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主に映画の感想文を書いています

2021年の作品

【観てほしい】ドキュメンタリー映画「こころの通訳者たち」新宿K's cinemaほか公開中!

当ブログ内でも昨年末からたびたび触れてきた、シネマ・チュプキ・タバタ製作のドキュメンタリー映画『こころの通訳者たち What a Wonderful World』。チュプキでの先行公開を経て、先週10/22(土)からは新宿K's cinemaさんにて上映が始まりました。この映画…

アトロク「オリジナル音声ガイド制作プロジェクトby日比麻音子アナ」の経緯を振り返る

アトロクことTBSラジオ「アフター6ジャンクション」にて、シネマ・チュプキ・タバタとの合同企画「オリジナル音声ガイド制作プロジェクト」完結編が放送されました。矢野ほなみ監督の短編アニメーション作品『骨噛み(2021)』に、TBS日比麻音子アナウンサー…

映画「キングメーカー 大統領を作った男(2021)」感想|金大中と「影」の凄腕選挙参謀を描くポリティカルエンタメ

韓国の第15代大統領・金大中とその「影」で暗躍した選挙参謀・厳昌録(オム・チャンノク)をモデルに1960〜70年代の選挙戦を描く、韓国映画お得意のポリティカル・エンタテインメント作品です。近年の代表的な関連作品を劇中の時系列で並べると、朴正煕暗殺…

映画「距ててて(2021)」感想|着地しなさが好き

へだててて。今はすっかり読み慣れたこのタイトルと出会ったのは、『春原さんのうた』ほか杉田協士監督の特集上映でポレポレ東中野へ通っていた頃。いつも予告編で流れてて、気になりつつも観れてなくて。ああよかった、やっぱりチュプキに来るわ、ってこと…

ソードアート・オンラインはじめました&「劇場版SAO プログレッシブ 星なき夜のアリア」感想

時は2022年。高性能VRによる完全没入型オンラインゲームの中、「現実世界の生死」をかけたデスゲームが発動してしまう——というお話。最近『イカゲーム』でも思いましたが、デスゲームってフィクション性が高いのにひどく入り込めてしまう不思議なコンテンツ…

映画「モガディシュ 脱出までの14日間(2021)」感想|到底追いつけない韓国映画の志とクオリティが悔しい

リュ・スンワン監督作品『モガディシュ 脱出までの14日間』を観てきました。凄かったです。息呑みっぱなしでした。結論から言うと、韓国はこういう映画に莫大なお金をかけることができ、とてつもないクオリティの作品を仕上げることができ、そしてそれを大ヒ…

映画「わたしは最悪。(2021)」感想|これはロマコメではない

一週間ほど前ですが、ヨアキム・トリアー監督の映画『わたしは最悪。』を観てきました。第94回アカデミー賞では濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー(2021)』と並んで国際長編映画賞にノミネート(最近観たなかだと『FLEE フリー』も)していた作品です。…

映画感想「山歌」「チロンヌㇷ゚カムイ イオマンテ」「アイヌモシㇼ」|涼みがてらのチュプキ7月前半鑑賞メモ

だるい。ねむい。クーラーでよく冷えた布団と枕の間に腕を突っ込みながらうだうだしていた日曜日。こんなことではいけないと思い直し、用もなくチュプキへ。結局3本観て帰ってきました。ざっくりと、超ざっくりとメモ書き。1本目は笹谷遼平監督の『山歌(202…

まっぷるさんで細田守監督作品6本の紹介記事を書きました

「まっぷるトラベルガイド」さんにて、今週&来週の金曜ロードショー『時をかける少女』『竜とそばかすの姫』放送に合わせた記事を書かせていただきました。全6作の作品紹介と簡単な聖地紹介です。いや待って『竜とそばかすの姫』わたし結構けちょんけちょん…

映画「FLEE フリー(2021)」感想|「マイスモールランド」と併せて必見な、難民を知るアニメーション・ドキュメンタリー

ヨナス・ポヘール・ラスムセン監督による映画『FLEE フリー』を観てきました。アミン・ナワビという人物の半生を、旧知の仲である監督がインタビューしていく。ざっくり言えばそういう映画なのですが、語られる内容が非常にセンシティブであるため、本作では…

映画「まっぱだか(2021)」感想|2回観ると見えてくる、「めんどくさっ」の先にあるもの。

安楽涼監督と片山享監督が神戸・元町映画館とタッグを組んで完成させた映画『まっぱだか』を、シネマ・チュプキで観ました。こちら、チュプキで舞台挨拶の撮影&レポートを担当することが決まっていたのと、音声ガイド制作の舞台裏動画を作ったりなどもして…

映画「フタリノセカイ(2021)」感想|“多様性”はそんなに割り切れるもんじゃない

こちら、ポスタービジュアルがよくできているなと思いました。LGBTQをテーマにした作品であるということだけ知っていたのですが、その先入観でこのポスターを見たとき、女性同士のラブストーリーなのかなと想像したんです。つまり背中を向けている右側の人物…

映画「誰かの花(2021)」感想|読み解きたくなる要素満載の、スリリングな団地群像劇。

築年数高めの「団地」が本作の主な舞台。ある日「ベランダから落ちた植木鉢」が、住人たちの人生を狂わせていきます。たったそれだけと言えばそれだけの物語。しかし「たったそれだけのこと」がどこにどう転んでいくのか全く読めない緊張感。ヒリついた、固…

映画「カモン カモン(2021)」感想|これに心動かされない自分、なんか落ち込むかもとか思いつつ。

渋谷のWHITE CINE QUINTOにて映画『カモン カモン』を観ました。ひょんなことから幼い甥っ子の面倒をみることになってしまったおじさんホアキン・フェニックスのお話。すごく評価の高い作品ですし間違いないやつでしょうと安心しきって観たのですけども、お…

ここ最近の鑑賞映画まとめて感想③|「梅切らぬバカ」他、いつぞやのチュプキ編

3週間前くらいのチュプキ鑑賞メモを超絶遅延で書きます(下書きに眠らせすぎました)。『梅切らぬバカ』『普通に死ぬ 〜いのちの自立〜』『人生フルーツ』の3本です。「梅切らぬバカ(2021)」自閉症の息子と、自身も老いてきたなか二人暮らしで介護の日々を…

映画「屋根の上に吹く風は」「夢みる小学校」感想|新たな学びのかたちを考えさせられるドキュメンタリー2本

シネマ・チュプキにて、学校教育もの2本立て『屋根の上に吹く風は』『夢みる小学校』を観ました。ともに2021年製作の2本、一見すると非常に似た作品です。どちらもとにかく既存の枠にとらわれない自由なかたちの教育をしている学校であることは同じ。ただ、…

映画「ベルファスト(2021)」感想|ポップで温かい、血が通った“最新型”の白黒映画。

先日のアカデミー賞(では7部門ノミネート、うち脚本賞を監督のケネス・ブラナーが受賞した映画『ベルファスト』を観てきました。なんか地味な白黒映画っぽいなーといまひとつ食指が動かなかったのですが、いざ観てみたらすっごいよかったです。はい、まあ大…

映画「春原さんのうた(2021)」感想|たった一首の短歌が原作! 風通しのいい映画

シネマ・チュプキにて『春原さんのうた』を観てきました。この映画、たった一首の「短歌」が原作になっています。エンドロールで「原作短歌」とクレジットされるまで知らなくてびっくりしたのですけど、でもなるほど短歌という31文字の宇宙を広げた映画と言…

映画「14歳の栞(2021)」感想|とある中学校の「2年6組」35人全員に密着したドキュメンタリー

「とある中学校の3学期、『2年6組』35人全員に密着」という公式の謳い文句だけで、とてつもないドキュメンタリーであることが伝わると思います。この時代にそんなことが可能なのか?? 実際問題、可能にしてしまったのですからすごいです。なお本作、その性…

映画「ナイトメア・アリー(2021)」感想|好きな監督×好きな俳優=好きとは限らない

観たい新作映画が大渋滞を起こすなか、ギレルモ・デル・トロ監督の最新作『ナイトメア・アリー』を観てきました。ルーニー・マーラとケイト・ブランシェットの『キャロル』コンビがデルトロ映画に出演!という超ビッグニュースに湧き立って以来楽しみにして…

映画「SING/シング:ネクストステージ(2021)」吹替版感想|坂本真綾と稲葉浩志の世界線が交わっただけで満足

前作に引き続きマイスイート坂本真綾さんがメインキャラクター・ロジータの吹き替えをしておりますが、彼女の声優仕事を追っているわけではないわたしとしては(少なくとも吹き替え版は)スルーの可能性も高い作品でした。ただ、事件が起きます。「稲葉浩志…

映画「浜の朝日の嘘つきどもと(2021)」感想|ドラマ版から観るのがおすすめ。あって当然ではない、映画館へのラブレター。

3月11日、何を観ようかと悩んだ末に『浜の朝日の嘘つきどもと』を選びました。「東日本大震災 映画」で検索したら出てきて、あ、これ観そびれてたけどそうだったんだ、って感じでした。福島県南相馬市に実在する映画館「朝日座」を舞台にしたフィクションで…

3.11関連ドキュメンタリー「きこえなかったあの日」「二重のまち/交代地のうたを編む」感想

東京・田端のユニバーサルシアター「シネマ・チュプキ・タバタ」3月前半プログラムから、いずれも東日本大震災に関連するドキュメンタリー『きこえなかったあの日』『二重のまち/交代地のうたを編む』の2本を観てきました。

映画「海辺の彼女たち(2021)」感想|日本で不法就労するベトナム人技能実習生たちの境遇に絶句

本作が扱うのは「日本で働くベトナム人技能実習生たち」の実状。それも「失踪して不法就労に従事する実習生」たちの実状です。非常にドキュメンタリー的な質感とテーマの作品であるため、最初のうちは「ドキュメンタリーなのかな?」と思いながら観ていたの…

映画「ウエスト・サイド・ストーリー(2021)」感想|ニューヨーク再開発という時代背景に注目する

観てから2週間ぐらい経ってしまいました。何が。スピルバーグ監督の『ウエスト・サイド・ストーリー』が。やっぱりなんか、ビッグタイトルすぎて億劫になりますね。もちろんいろいろ思ったこと書きたいことはあるんですが、ここはちょっとピンポイントに、や…

映画「帆花(2021)」感想|生後すぐ“脳死に近い状態”と宣告された少女が小学校に上がるまでのドキュメンタリー

このドキュメンタリーは、生後すぐに「脳死に近い状態」と宣告された西村帆花さんと、彼女と共に暮らしてきた家族や周囲の人たちなどを捉えたものです。監督・國友勇吾さんは、密着取材を終えてから7年近い歳月をかけて本作を完成させたといいます。まず最初…

映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021)」感想|2回観てもなお戸惑う、怖い映画。

Netflix製作の映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』を観ました。この映画、かなり地味なうえに、かなり先の読めない映画となっておりまして。仕事終わりの眠たい頭で、小さな画面で観るもんじゃなかった。映画館で観るべきだこれは。あまりの展開に困惑したので…

「まちの本屋」「ようこそ革命シネマへ」ほか、22年1月後半シネマチュプキ鑑賞メモ

東京・田端のシネマ・チュプキ・タバタにて、1月後半のプログラムを滑り込みで4本ハシゴしてきました。『まちの本屋(2020)』『ようこそ革命シネマへ(2019)』『サマーフィルムにのって〈音声ガイド付〉(2020)』『映画大好きポンポさん〈音声ガイド付〉…

映画「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021)」感想|処理しきれない快感

タイトル、長っ。ということでわたしは「フレンチ指パッチン」と脳内で呼んでいた映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』を観てきました。公開日のレイトショーに行ったのですが、ウェス・アンダーソン監督の最新作と…

映画「Coda あいのうた(2021)」感想|ゲスからエモーショナルまで、幅広い“手話”の魅力に触れる。

本作は2014年公開のフランス映画『エール!』をリメイクしたもので、「Coda/コーダ」とは「聴覚障害の親をもつ健聴児=Children of Deaf Adults=CODA」のことだそう。家庭内でただひとり音声言語を使えるヒロインは、生まれながらの「通訳者」として両親と…