ここんとこ映画を観れてないとはいえ、『アイ・ワズ・ア・ストレンジャー』がとても良かった話とか、『スーパーガール』わたしは好きだったよみたいな話とか書くべきことは他にもあるのだけど、しかしタイミング的に今書きたくなったのはこれなのでということによる『オブセッション 災愛』。ムービーウォッチメンのガチャに当たったため鑑賞。
ジャンルはサイコ・ロマンス・ホラーといったところだろうか。意中の人になかなか想いを打ち明けられない主人公が、胡散臭いおまじないアイテムにヤケクソで「彼女が僕を愛してくれますように!」と祈ったら愛されすぎてヤバいことになっちゃうお話。ちょっとこれ、最近『シラート』でも同じこと言ったのでオオカミ少年みたいになっちゃうなと思いながらも、普通に途中退室したいぐらい怖かった。わたしにとってのホラーは暴君ハバネロみたいな、辛いは辛いけど美味しい激辛スナック的存在なのだけど、これは食べきれず捨てそうになるくらいのやつだった。
全体を通してひたすらジャンプスケア祭りなのがまず勘弁してほしいし、音楽使いもあまりに親切。地震そのものより緊急地震速報のほうが怖いように、約束されている恐怖はほんとにいやだ。そしてそのジャンプスケアをほぼ一人で担っているのがヒロインのニッキーだ。演じているインディ・ナバレッテさん、かなり可愛い。序盤、だいぶヤベえことになってきてもなおキュンキュンさせてくれる圧倒的なヒロイン力がある。のだが、少し古い言葉で言えば「ヤンデレ」の極限までいってしまうのが、このニッキー。
人は、社会性を失った時に恐ろしく見えるのかなと思う。「死体」がそれの最たるところかもしれないけれど、とにかくTPOに適した表情・行動を取ることが、「魅力的な人」の大前提なのだ。いきなり大きな声を出したり、変な顔をしたりするのは怖い。「とびきりの笑顔」とかでも、その表情で固まられると怖い。がっかり顔も、絵文字じゃないんだから静止は禁物。つくづく人間は社会性をもってして共生できているのであって、それが失われたときは絶望的に怖い存在だよなと終始思いながら観た。
監督はかなり若くて、アリ・アスターの『ヘレディタリー/継承』を17歳のときに観た、と言っている。詳しくは知らないが元々YouTuberらしく、それにしては(というか、映画畑の人でないにしては)相当よく出来ている。シンプルに女性側が可哀想な話なのでこの時代に作られる映画作品としてモヤっとしなくもないが、そんじょそこらのホラーよりも思い切りよく楽しませてくれるのは確かである(誰がそこまでやれと言った、と言いたくなるくらいである)。一箇所だけ笑えるところがあったとすれば、「お金」のくだりは『ジュマンジ』みたいだなと思った。そういえばファンタジーだったんだ、と、あのくだりで思い出した。『ジュマンジ』もだいぶ怖い映画だし、系統としては似ているかもしれない。