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主に映画の感想文を書いています

大林宣彦

「この空の花 長岡花火物語」バリアフリー版、大林千茱萸さんの全面監修にて上映します(7/14〜@シネマ・チュプキ・タバタ)

2020年、大林宣彦監督の訃報をきっかけにわたしが大林映画および大林監督にまさしく心酔してしまったことは、本ブログを読んでくださっていた方であれば嫌というほどご存知かと思います。 一気見した関連作品は50本超、本も読み漁り、得られる情報は得られる…

大林千茱萸監督作品「100年ごはん」上映会へ行ってきたはなし。

2024年6月28日、雨。梅雨生まれの誕生日にふさわしい雲模様の中、溝の口のおしゃれなライブハウスで、とある映画の上映会に参加しました。その映画とは、大林千茱萸監督の『100年ごはん』。 大林千茱萸(ちぐみ)さんは大林宣彦監督のご息女。2013年に一本だけ…

「映画 ◯月◯日、区長になる女。」ほか「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」「廃市」のはなし。

▼ポレポレ東中野にて『映画 ◯月◯日、区長になる女。』。ドキュメンタリー界隈にてかなりヒットしているという噂を聞きつつ、なかなか観れていなかった一本。ようやく観ました(わたし映画館の人なので、ここにはあまり書いていませんがドキュメンタリーは日…

長岡花火へ行ってきました|大林宣彦監督作品「この空の花 長岡花火物語」にまつわる小旅行記

念願の! 「長岡花火」こと「長岡まつり大花火大会」へ行ってきました。大前提として、そもそもなぜわたしが長岡花火に惹かれているかというと、大林宣彦監督の映画『この空の花 長岡花火物語』のせいです。2020年4月、大林監督の訃報をきっかけにわたしは初…

尾道探訪記【1日目④ 大林映画の世界に迷い込む 〜千光寺公園 展望台から望む尾道水道〜】

しばし歩道橋と戯れたのち、次なる目的地へ向かう。なおプランは特に定めず、GoogleMap上でピンの近いところをセレクトしているだけである。ピンを頼りに向かう次の目的地は、『ふたり(1991)』で石田ひかり演じる北尾実加がひょいとすり抜ける電柱の隙間、…

尾道探訪記【1日目③ 大林映画の世界に迷い込む 〜オープンセット尾道の筆頭、あの歩道橋!〜】

散策早々に迷い込んでしまった山側から下ってきて、ひとまず線路沿いへと戻る。近場かつ早めにご対面しておきたいところというと「あの歩道橋」だ。『転校生(1982)』で入れ替わったばかりの一夫が勢いよく自転車で駆け上がっていく歩道橋、『ふたり(1991…

尾道探訪記【1日目② 大林映画の世界に迷い込む 〜転校生の階段、時かけのタイル小路〜】

ゆっくりじっくり尾道探訪記、2本目です。憧れの尾道をひたすら歩き回り、大林宣彦監督作品の世界に迷い込んでゆきます。作品ごとに巡っているわけでも作品ごとにまとめているわけでもないのでごちゃ混ぜですが、エリア的には比較的近いあたりでまとめてあり…

尾道探訪記【1日目① はじめての尾道に降り立つ】

大林宣彦監督の映画世界に惹き込まれて2年。広島県・尾道へようやく行くことができました。大林監督の故郷であり、「尾道三部作」と呼ばれる『転校生(1982)』『時をかける少女(1983)』『さびしんぼう(1985)』などを筆頭に、数多くの作品でその姿を見る…

唐突に「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」を観ている、からの脱線あれこれ

所謂ニチアサとは無縁だったわたしですが、いきなり『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』を観始めました。ことの起こりはまたしてもアトロクことTBSラジオ「アフター6ジャンクション」。宇多丸さんが今年は久しぶりに戦隊ものを観ているとたまに話していたので、チ…

宇多丸さんに気持ちが届いたり、厚木拓郎さんにお会いしたり…。とある日の「ユメから出たマコト」備忘録

事後報告といいますか、だいぶ夢みたいな体験をしてしまったことの記録をですね、まだかろうじて現実味の残っているうちに書いておこうと思います。自慢……ですね、自慢です。これは自慢です。

内田吐夢監督の映画「宮本武蔵」シリーズ全5作を観た/入江若葉さん演じる「お通」のこと

1961年から1965年にかけて「1年1作」で作られた、内田吐夢監督の映画『宮本武蔵』シリーズ全5作を一気見しました。最初の3作は短めでサクサクいけるのと、毎回あからさまな「続く!」で終わるため、ドラマ感覚であっという間に完走。 ちなみに「わりと夢中で…

映画「ある日どこかで(1980)」感想|強い気持ちで時空を超える、衝撃のトラウマ恋愛物語

かなり異色のタイムトラベル恋愛映画『ある日どこかで』を観ました。すごく……すごく良かったけど強烈なトラウマ映画にもなった感。寝る直前に観るもんじゃなかったな。 観たきっかけは、大林宣彦監督の『時をかける少女(1983)』。こちらの劇伴は松任谷正隆…

映画「めまい(1958)」感想と、併せて再見した大林版「時をかける少女」のこと〈いいかげんヒッチコックを観よう②〉

じつは観たことがないだなんて口が裂けても言えないのでこっそりヒッチコックを初見していこう週間、2本目は『めまい』です。はい、こちら前回の『サイコ(1960)』以上に100%初見です。逆にすごいと思うんです。 例によってネタバレ気にせず書いていきます…

映画「キネマの神様(2021)」感想|対になるような作品「海辺の映画館」との共通点を掘ってみる

山田洋次監督の最新作『キネマの神様』を観てきました。ちなみにわたし、山田洋次監督の作品はずばり『幸福の黄色いハンカチ(1977)』しか観たことがないという、「寅さん」すら全く観たことがないという、そんな超門外漢でございます。それがなぜ今回は観…

「海辺の映画館」は交響曲なのかもしれない 〜何度も繰り返し観て気付いたシンプルなこと〜

この映画を、初見から「すごくいい映画だった!感動した!」と絶賛できる強者はなかなかいないのではないかと思います。それよりもまずは圧倒されたとか、よく分からんけどすごかったとか、そのあたりが大多数でしょう。 わたしもガイド制作作業を始めるまで…

【8/1〜15限定】「海辺の映画館─キネマの玉手箱」再上映に音声ガイドと日本語字幕が付きます(ガイド制作担当しました)

お知らせです。大林宣彦監督の遺作『海辺の映画館─キネマの玉手箱』が、8/1(日)から2週間限定でユニバーサルシアター「シネマ・チュプキ・タバタ」にてバリアフリー上映されます。目や耳が不自由な方でも、車椅子の方でも、小さなお子様連れの方でも映画を楽…

大林宣彦監督作品「可愛い悪魔(1982)」感想|これで人生狂わされたかった! トラウマ必至の「火サス」用作品

大林宣彦監督による『火曜サスペンス劇場』用作品『可愛い悪魔』を観ました。これはですね、かなり「いい」です。限りなく自主映画時代の、『いつか見たドラキュラ(1966)』的な雰囲気で作られた一本で、こんなのをテレビでやっていたのかと思うとニヤけて…

大林宣彦監督作品「あの、夏の日 〜とんでろ じいちゃん〜(1999)」感想|要素てんこ盛りの尾道ファンタジー

大林宣彦監督1999年の作品『あの、夏の日 〜とんでろ じいちゃん〜』を観ました。 この作品は『ふたり(1991)』『あした(1995)』に続く「新・尾道三部作」の三作目となっています。もとの「尾道三部作」は言わずもがな『転校生(1982)』『時をかける少女…

大林宣彦監督について書いた記事一覧

大林宣彦監督についてこれまで書いてきた感想記事などを一覧にしました。長編映画ではないものも含めると50本以上観ているようで、我ながらよくぞという感じです。 自主映画作家時代の作品 だんだんこ(1957) 絵の中の少女(1958) 木曜日(1960) 中山道(…

大林宣彦監督作品「漂流教室(1987)」感想|どうしようもないけど愛せなくもない珍品

大林宣彦監督の『漂流教室』を観ました。楳図かずおさんの同名漫画作品を原作としている本作、ソフト化はされていないそうで今回が初見だったのですが、ファンなりたての頃(注:ほんの1年ちょい前)から「珍品」としてお噂はかねがね、という感じでした。 …

新文芸坐でフィルム上映の「転校生(1982)」を観た

池袋の新文芸坐にて「大林宣彦監督 一周忌追善『転校生』特別上映会」として上映された『転校生』を観てきました。 『転校生』はつい一週間ほど前にWOWOWの放映で初めて観たのですが、(そこに至るまでの経緯は書いたので省略するとして)あんなに長いこと観…

大林宣彦監督作品「転校生(1982)」感想|やっと観れたオリジナル版は、ちっとも古びていなかった。

1年ほど前、訃報をきっかけにのめり込んだ大林宣彦監督の世界。1作目『HOUSE/ハウス(1977)』から観ていこうとするなかで、配信全盛の今まずぶち当たるのは超代表作『転校生』が配信されていないということなんですよね。 レンタル屋は近所から消えたし、D…

【2021改訂版】動画配信サービスで観れる大林宣彦監督作品23本をリストアップ&簡単に紹介します

この記事では、主要動画配信サービスで観れる大林作品をリストアップします。また併せて、配信されている全23+1作品の簡単な紹介もしていきます。大林作品の世界へ一歩踏み込むお手伝いができれば幸いです。

大林宣彦監督作品「麗猫伝説(1983)」感想|入江たか子&入江若葉の母娘共演による「サンセット大通り」

1月9日は大林宣彦監督の誕生日でした。そういえばDVD買ったきりまだ観てないんだったと思い出し、1983年の作品『麗猫伝説(れいびょうでんせつ)』を鑑賞しました。 再生するまで知らなかったのですが、この作品は「火曜サスペンス劇場」用で、しかも100回記…

大林宣彦監督作品「はるか、ノスタルジィ(1993)」雑感|中年ロリコンおじさんの話、少なくとも表面上は。

大林監督の名作?迷作?として名高い『はるか、ノスタルジィ』をようやく観ることができました。特集上映を組んでくださった新文芸坐さんに感謝。本作では『ふたり(1991)』に引き続き石田ひかりさんがヒロインを演じています、が、主役は勝野洋さん演じる…

大林宣彦監督作品「恋人よ われに帰れ(1983)」雑感|沢田研二・大竹しのぶ主演、直球の反戦ドラマ

池袋の名画座新文芸坐さんの大林宣彦監督追悼企画にて、1983年のテレビドラマ作品『恋人よ われに帰れ LOVER COMEBACK TO ME』を観ました。本命は同時上映の『はるか、ノスタルジィ(1993)』で、本作のことはじつは存在すら知らなかったのですが、期待して…

大林恭子さん・千茱萸さんとお会いできた夢のような日〜深谷シネマ「海辺の映画館」初日舞台挨拶にて〜

埼玉県深谷市の映画館「深谷シネマ」さんにて、大林宣彦監督・永遠の最新作『海辺の映画館─キネマの玉手箱』を観てきました(3回目)。2020年7月31日に封切られた映画ですが、深谷シネマさんでの上映はこの10月18日が初日。大林監督が名誉館長を務めていらし…

京都国際映画祭2020の大林宣彦監督特集を観た③【「この空の花」「野のなななのか」メイキングと、特別対談】

この記事の続きです。 京都国際映画祭2020の特集『大林宣彦の玉手箱─ワンダーランドな空想映画館─』では、メイキング・ドキュメンタリー作品も上映(配信)されていました。ここではメイキング2作品と、映画祭の特別対談について書きます。 目次 映画の根「…

京都国際映画祭2020の大林宣彦監督特集を観た②【初公開作品「海外特派員」含む、映画作品3本】

この記事の続きです。 京都国際映画祭2020の特集『大林宣彦の玉手箱─ワンダーランドな空想映画館─』では、レアな映画作品も上映(配信)されていました。ここでは以下の3本について書きます。 目次 海外特派員 ある映像作家の場合 四月の魚 Poisson D'avril …

京都国際映画祭2020の大林宣彦監督特集を観た①【テレビコマーシャル傑作選、ミュージックビデオなど】

2020年10月15〜18日にオンライン開催された「京都国際映画祭2020」にて、『大林宣彦の玉手箱─ワンダーランドな空想映画館─』という大林宣彦監督特集が組まれていました。監督のご息女・大林千茱萸さん直々にプロデュースされたこの企画は驚くほどレアな映像…