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主に映画の感想文を書いています

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

イ・チャンドン監督作品「バーニング 劇場版(2018)」雑感|原作は村上春樹。何が起きるか読めない地味サスペンス、最高。

『バーニング 劇場版』を観ました。昨年あたりライムスター宇多丸さんがよく挙げていたタイトルというイメージがあって、韓国映画に疎い頃からなんとなく馴染みのある作品でしたが、なるほど去年のシネマランキング3位でしたか(このトップ10中だと『CLIMAX …

駄文「ビタースイート・ドリーム・レビュー」

いい映画を観た。これをどう感想文に落とし込もうか、考えながら眠りについた。 朝がきた。脳というのは素晴らしい。眠っているうちに書きたいことがまとまった。あとは書くだけ。この映画は、冒頭部とラストが対をなしている。同じモチーフが登場する。その…

韓国映画「スウィング・キッズ(2018)」not for meな雑感|好きじゃない映画表現の話

『サニー 永遠の仲間たち(2011)』を観た流れで、同じ監督の最新作『スウィング・キッズ』も観ました。日本では今年のコロナ禍突入直前あたりに公開された作品で、気にはなっていたものの映画館で観るタイミングを逃していたやつです。 ただ、久しぶりに相…

韓国映画「サニー 永遠の仲間たち(2011)」雑感|韓国版の時代背景とか、数珠繋ぎ的な余談あれこれとか。

日本でも2018年に『SUNNY 強い気持ち・強い愛』としてリメイクされた大ヒット韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』を観ました。日本版のほうはめちゃくちゃエモくて最の高なボロ泣き映画だったんですけど、当時まだ韓国映画にミリも興味のなかったわたしはオリ…

韓国映画「工作 黒金星と呼ばれた男(2018)」雑感|諜報サスペンスと南北分断ものの魅力を併せ持った傑作

先日、BSプレミアムのドキュメンタリー番組「アナザーストーリーズ」にて「初の南北首脳会談 〜知られざる舞台裏〜」の回を観たのですが、そのなかで紹介されていたのが『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』という韓国映画でした。番組がと…

パク・チャヌク監督作品「イノセント・ガーデン(2013)」雑感|フェティッシュと暴力性は健在の(でもちょっと物足りない)ハリウッド進出作

ニコール・キッドマンらが出演している、パク・チャヌク監督のハリウッド進出作『イノセント・ガーデン』を観ました。『スノーピアサー(2013)』からポン・ジュノ監督に入ったわたしが言うのもなんですが、韓国の映画監督は韓国で韓国の映画を撮ってくれた…

韓国映画「ハウスメイド(2010)」雑感|「パラサイト」にも影響を与えた古典映画のリメイク版

『パラサイト 半地下の家族(2019)』公開時、たびたび映画評などで見かけた『下女』という1960年の韓国映画があります。ポン・ジュノ監督自身もこの作品から大いにインスパイアを受けたと語っていました。そんな古典的作品『下女』をリメイクしたのが、今回…

パク・チャヌク監督作品「サイボーグでも大丈夫(2006)」雑感|B級だけどちょっといい話

パク・チャヌク作品集中履修、だいぶ進んできました。今回は2006年公開の『サイボーグでも大丈夫』を鑑賞。不思議なタイトルですが原題もそのまんまです。なお『サイコだけど大丈夫』という似て非なる(はずの)韓国ドラマがありますね。何か関係あるんでし…

大林宣彦監督作品「はるか、ノスタルジィ(1993)」雑感|中年ロリコンおじさんの話、少なくとも表面上は。

大林監督の名作?迷作?として名高い『はるか、ノスタルジィ』をようやく観ることができました。特集上映を組んでくださった新文芸坐さんに感謝。本作では『ふたり(1991)』に引き続き石田ひかりさんがヒロインを演じています、が、主役は勝野洋さん演じる…

大林宣彦監督作品「恋人よ われに帰れ(1983)」雑感|沢田研二・大竹しのぶ主演、直球の反戦ドラマ

池袋の名画座新文芸坐さんの大林宣彦監督追悼企画にて、1983年のテレビドラマ作品『恋人よ われに帰れ LOVER COMEBACK TO ME』を観ました。本命は同時上映の『はるか、ノスタルジィ(1993)』で、本作のことはじつは存在すら知らなかったのですが、期待して…

モノクロ版「パラサイト 半地下の家族(2019)」雑感|劇場公開時ぶりに観てみたパラサイトの感想あれこれ

モノクロ版の『パラサイト 半地下の家族』がWOWOWで放送されていたので観ました。オリジナルのカラー版を劇場で観たのは今年の年始。もっと前にも感じるんですが、まだ今年なんですね。まだ当時はポン・ジュノ作品どころか韓国映画自体も数えるほどしか観た…

パク・チャヌク監督作品「親切なクムジャさん(2005)」雑感|“復讐三部作”締めくくりはオールスターキャストの集大成的エンタメ作品

『復讐者に憐れみを(2002)』『オールド・ボーイ(2003)』から続くパク・チャヌク監督的“復讐三部作”の締めくくりとなる『親切なクムジャさん』を観ました。タイトルの「親切なクムジャさん(原題も同じ)」とは、イ・ヨンエさん演じる主人公のクムジャが…

パク・チャヌク監督作品「復讐者に憐れみを(2002)」雑感|エグい、エグすぎる。

さあ、ハマったらどんどんいきます。パク・チャヌク監督作品履修、引き続きお付き合いください。今回観たのは2002年公開の『復讐者に憐れみを』。本作に加え、翌年公開『オールド・ボーイ』、さらに続く2005年公開『親切なクムジャさん』までの3作を、パク・…

韓国映画「悪女/AKUJO(2017)」雑感|前半アクション、後半メロドラマという不思議な作品

パク・チャヌク監督の『渇き(2009)』にて先日わたしのハートをぶち抜いてくれたキム・オクビンさん。彼女が主演する、ずばり『悪女/AKUJO』という映画があるらしいぞってことですかさず観ました。が、結論としてはあんまりピンとこず。まあそういうもんで…

Netflixオリジナルドラマ「保健教師アン・ウニョン」雑感|おもちゃの剣で見えない何かと戦う先生の、ふんわり学園ミステリー

Netflixで配信されている韓国ドラマ『保健教師アン・ウニョン』を観ました。いまのところシーズン1のみで、平均50分×6話とコンパクトな作品です。原作は韓国の人気作家チョン・セランさんの小説『保健室のアン・ウニョン先生』。チョン・セランさんといえば…

パク・チャヌク監督作品「渇き(2009)」雑感|ぶっちぎりの変態映画! 意外性だらけな吸血鬼ラブストーリー

これはまずいです。パク・チャヌク監督、わたし見事にハマりました。『お嬢さん(2016)』よかった、『オールド・ボーイ(2003)』よかった、そしてこの2009年公開作『渇き』。んーーー、どうしようもなく刺さる!! フェチなところに!! 邦題の『渇き』は…

パク・チャヌク監督作品「オールド・ボーイ(2003)」雑感|15年間わけもわからず監禁されていた男の物語

『JSA(2000)』『お嬢さん(2016)』と観てきたパク・チャヌク監督作品、今回は2003年公開の『オールド・ボーイ』を鑑賞しました。日本の同名コミックが原作となっており(なんでもポン・ジュノ監督からおすすめされたんだそうです*1)、非英語映画としての…

パク・チャヌク監督作品「お嬢さん(2016)」雑感|開けてびっくりなハードコア百合映画

韓国映画のことを調べているとよく出くわす『お嬢さん』という作品。なんだかほのぼのしたタイトルで、なんかまあ魅力的なお嬢さんが堪能できるのかな?とふんわり期待値を上げておりましたが、ようやくご対面と相成りました。ところが開けてびっくり玉手箱…

韓国映画「エクストリーム・ジョブ(2019)」雑感|麻薬捜査班がチキン屋を経営したら繁盛しちゃった話

観よう観ようと思いつつ、だった韓国映画『エクストリーム・ジョブ』をようやく観ました。韓国ではなんと同年公開の『パラサイト』超えをしているというマグナムヒット作。スクリーン独占が問題になったりもしたそうで、今の日本でいう『鬼滅の刃』くらいヒ…

2020年10月に観た映画を振り返る

10月の鑑賞映画を振り返ります。9月分はこちら。 新作 フェアウェル 82年生まれ、キム・ジヨン 「野のなななのか」京都国際映画祭2020メイキング特別版 スパイの妻 異端の鳥 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 旧作 The Witch/魔女 -第1部 転覆-(2018) JSA(20…