353log

主に映画の感想文を書いています

1980年代の作品

岡本喜八監督作品「ジャズ大名(1986)」雑感|アバンギャルドな幕末ジャムセッション映画

どうやら岡本喜八監督作品の集中履修期間に突入しつつあります。今回は1986年の『ジャズ大名』という映画を観ました。何やら妙ちきりんなタイトルですが、なんと『時をかける少女』の筒井康隆さんによる同名小説が原作だそうです。筒井さんは岡本監督の大フ…

映画「太平洋の翼」「太平洋奇跡の作戦 キスカ」「連合艦隊」雑感|“アトロク”の「元特攻隊の脚本家・須崎勝弥」特集を聴いて

TBSラジオ「アフター6ジャンクション」にて、時代劇研究家の春日太一さんによる「元特攻隊の脚本家・須崎勝弥が描いた『日本の戦争映画』 特集」という企画が放送されていました(2020年7月22日20時台)。そのなかで春日さんが紹介していた3本の太平洋戦争映…

映画「さくら隊散る(1988)」雑感|大林宣彦監督の新作「海辺の映画館」の予習を兼ねて

新藤兼人監督による1988年の映画『さくら隊散る』を観ました。 さくら隊=桜隊とは、太平洋戦争のさなかに国策演劇、つまりお国からの指示で慰問のため地方を巡っていた移動劇団のひとつでした。東京大空襲を経て広島市内へ「劇団疎開」していた桜隊でしたが…

大林宣彦監督作品「北京的西瓜(1989)」雑感

漢字が多い(笑) 1989年の大林作品『北京的西瓜』をレンタルDVDで鑑賞しました。監督曰く、読み方は『ぺきんてきすいか』『ぺきんのすいか』どちらでもいいんですよ、二つの読み方があるんですよ、とのこと。 あらすじ 舞台は1980年代、千葉の船橋。八百屋「…

TOHOシネマズで「風の谷のナウシカ(1984)」を観た

新型コロナウイルスの影響ということになるのか、TOHOシネマズがジブリ作品のリバイバル上映を大規模開催。2020年6月末現在、ほぼ全館で『風の谷のナウシカ(1984)』『もののけ姫(1997)』『千と千尋の神隠し(2001)』『ゲド戦記(2006)』の4作品を観る…

大友克洋監督「AKIRA(1988)」を初めて観た

TOHOシネマズにて、4Kリマスター版の『AKIRA』を観てきました。じつは原作含め全く初めての『AKIRA』です。いやはや、面白かった! 想像以上に凄かった! 「こんな作品が30年以上も前に作られたとは」などというありきたりな感想が、悔しいかな心の底から出…

大林宣彦監督作品「野ゆき山ゆき海べゆき(1986)」雑感

配信のある大林作品を全て観尽くしてしまい(※1)どうしたものかと思っていたところに、ちょうど池袋の新文芸坐さんにて大林監督追悼特集の第一弾として『野ゆき山ゆき海べゆき』が上映されていたので行ってきました(※2)。2020年6月現在、配信では視聴でき…

90日ぶりの映画館〜新文芸坐にて大林宣彦追悼特集/2度目の「さびしんぼう」雑感

新型コロナウイルスの影響で映画館へ行けなくなって約3ヶ月。この週末、じつに90日ぶりの再会を果たしてきました。と言っても初めましてのところへ行ったのですが。 記念すべき映画館通い再開の場に選んだのは、池袋にある名画座「新文芸坐」さん。理由は単…

大林宣彦監督作品「少年ケニヤ('84)」「彼のオートバイ、彼女の島('86)」雑感

大林作品集中履修(配信作品に限る)、いよいよラストスパートです。今回は1984年公開のアニメーション作品『少年ケニヤ』と、1986年公開の『彼のオートバイ、彼女の島』を観ました。どちらもPrimeVideo内のチャンネル「シネマコレクション by KADOKAWA」に…

映画「ドゥ・ザ・ライト・シング(1989)」雑感

スパイク・リーの初期作品『ドゥ・ザ・ライト・シング』を観ました。現在コロナと並行して世界的に大きな動きとなっているBlack Lives Matterの運動。昨日('20/06/02)放送の「アフター6ジャンクション」冒頭でライムスター宇多丸さんが、この件に関して本…

大林宣彦監督作品「姉妹坂(1985)」雑感

大林作品集中履修、1985年公開の『姉妹坂』を観ました。ひとつ前に観たのが『この空の花 長岡花火物語(2012)』だったので次は公開順に『野のなななのか(2014)』のつもりが、170分?!そんなに時間ない! という就寝時間的事情により100分の本作を挟んだ…

大林宣彦監督作品「廃市(1983)」雑感

すっかり大林作品に魅了されてしまった今日この頃、さらにその思いを強める一本と出会えました。1983年公開『廃市』。「はいし」と読みます。『転校生(1982)』で映画デビューを飾った小林聡美さんが引き続きの主演。一見とても地味そうな映画ですが、果た…

大林宣彦監督作品「異人たちとの夏(1988)」雑感

引き続き大林作品履修期間として、1988年公開『異人たちとの夏』を観ました。出演は風間杜夫、片岡鶴太郎、秋吉久美子、名取裕子ほか。これはお盆ごろに観るべき映画だったかもしれません。 あらすじ 売れっ子シナリオライターの主人公(風間杜夫)は景気付…

大林宣彦監督作品「天国にいちばん近い島(1984)」雑感

大林作品履修期間、主要配信サイトで観れるものを概ね年代順に観ています(気分によって前後あり)。今回は1984年の『天国にいちばん近い島』を鑑賞。『時をかける少女(1983)』と同じく原田知世と高柳良一の共演が見れます。 あらすじ 父を亡くしたばかり…

大林宣彦監督作品「ねらわれた学園(1981)」雑感

大林宣彦作品履修期間ということで、今回は1981年公開の『ねらわれた学園』を観ました。同年公開『セーラー服と機関銃』よりもちょっとだけ前の薬師丸ひろ子が主演です。 あらすじ 学年で成績トップの由香(薬師丸ひろ子)は、明るく騒がしい同級生たちに囲…

大林宣彦監督作品「さびしんぼう(1985)」雑感

大林宣彦監督の訃報を受け、遅ればせながらの履修中です。「尾道三部作」と呼ばれる3作品から、『転校生(1982)*1』『時をかける少女(1983)』に次ぐ3作目『さびしんぼう』を観ました。 変な映画、みたいな感想を多く見かけたので(それを言ったら多分どれ…

大林宣彦監督作品「時をかける少女(1983)」雑感

『HOUSE/ハウス(1977)』に引き続き、訃報を受けての大林宣彦作品履修をしています。今回は超有名タイトル『時をかける少女』。「尾道三部作」と呼ばれる三作品の二作目ということで、本当は一作目の『転校生』から観たかったのですがどこも配信がない…。…

午前十時の映画祭で「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2(1989)」を観た

先週に引き続き、「午前十時の映画祭10FINAL」にて『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』を観てきました。新型コロナウイルスによる公開延期多発のためか、今週からは午前10時だけでなく夜の回も設定している劇場が多い模様。PART2はちょっとダークな話だ…

午前十時の映画祭で「バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985)」を観た

幼少期から今に至るまで、数えきれないほど繰り返し観てきた『バック・トゥ・ザ・フューチャー(以降BTTF)』シリーズ。そこまで映画好きというわけでもない父親が何故かこの作品だけは執拗に見せてくれていたおかげで、後々同世代の友人たちと仲を深めるき…

「キング・オブ・コメディ(1982)」雑感

スコセッシ週間入っております。今回は『アイリッシュマン』からと言うよりも『ジョーカー』からと言ったほうが良さそうです。 あらすじ コメディアンとして大成することを夢見るルパート・パプキン(ロバート・デ・ニーロ)は、憧れのテレビ司会者ジェリー…

「ウディ・アレンの重罪と軽罪(1989)」雑感

TSUTAYA DISCASを再開したので、配信されていないウディ・アレン作品を何本か借りました。そのうちの一本。これはライムスター宇多丸さんが特に好きなウディ・アレン作品としてたびたび挙げていて、観たかったんですよね。 雑感 裕福な眼科医と、ウディ・ア…

「遊星からの物体X('82)」と前日譚「遊星からの物体X ファーストコンタクト('11)」

「ヘイトフル・エイト(2015)」でタランティーノ監督が大いに意識したという映画「遊星からの物体X」を観ました。 「遊星からの物体X」、その名前は聞いたことがあっても、正直あまり観たいと思えるタイトルではないというか。サイレント映画の名作かな?く…

ブルース・ブラザース(1980)

「ブラザーズ」ではなく「ブラザース」が正しい模様。「午前十時の映画祭10 FINAL」にて鑑賞しました。全く未見で予備知識もない作品だったのですが、そういえば町山さんが先日トークショーでイチオシしてたなとか、なにやら星野源のフェイバリットムービー…

ストレンジャー・シングスを観てからの「E.T.(1982)」

先日、海外ドラマ「ストレンジャー・シングス」についての記事で「E.T.」的要素が強いと言われるが昔観たきりでよく覚えてないなんてことを書きまして、そういうの良くないと思う真面目なオタクなので「E.T.」観ました。昔観たきりっていうか多分観たことな…

ソフィーの選択(1982)

「大統領の陰謀(1976)」のアラン・J・パクラ監督作品(だったんですね、知らずに観ていた)。主演はメリル・ストリープ、他。 この作品を知ったのはつい最近、「午前十時の映画祭」に取り上げられていたことから。ホロコースト絡みの重い内容と思われたの…

チャイルド・プレイ(1988)

88分の傑作ホラー映画シリーズその②。その①はこちら「ドント・ブリーズ」。 ほんの偶然だったんですけど、なんとなく続けて観た2本がどちらもホラーで、かつ88分だったんです。そしてどちらも傑作!という。88分のホラー映画には何かいいものが憑いてるんじ…

隣の女(1981)

はい、トリュフォーです。じつは一度も観たことのなかったトリュフォーです。てっきり何作か観てると思っていたのですが。厳密にいうと「未知との遭遇(1977)」に役者として出演しているトリュフォーは見たことがありました。 というわけでフランス映画を代…

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ <ディレクターズ・カット>(1984)

「午前十時の映画祭9」で楽しみにしていた作品のひとつです。この作品自体は昨年9月に初めて観て(参考:感想記事)、4時間近い長尺かつ淡々とした作風でありながら飽きさせない稀有な魅力、あまりに美しいエンニオ・モリコーネの音楽など、大いに魅了されま…

恋人たちの予感(1989)

ニューヨークへ行く前に観ようと思っていて結局観れなかった映画が沢山ありますが、そのなかのひとつ。Wikipediaによれば 本作で主人公の男女が食事をするカッツ・デリカテッセンは、日本のガイドブックで掲載しない例外がない程の名所となった。 とのことで…

コーラスライン(1985)|ワンシチュエーションで見せる、ショウビジネスの裏の地味な密室劇

先日の「ニューイヤー・ミュージカル・コンサート2019(感想記事)」きっかけで観ようと思った作品のひとつです。 概要 ニューヨークはブロードウェイ。オーディションのため劇場に集まったダンサーたちの長い一日を描く。 まさかの密室劇 クライスラービル…