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主に映画の感想文を書いています

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

おすすめ韓国文学「フィフティ・ピープル(チョン・セラン 著/斎藤真理子 訳)」

『フィフティ・ピープル』という韓国の小説を読みました。韓国文学なんて全く馴染みのないジャンルを手に取るきっかけ、これじつは翻訳家の斎藤真理子さんに惚れ込んだことから始まったのでした。 毎度お馴染みのお役立ちラジオ番組「アフター6ジャンクショ…

TOHOシネマズで「風の谷のナウシカ(1984)」を観た

新型コロナウイルスの影響ということになるのか、TOHOシネマズがジブリ作品のリバイバル上映を大規模開催。2020年6月末現在、ほぼ全館で『風の谷のナウシカ(1984)』『もののけ姫(1997)』『千と千尋の神隠し(2001)』『ゲド戦記(2006)』の4作品を観る…

大友克洋監督「AKIRA(1988)」を初めて観た

TOHOシネマズにて、4Kリマスター版の『AKIRA』を観てきました。じつは原作含め全く初めての『AKIRA』です。いやはや、面白かった! 想像以上に凄かった! 「こんな作品が30年以上も前に作られたとは」などというありきたりな感想が、悔しいかな心の底から出…

「リモート映画」2本と、Netflix「ROMA/ローマ」製作ドキュメンタリーの雑感

書きそびれそうだった短尺作品3本の感想です。まずはリモート映画『第七銀河交流』『カメラを止めるな!リモート大作戦!』、それからドキュメント『ROMA/ローマ 完成までの道』について書いています。 リモート映画を観てみた 新型コロナウイルスの影響で多…

気まぐれ自叙伝 わたしの音楽遍歴【第6章:羨ましがってないで、行けばいいじゃん】

何者でもない「わたし」の音楽遍歴をたどる暇つぶし自叙伝、第6章。 長らく公開延期となっていた映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』をようやく観たところでふと思ったのですが、このタイトル無意識のうちに「わたしの若草物語」から取…

待望の劇場公開新作「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019)」はしゃいだ雑感

珍しくノミネート作の多くが日本公開済だった今年のアカデミー賞。しかし新型コロナウイルスの影響により不運にも未公開側にほぼ唯一取り残されるかたちとなってしまったのが本作です。3月27日公開予定改め6月12日公開『ストーリー・オブ・マイライフ/わた…

大林宣彦監督作品「野ゆき山ゆき海べゆき(1986)」雑感

配信のある大林作品を全て観尽くしてしまい(※1)どうしたものかと思っていたところに、ちょうど池袋の新文芸坐さんにて大林監督追悼特集の第一弾として『野ゆき山ゆき海べゆき』が上映されていたので行ってきました(※2)。2020年6月現在、配信では視聴でき…

海外ドラマ「ウエストワールド」シーズン1ネタバレ雑感

PrimeVideoで配信されているHBO製作のドラマ『ウエストワールド』シーズン1を遅まきながら観ました。これがものすごく面白かった…! 「してやられた」感が非常に痛快でした。マジかよ、うわー、やべー、的な感想を書きたいので本記事はネタバレ全開となりま…

90日ぶりの映画館〜新文芸坐にて大林宣彦追悼特集/2度目の「さびしんぼう」雑感

新型コロナウイルスの影響で映画館へ行けなくなって約3ヶ月。この週末、じつに90日ぶりの再会を果たしてきました。と言っても初めましてのところへ行ったのですが。 記念すべき映画館通い再開の場に選んだのは、池袋にある名画座「新文芸坐」さん。理由は単…

動画配信サービスで観れる大林宣彦監督作品21本をリストアップ&簡単に紹介します

4月に亡くなった映画作家、大林宣彦監督。その訃報に触れるまで大林作品をひとつも観たことのなかったわたしですが、軽い気持ちで手を出してみたところ自分でも驚くほど魅了され、気付けば動画配信サービスで取り扱いのある作品を手当たり次第に全て鑑賞して…

大林宣彦監督作品「その日のまえに(2008)」雑感

配信されている大林作品を全て観る(ことに最終的になった)マラソン、ついにゴールです。なぜかHuluでしか配信されていない『その日のまえに』が最後の一本。珍しくウェットな内容と相まって、なかなか感動的なフィニッシュとなりました。ではでは、しゅっ…

原節子さん生誕100年の日に観た「東京物語(1953)」雑感

お恥ずかしい話ですが、「小津」を観たことがありませんでした。観たいな、観なきゃな、とずっと前から思っていたのに手をつけられなかったのは、やはりあまりにビッグネームだからでしょうか。なにかと“きっかけ”を求めがちなわたしに、昨日6月17日、朗報が…

Netflixドキュメンタリー「13th -憲法修正第13条-(2016)」雑感

Netflixで配信されているドキュメンタリー『13th -憲法修正第13条-』を観ました。2016年公開の作品ですが、Black Lives Matter運動の活発化により再び注目されているようです。 アメリカはその人口に対して受刑者数が異常に多い、という統計から始まる本作。…

大林宣彦監督作品「少年ケニヤ('84)」「彼のオートバイ、彼女の島('86)」雑感

大林作品集中履修(配信作品に限る)、いよいよラストスパートです。今回は1984年公開のアニメーション作品『少年ケニヤ』と、1986年公開の『彼のオートバイ、彼女の島』を観ました。どちらもPrimeVideo内のチャンネル「シネマコレクション by KADOKAWA」に…

気まぐれ自叙伝 わたしの音楽遍歴【第5章:中学2年生、B'zに出会う】

何者でもない「わたし」の音楽遍歴をたどる暇つぶし自叙伝、すっかり止まっていましたがリクエストを頂戴したので(止まっていたことも気にはなっていたので)重い腰を上げて第5章です。第4章はこちら。 今回はB'zのお話。そうそう、非常に思い入れの強いB'z…

「ウォッチメン」原作コミック('86)、映画版('09)、HBOドラマ版('19)を一気に摂取した記録

本稿は『ウォッチメン』と名のついた各種作品を初めて摂取する方向け、より細かく言えばドラマ版を観たいんだけど予習は必要? と悩んでいる方向けのガイド記事、のようなものを目指しています。書いているのは、まさに一週間前くらいまでその状態だった人で…

海外ドラマ「シェイムレス 俺たちに恥はない」の紹介と、あわせて読みたい本のことなど

2011年からWOWOWで放送されている海外ドラマ『シェイムレス 俺たちに恥はない』が2020年4月、Netflixに入りました(シーズン5まで)。観終えてから書こうと思っていましたが、シーズン4へ入ったあたりでだいぶ視聴ペースが落ちてきたので一旦書いておきます…

ロバート・ゼメキス監督作品「マーウェン(2018)」雑感

PrimeVideoの会員特典に、公開当時気になりつつ観れなかった『マーウェン』が入っていたので鑑賞しました。監督は『バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985〜)』シリーズや『フォレスト・ガンプ/一期一会(1994)』のロバート・ゼメキス。高まる期待! なの…

HBOドラマ「チェルノブイリ」各話の感想とその他諸々

ソ連の原発事故を扱ったHBO製作のドラマ『チェルノブイリ』。昨年『ゲーム・オブ・スローンズ』最終章(同じくHBO製作)が終わった頃からスターチャンネルEXで配信され大変話題になっていましたが、GOTで消耗しきった当時は観る気になれず、ちょうど一年ほど…

大林宣彦監督作品「ふりむけば愛('78)」「金田一耕助の冒険('79)」雑感

大林作品集中履修(配信で観れるもの限定)もそろそろラストスパート。今回はちょっと観るのをためらいがちな70年代の2作品をまとめて鑑賞。百恵友和コンビの『ふりむけば愛』と、シリーズもの?パロディ?よくわからない『金田一耕助の冒険』です。後者に関…

映画「ドゥ・ザ・ライト・シング(1989)」雑感

スパイク・リーの初期作品『ドゥ・ザ・ライト・シング』を観ました。現在コロナと並行して世界的に大きな動きとなっているBlack Lives Matterの運動。昨日('20/06/02)放送の「アフター6ジャンクション」冒頭でライムスター宇多丸さんが、この件に関して本…

2020年5月に観た映画を振り返る

5月の鑑賞映画を振り返ります。4月分はこちら。 新作 なし 旧作 英国王のスピーチ(2010) ねらわれた学園(1981) 天国にいちばん近い島(1984) 異人たちとの夏(1988) マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙(2011) 廃市(1983) 青春デンデケデケデケ(…

大林宣彦監督作品「花筐/HANAGATAMI(2017)」原作も読んでの雑感

大林作品集中履修、ついに劇場公開済の最新作まで辿り着きました。2017年作品『花筐/HANAGATAMI』。出演は窪塚俊介、矢作穂香、常盤貴子、満島真之介、長塚圭史、山崎紘菜、門脇麦、村田雄浩、柄本時生ほか、といった相変わらずの豪華キャストでございます。…