353log

主に映画の感想文を書いています

「窓ぎわのトットちゃん」「市子」などのはなし。

どうもこんにちは、1月3日にアップしようとしていた投稿を寝かせすぎて11日になった353です。ゆるくやっていきます。画像すら使わない硬派なブログになるよ、わたしは。

▼新年一発目、本当は元日に『窓ぎわのトットちゃん』を観に行こうと予約していたのだけど、地震が起きて、なんか家から出たくなくなっちゃって。年明け早々に1枚チケットを飛ばしてしまった。興行収入の足しにしてください。

んで、気分も当然上がらぬまま家で観たのが『EO イーオー』。アトロクのシネマランキングで何度も言及されており、宇多丸さんがすごく楽しそうに話すもんだから。いやはや、変な映画でした。やっぱ宇多丸さんは「映画を面白そうに語る達人」だなあと思ったのでした。あの森のシーンそんなに特筆するようなとこでもない気がするんだ、本来。でもそういうとこを切り取るのが、映画の楽しい語り方なんだよなあ。

EO イーオー

EO イーオー

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▼1月3日。映画館初めのリベンジは新宿バルト9にて今度こそ『窓ぎわのトットちゃん』。評判通り、すごい作品でした。始まった瞬間から確かにこれは『この世界の片隅に』を連想するねというタッチと、予告編からは見ることのできない「アニメーションならではの自由さ」と、まあそしてなかなか、きつい、えぐい、あれこれ。

この世界の片隅に』と同様、銃後から見た「この市井の日常を壊してなるものか」という厭戦の話にはなっていくのだけども、そこがメインなわけでもなくて、なんなら太平洋戦争はまだ終わっておらず、国民服すらほぼ登場せず、軍靴が近づいてきたところで終わるという、この気持ちは……この気持ちはどうすれば……っていう感じの作品。

トータルで非常にクオリティの高い作品なんですが、なかでも個人的に驚いたのは、ほんの少ししか出てこないオーケストラ(のちのN響なんですって)のシーンがすごく丁寧に作られていて。打楽器のディテールとか、文句なしよ。ってことは他のシーンもめちゃめちゃ丁寧に作られていること確実なので、このシーン以降は全幅の信頼を置いて観てました。劇伴も全体通してすごく良かった。

逆に「んー?」だったのはプールのシーン。なんだろう、あの、みなまで言わないけども、「描けばよくない?」って思ってむしろノイズでした。あと、あのキャラクターデザインの、ほっぺ赤らんでたりするのも時々ちょっと変なニュアンス感じちゃったりして、あれなくても可愛いまま成立できたんじゃないかなあと、パンフのラフ画などを見ていたらより思いましたね。

等々ありつつも、いや、またひとつ金字塔的作品が生まれてしまったのではと思える映画『窓ぎわのトットちゃん』でございました。黒柳徹子さんの原作は未読なので読みたいなと思いつつ、このタイミングを逃したら読まないままかな。


▼1月4日。テアトル新宿にて『市子』杉咲花さん主演の、とある(あまり知られていない)社会問題を背景とした、主人公失踪系サスペンス。ちょっと、一回観ただけでは受け止めきれない作品で、かといってもう一度観る気力もないというか。テイスト的には、これ確か宇多丸さんも言ってた気がするけど、イ・チャンドン作品とかに近い感じ。「えぇ…」っていう後味。

杉咲花さんはもちろん、周りを固める役者陣がみんなしっかりキャラ立ちしていて、最後の最後に少しだけ出てくる(そして物語の後味を「えぇ…」にしてくれる)とある人物すら印象的。『佐々木、イン、マイマイン』の河合優実さんにも匹敵するかもしれない。眼球みなぎってるパティシエの彼女も好きだったなー。この彼氏知ってる顔だけど誰だっけ、あっ『こいびとのみつけかた』の彼か!(去年観ました、とてもよかったです)とか。役者さんってすごいですね。

▼年明けてから配信含め10本くらい観ましたが、とりあえず今回はこんなところで。去年は、駆け込みで『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』とか『PERFECT DAYS』とか『枯れ葉』とか観ました。『PERFECT DAYS』が思いのほか良くて、うわーなんか、舐めててすみませんでしたってなりました。一度観ただけでめちゃくちゃ語りたくなる映画。スカイツリーのふもとに住みたくなる映画。缶コーヒー好きで良かったと思える映画。石川さゆりさんが素敵な映画。