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主に映画の感想文を書いています

2019年の作品

ドキュメンタリー「<片隅>たちと生きる 監督・片渕須直の仕事(2019)」を観た

『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の制作・公開に密着したドキュメンタリー映画『<片隅>たちと生きる 監督・片渕須直の仕事』を観ました。 一応補足しておくと『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』とは、2016年に大ヒットを記録したアニメー…

映画「EXIT(2019)」感想|今年観たエンタメ映画で一番好きかも。だから熱く語ります。

韓国映画『EXIT イグジット』を観ました。久しぶりにこんな、全面的に信頼できる映画を観てしまい感動しています。そして感想を書くのが面倒くせえ(最高!な映画ほど感想は書きづらいのである)。

映画「21ブリッジ(2019)」感想|求めていた橋は供給されなかった

昨年早世したチャドウィック・ボーズマンの、劇場映画としては遺作になるんでしょうか。犯人を捕まえるためマンハッタン島に架かる21の橋を全て封鎖する!という掴みが最高にキャッチーで、ニューヨークの橋好きとしてかなり期待値を上げていた本作。仮にお…

「軍事国家ミャンマーの内幕(2019)」感想|そもそもよく知らないミャンマーとアウンサンスーチーのことが知りたくて

ドキュメンタリー専門配信サービス「アジアンドキュメンタリーズ」にて『軍事国家ミャンマーの内幕』を観ました。ライムスター宇多丸さんが「アトロク」でおすすめしていて、今きっとその経由で視聴数も増えている作品じゃないでしょうか。ここ最近ミャンマ…

映画「ビバリウム(2019)」感想|ティファニーブルーの胸糞メタファー人生白書

『ビバリウム』を観てきました。ざっくりのストーリーは、お部屋探し中のカップルが内見で連れてこられた奇妙な住宅地から抜け出せなくなるというもの。アートワークのイメージそのままに、ティファニーブルーの洒落たおうちがとっても可愛い映画。でも内容…

映画「野球少女(2019)」感想|ベタなスポ根ではない。あとキャストが個人的に超アツい。

韓国ドラマ『梨泰院クラス』でトランスジェンダーのシェフ役としてブレイクしたイ・ジュヨンさんの主演新作映画『野球少女』を劇場鑑賞しました。 野球には(ていうかスポーツ全般)興味がないのですが、『梨泰院』ファンとして彼女の活躍は押さえておきたい…

映画「カツベン!(2019)」感想|サイレント時代の映画興行と活動弁士を描いた素朴なコメディ

周防正行監督の映画『カツベン!』を観ました。 主演は成田凌さん。朝ドラ『おちょやん』で惚れちゃって、先日はまず『愛がなんだ(2019)』を観ましたけども。やっぱりいいですね成田凌さん。なんでも周防監督も「タイプだから」という理由でキャスティング…

音声ガイド付きで映画「音響ハウス」「ようこそ映画音響の世界へ」 を鑑賞 〜バリアフリー映画館シネマ・チュプキさんの取り組みについて〜

JR田端駅近くのバリアフリー映画館シネマ・チュプキ・タバタさんにて、『音響ハウス』と『ようこそ映画音響の世界へ』のドキュメンタリー映画2本を音声ガイド付きで観てきました。 先日『愛がなんだ』を観た際に映画のバリアフリー化に興味を持ち、シネマ・…

イラン映画「ジャスト6.5 闘いの証(2019)」感想|穴と犬と、ペルシア語の語感が最高

イラン映画(!)の『ジャスト6.5 闘いの証』を観てきました。本作は2019年の東京国際映画祭で最優秀監督賞ほかを受賞しており、この度正式に日本で配給されたかたちです。 掴みはかなり良かった! 特に序盤の2案件が最高だったのでさわりだけ書いておきまし…

映画「愛がなんだ(2019)」感想|成田凌のダメなところが愛おしい。ていうかみんな愛おしい。

今泉力哉監督の映画『愛がなんだ』を観ました。朝ドラ『おちょやん』で成田凌さんのひょうひょうとしたキャラクターと塩顔に惚れ込んでしまい、成田凌成分摂取してえ〜〜〜と思ったことが鑑賞動機その1。 その2は、ラジオ番組『アフター6ジャンクション』で2…

映画「天国にちがいない(2019)」感想|小鳥をどかすシーンだけで永遠に見ていられる

アップリンク吉祥寺にて、映画『天国にちがいない』を観ました。デザイナーの大島依提亜さん(本作のパンフレットも担当)がTwitterでおすすめしているのを見て、これは観に行こうと思っていた作品です。 エリア・スレイマン監督『天国にちがいない』デザイ…

映画「チャンシルさんには福が多いね(2019)」感想|何も起こらないのが嬉しい(耳野郎も出てます)

公開されたばかりの韓国映画『チャンシルさんには福が多いね』を劇場鑑賞しました。ポスターからなんとなく『おらおらでひとりいぐも(2020)』みたいな、おばあちゃんが主役の話なのかなと思い込んでいたんですけども、これがじつはアラフォー独身女性のお…

映画「分断の歴史 朝鮮半島100年の記憶(2019)」感想|分断のわけ、統一への課題点。100年分の朝鮮近代史を2時間でさらうドキュメンタリー

渋谷シアター・イメージフォーラムにて『分断の歴史 朝鮮半島100年の記憶』を観てきました。先日『バクラウ 地図から消された村(2019)』を観に行った際に予告を観て、これは!と思っていた作品です。 内容はタイトルそのままのドキュメンタリーで、監督は…

映画「バクラウ 地図から消された村(2019)」感想|何が起こっているのか全く見えてこない系の映画が好きな人は絶対好き系

渋谷シアター・イメージフォーラムにて映画『バクラウ 地図から消された村』を観てきました。1本前の『ブルータル・ジャスティス(2018)』と同じくこちらも「アトロク」ことTBSラジオ「アフター6ジャンクション」内で特に最近話題の作品。アトロクがなかっ…

映画「燃ゆる女の肖像(2019)」雑感|記憶スケッチから始まる刹那な恋物語

年内滑り込みで『燃ゆる女の肖像』を劇場鑑賞してきました。正直そんなに興味ないかな〜と思っていたのですが、ライムスター宇多丸さんがあまりにも絶賛しているものでチョロい宇多丸チルドレンあっさり折れました。 結論は、とても良かったです。これこそ映…

映画「羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(2019)」雑感|ちょっとこれは、感想を書くのも野暮な面白さです。

『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来』を観ました。中国のアニメーション映画で、非常にクオリティが高いとだいぶ前から話題になっていた作品です。 日本では2019年9月から字幕版が小規模上映されていたようですが、好評を受けて2020年11月よ…

映画「悪人伝(2019)」雑感|ヤクザと刑事が手を組んで殺人鬼を追う、異色のバディもの

マブリーことマ・ドンソク主演の『悪人伝』を観ました。劇場公開時にはタイミングが合わず行けなかったのですが、最近はすぐ配信に入ってくれるので助かります。 さて、タイトルこそ物々しいものの、この作品は軽いエンタメ映画です。ヤクザのボスと正義感の…

モノクロ版「パラサイト 半地下の家族(2019)」雑感|劇場公開時ぶりに観てみたパラサイトの感想あれこれ

モノクロ版の『パラサイト 半地下の家族』がWOWOWで放送されていたので観ました。オリジナルのカラー版を劇場で観たのは今年の年始。もっと前にも感じるんですが、まだ今年なんですね。まだ当時はポン・ジュノ作品どころか韓国映画自体も数えるほどしか観た…

韓国映画「エクストリーム・ジョブ(2019)」雑感|麻薬捜査班がチキン屋を経営したら繁盛しちゃった話

観よう観ようと思いつつ、だった韓国映画『エクストリーム・ジョブ』をようやく観ました。韓国ではなんと同年公開の『パラサイト』超えをしているというマグナムヒット作。スクリーン独占が問題になったりもしたそうで、今の日本でいう『鬼滅の刃』くらいヒ…

映画「異端の鳥(2019)」雑感|第二次大戦下東欧の市井を舞台にした「1917」的“地獄めぐりライド”映画

映画『異端の鳥』をTOHOシネマズ日比谷シャンテで観てきました。以前シャンテで予告を目にし、おもしろそうだなと思っていた作品。とはいえ3時間弱の長尺だし重そうだし、「途中退場者続出!」なんていう触れ込みにも怖気付いていたのですが、ライムスター宇…

映画「82年生まれ、キム・ジヨン(2019)」雑感|読書体験と映画体験の違い(主に原作からの変更点について)

映画版『82年生まれ、キム・ジヨン』を劇場鑑賞しました。日本でも大きく話題を集めた韓国の同名小説が原作となっています。この本に関しては別途記事を書いていますので合わせてお読みください。 原作はフェミニズム文学と呼ばれるものですが、フェミニズム…

映画「フェアウェル(2019)」雑感|異文化に溢れたシュールなホームコメディ

映画『フェアウェル』を劇場鑑賞しました。「実際にあったウソに基づく」という小粋な一文から始まるこの作品は、監督ルル・ワンさんの実体験をもとにしているそうで、監督自身を投影した役どころは『オーシャンズ8(2018)』『ジュマンジ/ネクスト・レベル…

映画「ミッドウェイ(2019)」雑感|真珠湾攻撃〜ミッドウェイ海戦を中立視点から描いたローランド・エメリッヒ最新作(しかし居心地が悪い)

ローランド・エメリッヒ監督の新作『ミッドウェイ』を劇場鑑賞しました。太平洋戦争における真珠湾攻撃からミッドウェイ海戦までの戦局を、日米双方の視点で描く作品です。日本からは山本五十六役の豊川悦二さんをはじめ、國村隼さん、浅野忠信さんらが海軍…

深田晃司監督作品「よこがお(2019)」雑感|血の気が引く、背筋が凍る、胸糞悪い、でもめちゃくちゃ面白い

深田晃司監督の『よこがお』を観ました。WOWOWでなんとなく録画しておいた一本だったのですが、これが非常に面白かった。監督、かなりの変態ですね……。 本作はまず何より主演・筒井真理子さんの怪演を愉しむ映画であり、あらすじを書いてしまうと楽しみが削…

映画「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019)」雑感|スカッと笑いたい全ての人へ

女優としても活躍するオリヴィア・ワイルドの長編初監督作品『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』を劇場鑑賞しました。 「ブックスマート=book-smart」とは「(学歴や教養はあるが)世間知らず」な人のことを形容する言葉だそうです。つまりこ…

ドキュメンタリー「ようこそ映画音響の世界へ(2019)」雑感|映画体験の半分は、音だ。

現在公開中のドキュメンタリー映画『ようこそ映画音響の世界へ』を観てきました。映画音楽ではなく、映画「音響」。もちろん音楽もその一部ですが、それ以外にも効果音や環境音、演者が発する声の扱いまで、「映画音響」の仕事は多岐に渡ります。しかし作品…

ドキュメンタリー「大林宣彦&恭子の成城物語(2019)」ほか雑感|大林映画は“夫婦”の作品

U-NEXTで『ノンフィクションW 大林宣彦&恭子の成城物語 [完全版] ~夫婦で歩んだ60年の映画作り~』を観ました。元々はWOWOWで60分番組として放送されたもので、現在U-NEXTほかで配信されているこちら82分尺の「完全版」は昨年の東京国際映画祭にて公開され…

映画「この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019)」雑感|広島原爆投下から75年の日に

広島原爆投下から75年の日、片渕須直監督によるアニメーション映画作品『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』を観ました。2016年に大ヒットを記録した『この世界の片隅に』に約40分の新たなシーンを追加した、アナザーバージョンの作品です。8月5日より…

ウディ・アレン最新作「レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019)」雑感

ウディ・アレン監督の最新作『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』を観ました。先日の『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019)』に引き続き、映画館での新作映画が二作連続ティモシー・シャラメ、っていうね。シャラメ嫌いだったんじゃな…

待望の劇場公開新作「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019)」はしゃいだ雑感

珍しくノミネート作の多くが日本公開済だった今年のアカデミー賞。しかし新型コロナウイルスの影響により不運にも未公開側にほぼ唯一取り残されるかたちとなってしまったのが本作です。3月27日公開予定改め6月12日公開『ストーリー・オブ・マイライフ/わた…