履修を…

大林宣彦監督作品「理由(2004)」雑感

宮部みゆきの同名小説を原作とした大林宣彦監督の映画『理由』を観ました。主役はおらず、じつに100名以上ものキャストが絡み合って展開する群像劇ミステリー。160分の長尺に複雑な物語でとっつきづらい作品ながら、好きでした。 あまり「そ、そうだったのか…

映画「プラネット・テラー in グラインドハウス(2007)」雑感

ロバート・ロドリゲスとクエンティン・タランティーノによるオムニバス作品『グラインドハウス』のロドリゲスside『プラネット・テラー in グラインドハウス』を観ました。きっかけはもちろん『フロム・ダスク・ティル・ドーン(1996)』で熱が上がったから…

映画「ウィッカーマン(2006)」雑感

アリ・アスター監督の『ミッドサマー(2019)』を語るときによく出てくる映画『ウィッカーマン』。本来は1973年の作品を指すようなんですが、2006年のリメイク版しか観れなかったのでとりあえずそれを。 あらすじ 警官エドワード(ニコラス・ケイジ)のもと…

ポン・ジュノ監督作品「グエムル-漢江の怪物-(2006)」雑感

『パラサイト 半地下の家族(2019)』のポン・ジュノ監督が2006年に公開した作品『グエムル-漢江の怪物-(原題:괴물/The Host)』を鑑賞しました。主演は『殺人の追憶(2003)』『パラサイト』のソン・ガンホ、『ほえる犬は噛まない(2000)』に引き続きの…

ポン・ジュノ監督デビュー作「ほえる犬は噛まない(2000)」雑感

あらためて『パラサイト 半地下の家族(2019)』とポン・ジュノ監督、アカデミー賞席巻おめでとうございます。というわけで、20年前に公開されたポン・ジュノ監督の劇場映画デビュー作『ほえる犬は噛まない』を鑑賞しました。 あらすじ 大学教員のユンジュは…

「チャーリーズ・エンジェル(2000)」「チャーリーズ・エンジェル フルスロットル(2003)」雑感

なんか今度リメイクだか続編だかが公開されるみたいだけど観たことないな〜ってことで一気見しました。キャメロン・ディアス、ルーシー・リュー、ドリュー・バリモアほか出演。同名テレビシリーズの映画化が本シリーズで、今週末公開の2019年版は一応続編と…

「花とアリス(2004)」雑感

岩井俊二週間、古い順に有名タイトルを観てきてそろそろ一段落かなというところになりますが、『花とアリス』観ました。出演は蒼井優と鈴木杏、ほか多数。 あらすじ 高校一年生の花(鈴木杏)は、憧れの宮本先輩(郭智博)を追いかけて同じ部活に入った。中…

「リリイ・シュシュのすべて(2001)」雑感

岩井俊二週間、2001年公開の『リリイ・シュシュのすべて』を観ました。出演は市原隼人、忍成修吾、蒼井優、伊藤歩など。蒼井優の映画デビュー作です。さりげなく高橋一生とかも出てました(すごい可愛い)。 簡単にあらすじを書けるような映画ではないのでそ…