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主に映画の感想文を書いています

2010年代の作品

映画「ミッドウェイ(2019)」雑感|真珠湾攻撃〜ミッドウェイ海戦を中立視点から描いたローランド・エメリッヒ最新作(しかし居心地が悪い)

ローランド・エメリッヒ監督の新作『ミッドウェイ』を劇場鑑賞しました。太平洋戦争における真珠湾攻撃からミッドウェイ海戦までの戦局を、日米双方の視点で描く作品です。日本からは山本五十六役の豊川悦二さんをはじめ、國村隼さん、浅野忠信さんらが海軍…

映画「レディ・バード(2017)」雑感|グレタ・ガーヴィグ監督×シアーシャ・ローナンの第一弾作品

グレタ・ガーヴィグ監督の『レディ・バード』を観ました。監督&主要キャストが共通している『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019)』の公開タイミングで観ようと思っていたのですがずるずる後回しになっておりましたよ。あるある。 物語…

映画「コレット(2018)」雑感|“奔放”な女流作家、という印象を持つこと自体間違っているのかもしれない。

先日ミュージカル『ダディ・ロング・レッグズ』を観劇したとき、カンカン帽をかぶった文筆家のヒロインを見て「あ、そういえば観なきゃ」と頭をよぎった映画がありました。それが『コレット』です。 主演はキーラ・ナイトレイ。とても好きなお顔立ちの女優さ…

深田晃司監督作品「よこがお(2019)」雑感|血の気が引く、背筋が凍る、胸糞悪い、でもめちゃくちゃ面白い

深田晃司監督の『よこがお』を観ました。WOWOWでなんとなく録画しておいた一本だったのですが、これが非常に面白かった。監督、かなりの変態ですね……。 本作はまず何より主演・筒井真理子さんの怪演を愉しむ映画であり、あらすじを書いてしまうと楽しみが削…

映画「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019)」雑感|スカッと笑いたい全ての人へ

女優としても活躍するオリヴィア・ワイルドの長編初監督作品『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』を劇場鑑賞しました。 「ブックスマート=book-smart」とは「(学歴や教養はあるが)世間知らず」な人のことを形容する言葉だそうです。つまりこ…

ドキュメンタリー「ようこそ映画音響の世界へ(2019)」雑感|映画体験の半分は、音だ。

現在公開中のドキュメンタリー映画『ようこそ映画音響の世界へ』を観てきました。映画音楽ではなく、映画「音響」。もちろん音楽もその一部ですが、それ以外にも効果音や環境音、演者が発する声の扱いまで、「映画音響」の仕事は多岐に渡ります。しかし作品…

終戦から75年の日、池袋・新文芸坐で大林宣彦監督の戦争三部作「この空の花」「野のなななのか」「花筐」を観た

池袋の名画座・新文芸坐さんにて、「追悼・大林宣彦 〜永遠の魔法〜④ 戦後75回目の夏に…」と題された『この空の花 長岡花火物語('12)』『野のなななのか('14)』『花筐/HANAGATAMI('17)』の3本立てを観てきました。新文芸坐さん、企画ありがとうござい…

塚本晋也監督版「野火(2015)」雑感|非常にハイクオリティな戦争疑似体験映画

大岡昇平さんの同名小説を原作とした映画『野火』を観ました(1959年の市川崑監督版ではなく2015年の塚本晋也監督版)。 この映画、タイトルは知っていましたがあまりいいイメージを持っていなかったというか、趣味の悪い映画かなと勝手に遠ざけていました。…

ドキュメンタリー「大林宣彦&恭子の成城物語(2019)」ほか雑感|大林映画は“夫婦”の作品

U-NEXTで『ノンフィクションW 大林宣彦&恭子の成城物語 [完全版] ~夫婦で歩んだ60年の映画作り~』を観ました。元々はWOWOWで60分番組として放送されたもので、現在U-NEXTほかで配信されているこちら82分尺の「完全版」は昨年の東京国際映画祭にて公開され…

映画「この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019)」雑感|広島原爆投下から75年の日に

広島原爆投下から75年の日、片渕須直監督によるアニメーション映画作品『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』を観ました。2016年に大ヒットを記録した『この世界の片隅に』に約40分の新たなシーンを追加した、アナザーバージョンの作品です。8月5日より…

映画「ハンターキラー 潜航せよ(2018)」雑感|あのシーン、早っ!

日本の戦争映画を続けざまに観ていたら潜水艦欲が高まってしまって、これを観るなら今じゃろということで観ました、ちょっと前の話題作『ハンターキラー 潜航せよ』。元原子力潜水艦艦長の方が書いたフィクション小説を原作としているそうです。 ハンターキ…

韓国映画「新感染 ファイナル・エクスプレス(2016)」雑感|朝鮮戦争とセウォル号と……

「マブリー」の愛称で大人気なマ・ドンソクの魅力にわたしもクラクラしたいな、ということで手始めに『新感染 ファイナル・エクスプレス』を観ました。このタイトルは当時のTSUTAYA店頭でやたらよく見た記憶があります。ゾンビものなんて全く興味がなくスル…

韓国映画「1987、ある闘いの真実(2017)」雑感

『タクシー運転手 約束は海を越えて(2017)』鑑賞からの流れで、同じく1980年代韓国の民主化運動を描いた映画『1987、ある闘いの真実』を観ました。 あらすじ 1987年1月14日、学生運動をしていた大学生パク・ジョンチョルが警察の拷問により死亡する。警察…

韓国映画「タクシー運転手 約束は海を越えて(2017)」雑感

ソン・ガンホ主演の韓国映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』を観ました(副題付いてたの知らなかった)。ここのところ韓国文学を何冊か続けて読んでいるためか、空前の韓国ブームがきているわたしです。文化に興味を持ち始めると、俄然エンタメ摂取が楽…

ウディ・アレン最新作「レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019)」雑感

ウディ・アレン監督の最新作『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』を観ました。先日の『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019)』に引き続き、映画館での新作映画が二作連続ティモシー・シャラメ、っていうね。シャラメ嫌いだったんじゃな…

韓国映画「はちどり(2018)」雑感&キム・ボラ監督リモート舞台挨拶のうろ覚えレポート

韓国映画『はちどり』を観ました。韓国では2019年に一般公開され、同年公開のポン・ジュノ監督作『パラサイト 半地下の家族』に次ぐ2019年の代表作として大ヒットしたのだそうです。キム・ボラ監督の長編デビュー作である本作は、世界中の映画祭で賞を獲り、…

待望の劇場公開新作「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019)」はしゃいだ雑感

珍しくノミネート作の多くが日本公開済だった今年のアカデミー賞。しかし新型コロナウイルスの影響により不運にも未公開側にほぼ唯一取り残されるかたちとなってしまったのが本作です。3月27日公開予定改め6月12日公開『ストーリー・オブ・マイライフ/わた…

Netflixドキュメンタリー「13th -憲法修正第13条-(2016)」雑感

Netflixで配信されているドキュメンタリー『13th -憲法修正第13条-』を観ました。2016年公開の作品ですが、Black Lives Matter運動の活発化により再び注目されているようです。 アメリカはその人口に対して受刑者数が異常に多い、という統計から始まる本作。…

ロバート・ゼメキス監督作品「マーウェン(2018)」雑感

PrimeVideoの会員特典に、公開当時気になりつつ観れなかった『マーウェン』が入っていたので鑑賞しました。監督は『バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985〜)』シリーズや『フォレスト・ガンプ/一期一会(1994)』のロバート・ゼメキス。高まる期待! なの…

大林宣彦監督作品「花筐/HANAGATAMI(2017)」原作も読んでの雑感

大林作品集中履修、ついに劇場公開済の最新作まで辿り着きました。2017年作品『花筐/HANAGATAMI』。出演は窪塚俊介、矢作穂香、常盤貴子、満島真之介、長塚圭史、山崎紘菜、門脇麦、村田雄浩、柄本時生ほか、といった相変わらずの豪華キャストでございます。…

大林宣彦監督作品「野のなななのか(2014)」熱烈雑感とキャラ語り

大林作品集中履修、ひとまずのゴールがだいぶ近付いてきました。今回は2014年公開の『野のなななのか』を鑑賞。『青春デンデケデケデケ(1992)』に次いで読みづらいタイトル「なななのか」とは、七×七日=四十九日のことだそうです。 この作品とても良くて…

大林宣彦監督作品「この空の花 長岡花火物語(2012)」雑感

そう遠からず公開日が再設定されるであろう『海辺の映画館 キネマの玉手箱』を万全の状態で受け止めるため、引き続き大林作品履修ノンストップでいきます。今回はついに2010年代の作品に突入! 『この空の花 長岡花火物語』鑑賞しました。これはやばい。 あ…

「ヘイル、シーザー!(2016)」雑感

コーエン兄弟監督の映画『ヘイル、シーザー!』を観ました。出演はジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー、スカーレット・ヨハンソン、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー(2018)』のオールデン・エアエンライク、ほか。 あらすじ 1950年代…

「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(2015)」雑感

『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』を観ました。冷戦下の「赤狩り」で弾圧されながらも、正体を隠して『ローマの休日(1953)』などを書いた脚本家ダルトン・トランボの物語です。 監督は『スキャンダル(2019)』が記憶に新しいジェイ・ローチ、主演…

映画「ブリッジ・オブ・スパイ(2015)」東西ベルリンにおける主人公らの動きを整理/ついでに「プロジェクト・ブルーブック」の話

トム・ハンクス主演、スティーヴン・スピルバーグ監督の『ブリッジ・オブ・スパイ』を観ました。東西冷戦下のアメリカとソ連の間で実際におこなわれた捕虜スパイの交換を描いたノンフィクション作品です。 最近は池上彰さんの著書「そうだったのか!」シリー…

映画「マザーレス・ブルックリン」と、NY都市計画にまつわる書籍いくつか

今年のはじめに鑑賞し、これは暫定年間ベストだ!なんて言っていた映画『マザーレス・ブルックリン』。念願の映像ソフトがリリースされましたので購入、再鑑賞しました。この記事ではそのあらためての感想と、本作をきっかけに何冊か読んだニューヨーク都市…

「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙(2011)」雑感

イギリス初の女性首相マーガレット・サッチャーの伝記映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』を観ました。主演はメリル・ストリープ、監督は同じくメリル・ストリープ主演の『マンマ・ミーア!(2008)』を代表作とするフィリダ・ロイドさん、なんです…

吃音症経験者から見た、映画「英国王のスピーチ」

映画『英国王のスピーチ』を観ました。まだ観てなかったの?と思われても仕方ないくらいの有名タイトルですが、観ていなかったというよりも「観る勇気が出なかった」映画です。そんなお話をします。 あらすじ 英国王ジョージ6世(コリン・ファース)には幼い…

ポン・ジュノ監督の主要な8作品(長編+短編)を簡単に紹介

『パラサイト 半地下の家族』の大ヒットにより誰もが知るところとなったポン・ジュノ監督。この記事では、ポン・ジュノ監督の主要な8作品を公開順に軽く紹介していきます。 ほえる犬は噛まない(2000) ほえる犬は噛まない [DVD]発売日: 2014/06/27メディア:…

ポン・ジュノ監督作品「Okja/オクジャ(2017)」雑感

ポン・ジュノ監督の『Okja/オクジャ』を観ました。所謂「Netflix映画」ですがこの頃はまだマイノリティだったらしく、映画賞の受賞に際して物議をかもしたのだそうです。どのインタビューを読んでもその話ばかり振られていました。時代の流れは速いですね。 …