3月15日から公開となる韓国映画『ビニールハウス』を試写で観ました。「半地下はまだマシ」という煽りみの強いキャッチコピーがちょっと話題にもなったりしましたが、韓国映画でビニールハウスといえば、やはり『バーニング 劇場版』を連想するところです。
で、まあ『バーニング』を連想する以上どうしたって期待値も上がるし、かつ社会派作品であろうことへの身構えみたいなものもあったのですが、これがどっこい、個人的な感想としてはかなりエンタメ寄りの、「王道」なサスペンス・スリラーだったなと。久々にこういうの観たかったんだよ!という、今や珍しいくらいの「ザ・韓国映画」だったなと、思いました。
「個人的な感想としては」を強調したのは、人によっては非常に重たい話とも受け取れるはずで、お前これをエンタメとか言ってんのかよと怒られるかもしれないんですけども、ただ、映画の作りは「とても良くできたスリラー」なんですよね。いちいちタイミングが最高なんですよ。100分のタイトな尺で見事に作ってる。あくまでスリラーたるところに注力していると思う。だもんですからわたしはこの映画、春のエンタメ快作として推します!
フェイバリットムービー『暗くなるまで待って』をまた観たくなったなあとか、最近『はこぶね』という映画で観て衝撃だった「とあること」が本作にも出てきてびっくりしたとか、断片的な感想を落としつつ。劇場公開となりましたら、ぜひぜひご賞味くださいませ。
あ、そういえば、いま公開になっている『ビヨンド・ユートピア 脱北』も去年試写で観まして、初めて知ること・初めて見る映像ばかりのドキュメンタリーでございました。
当時のXことTwitterには以下のように書いております。
脱北と聞いて想像するのは38度線の越境だったのだけど、このドキュメンタリーが見せるのは「中国経由、4つの国境を越えて、最後は“意図的な強制送還”で韓国へ“送り返される”」という壮絶なもの、しかも対象は三世代の5人家族。全て実録。いやはや。いやはや。
(https://twitter.com/threefivethree/status/1729786631207448576)
事実は小説より奇なり、です。こちらもぜひどうぞ。