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主に映画の感想文を書いています

1990年代の作品

「第2回 アトロク映画祭2023」で「スパイダーバース」「ガメラ2」を観た

よっしゃ! これが書けなかったらもう二度と書けないだろ!ってことで久々に書きますよ映画のことを。「第2回 アトロク映画祭2023」へ行ってきました。「第1回」の開催は2月。このときも「7分で完売」だったので今回はヤバかろうと思ったら、なんと「2分で完…

「アトロク映画祭2023」にて「THE BATMAN」「ガメラ 大怪獣空中決戦」を観た

すぐにでも書きたかったのに書きそびれてしまった感想その2「アトロク映画祭2023(2/5@新宿バルト9)」をお送りします。その1は、アトロクでもお馴染み『骨噛み』を含む、「『幾多の北』と三つの短編」の話。あわせてどうぞ。 さて「アトロク映画祭2023」。…

ウォン・カーウァイ「欲望の翼」「花様年華 4K」を観た

先日ウォン・カーウァイ4Kレストア上映企画「WKW4K」にて『恋する惑星(1994)』『ブエノスアイレス(1997)』の2作を鑑賞し、初めてウォン・カーウァイ世界に触れたわたしですが、その後すぐ配信で『欲望の翼(1990)』を、昨日は劇場で『花様年華(2000)…

ウォン・カーウァイ4Kレストア上映で「恋する惑星」「ブエノスアイレス」を観た

8/19(金)から劇場公開されているウォン・カーウァイ監督作品の4Kレストア企画で、『恋する惑星(1994)』と『ブエノスアイレス(1997)』を観てきました。と、さも知ったような口で書きましたが、ウォン・カーウァイ作品ってじつは観たことがなくて。よく聞…

映画感想「ベアテの贈りもの」「宋家の三姉妹」|ありがとう岩波ホール特集上映inチュプキvol.1

東京・田端のユニバーサルシアター「シネマ・チュプキ・タバタ」では現在「ありがとう、岩波ホール」特集上映と題して、7/29(金)に閉館となる岩波ホールで過去にかかっていた作品からチュプキ的に思い出深い何本かを上映しています。その第一弾となる『ベア…

ここ最近の鑑賞映画まとめて感想①|「聲の形」「建築学概論」「ストーリー・オブ・ラブ」ほか

前回の投稿から10日も開いてしまいました。生きてます。 その間も映画自体は15本くらい観ていたのですが、節操がなさすぎてもはや何も書けませんでした。そんなわけで「まとめて雑感」スタイルにて一旦リセットしようと思います。まずは5本、なんとなくラン…

映画「ナイト・オン・ザ・プラネット(1992)」感想|世界5都市、同じ瞬間に客を拾ったタクシー車内の一期一会な物語。

本作は、松居大悟監督による映画『ちょっと思い出しただけ』に深く関わりのある作品です。主題歌をつとめたロックバンド・クリープハイプの尾崎世界観さんは、かつて本作に触発されバンドを始めたのだそう。そしてそんな大切な映画体験を『ナイトオンザプラ…

映画「マトリックス(1999/IMAX上映)」感想|2021年に初めてマトリックスを観た人の感想

『マトリックス』を観たことがありませんでした。公開当時は中学生、かな。弾を避ける「アレ」をクラスの誰もがやっていたような時代ですが、映画館に行く習慣はおろか映画を観る習慣もほとんどなかったので本物は見たことがありませんでした。 数年後、自分…

映画「MINAMATA -ミナマタ-(2020)」「阿賀に生きる(1992)」感想|熊本水俣病と新潟水俣病を少しずつ知る

水俣病ってすごくメジャーな公害病であると同時に正直よく知らない病気でもあって、今回鑑賞したのも何かしら知れたらいいなというくらいの気持ちでした。後から軽くWikipedia等で調べてみると結構脚色している部分はあるようで、劇映画的にしすぎている気が…

「新生スースク」のルーツにあるトロマ映画「悪魔の毒々モンスター」「トロメオ&ジュリエット」を観た

「トロマ映画」をご存知でしょうか。わたしはご存知じゃなくて、てっきりトンマ映画とかマヌケ映画みたいな蔑称かと思っていたのですが、正しくは映画会社「トロマ・エンターテインメント」の作品を指す言葉、つまり「マーベル映画」みたいなもんだったので…

映画「愛・アマチュア(1994)」感想|ハル・ハートリーを観る② 記憶喪失の男と魅力的な女性たち

先日『トラスト・ミー(1990)』で初ハートリーしたばかりのハル・ハートリー監督作品、続けて『愛・アマチュア』を観てみました。なんやねんって感じの邦題ではありますが、30年近く経てばまあこれくらいキャッチーなほうが残りやすいのかもしれません。『…

映画「トラスト・ミー(1990)」感想|86年生まれ、初めてのハル・ハートリーにわりと驚く。

ハル・ハートリー監督、どうやらミニシアターブーム世代の方々には超懐かしい!!って感じみたいなんですが1986年生まれのわたし的には馴染みがなくてですね。せっかくの機会なので初ハートリー、観てみることにしました。 で、確かにこれ、30年前の映画とは…

大林宣彦監督作品「あの、夏の日 〜とんでろ じいちゃん〜(1999)」感想|要素てんこ盛りの尾道ファンタジー

大林宣彦監督1999年の作品『あの、夏の日 〜とんでろ じいちゃん〜』を観ました。 この作品は『ふたり(1991)』『あした(1995)』に続く「新・尾道三部作」の三作目となっています。もとの「尾道三部作」は言わずもがな『転校生(1982)』『時をかける少女…

「トキワ荘の青春('96)」「電車を止めるな!('20)〈音声ガイド付〉」書きそびれ感想

ずるずると書きそびれてしまった感想を2本ぶん。どちらも田端のユニバーサルシアター「シネマ・チュプキ・タバタ」にて直近で取り上げていた作品ですが、上映期間中に書けなくてすみません! 「トキワ荘の青春(1996)」デジタルリマスター版 トキワ荘の青春…

映画「意外と死なない(1999)」感想|大九​明子監督の初監督作にして、大九​作品の原液!

『勝手にふるえてろ』『私をくいとめて』などの大九​明子監督が映画学校在籍時に課題で制作した初監督作品『意外と死なない』を観ました。現在この作品は、クラウドファンディング「ミニシアター・エイド基金」のリターンとして特設配信サイト「Thanks Theat…

映画「ハッピーエンド(1999)」感想|おじさんヒロインのチェ・ミンシクが可愛い

『シークレット・サンシャイン(2007)』からのチョン・ドヨンさんつながりで、韓国映画『ハッピーエンド』を観ました。ざっくり言えば不倫もののメロドラマで、公開当時はチョン・ドヨンさんの大胆なベッドシーンが話題になったそうです。 確かにもう、始ま…

映画「シュリ(1999)」雑感|南北分断ラブロマンスの先駆け的作品

韓国映画といえばこれ!と言われることも多い作品『シュリ』を、ここにきてようやく観ました。有名なわりに配信が全然ないんですよね。年末年始用にTSUTAYA DISCASでまとめ借りした中の一枚です。 なんとなく、あくまでなんとなーく、本作を『アメリ』みたい…

大林宣彦監督作品「はるか、ノスタルジィ(1993)」雑感|中年ロリコンおじさんの話、少なくとも表面上は。

大林監督の名作?迷作?として名高い『はるか、ノスタルジィ』をようやく観ることができました。特集上映を組んでくださった新文芸坐さんに感謝。本作では『ふたり(1991)』に引き続き石田ひかりさんがヒロインを演じています、が、主役は勝野洋さん演じる…

京都国際映画祭2020の大林宣彦監督特集を観た②【初公開作品「海外特派員」含む、映画作品3本】

この記事の続きです。 京都国際映画祭2020の特集『大林宣彦の玉手箱─ワンダーランドな空想映画館─』では、レアな映画作品も上映(配信)されていました。ここでは以下の3本について書きます。 目次 海外特派員 ある映像作家の場合 四月の魚 Poisson D'avril …

大林宣彦監督作品「ふたり(1991)」2回目の雑感|脚色のことや、ありったけの感想など

池袋・新文芸坐さんの2本立てで、大林宣彦監督の「新・尾道三部作」1〜2作目にあたる『ふたり』と『あした(1995)』を観ました。とはいえ『ふたり』はつい一週間ほど前にBlu-ray(新たにリリースされたもの)を購入して観たばかり。こんなにもすぐにスクリ…

大林宣彦監督作品「あした(1995)」雑感|終始美しいグランドホテル形式ファンタジー

池袋・新文芸坐さんにて大林宣彦監督の『あした』を劇場鑑賞しました。監督の生まれ故郷・尾道を舞台にした「新・尾道三部作」の1本目で、つい先日観たばかりの『ふたり(1991)』が2本目となります(今回こちらも同時上映だったので併せてスクリーンでの鑑…

大林宣彦監督作品「ふたり(1991)」本編と、“ウソからマコト”極まるメイキングの雑感

4月に大林宣彦監督が亡くなり、どれか観てみようかなと思っていたところで最初におすすめいただいたのが『ふたり』でした。調べてみると確かにとても人気の高い作品、しかし配信がどこにもない! 最寄りTSUTAYAも潰れて久しいわたしは諦めて『HOUSE/ハウス…

大林宣彦監督作品「風の歌が聴きたい(1998)」雑感|いちばん“普通にいい”大林映画かもしれない

1998年公開の大林宣彦監督作品「風の歌が聴きたい」をレンタルDVDで鑑賞しました。 主演は天宮良さん、中江有里さん。そのほか、入江若葉さんはじめ大林組お馴染みの面子が脇を固めます。ちょっとこれは、いまのところダントツで「普通にいい」大林映画でし…

大林宣彦監督作品「三毛猫ホームズの黄昏ホテル(1998)」雑感

赤川次郎さんの同名小説を原作とした大林宣彦監督の映画『三毛猫ホームズの黄昏ホテル』をレンタルDVDで鑑賞しました。 正確には「土曜ワイド劇場」で放送されたテレビドラマのディレクターズカット版で、劇場公開はされていないとか。よく見るとフィルモグ…

大林宣彦監督作品「女ざかり(1994)」雑感

大林作品履修期間、00年代に突入したところですがまたちょっと戻って、1994年公開の『女ざかり』を観ました。こちら、なんと(?)主演は吉永小百合さん! 吉永さんと大林監督の食べ合わせはどんな感じなのでしょうか。 あらすじ 新聞社に勤める弓子(吉永小…

大林宣彦監督作品「SADA〜戯作・阿部定の生涯(1998)」雑感

どうやらこれで10本目のようです。大林作品履修期間、今回は1998年公開の『SADA〜戯作・阿部定の生涯』を観ました。「阿部定事件」を題材にした物語で、黒木瞳が阿部定を演じています。ところで阿部サダヲって阿部定由来の芸名なんですね、知らなかった。 概…

大林宣彦監督作品「青春デンデケデケデケ(1992)」雑感

大林監督作品履修期間、今回は1992年公開の『青春デンデケデケデケ』を鑑賞。デンデケ-デケデケとはベンチャーズ・サウンドでお馴染みの、あの奏法です。1960年代、バンド活動に高校三年間を費やした少年たちの物語。ギター抱えて、一緒にベンチャーズ練習し…

タランティーノ企画オムニバス映画「フォー・ルームス(1995)」雑感

クエンティン・タランティーノがロバート・ロドリゲスなど3名の監督に声をかけ制作した4本立てのオムニバス映画『フォー・ルームス』を観ました。ちょっと過剰摂取しすぎかしら…(直近の鑑賞作品:プラネット・テラー in グラインドハウス/フロム・ダスク・…

ロドリゲス×タランティーノ「フロム・ダスク・ティル・ドーン(1996)」雑感

こちらの記事(コメント欄)で教えていただいてから半年ほど経ってしまいましたが、監督ロバート・ロドリゲス、脚本クエンティン・タランティーノの映画『フロム・ダスク・ティル・ドーン』をようやく観ました。めちゃくちゃ楽しかった〜〜。遅ればせながら…

午前十時の映画祭で「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3(1990)」を観た

先々週のPART1、先週のPART2に引き続き、「午前十時の映画祭10FINAL」にて『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』を観てきました。 PART1はもちろん殿堂入りの作品ですが、もしかしたらこのPART3のほうが思い入れはあるんじゃないかと感じていて、今回初め…