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主に映画の感想文を書いています

読んだ本の記録

萩尾望都さんの手記「一度きりの大泉の話」がすごくフィットしたという話

萩尾望都さんの手記『一度きりの大泉の話』を読みました。作家・萩尾望都のファンではあるけれど人間・萩尾望都のファンというわけでは特別ない自分にとってこれは全然知らない話、知らなくていい話、読まないほうがいい類の本なのではないか? そうは言って…

2021年2月に読んだ本の備忘録

今月は少なめ。でも半藤一利さんの本をようやく読めたのはよかった! スクリーンが待っている(西川美和 著)映画監督・西川美和さんによるエッセイ集。最新作『すばらしき世界』にまつわる話が主で、構想・撮影・公開とその時々のエピソードが小気味よく語…

2021年1月に読んだ本の備忘録

今年はよりライフログを入念に。ということで昨年は記録していなかった「本」の感想も簡単にまとめていこうと思います。 屋上で会いましょう(チョン・セラン 著/すんみ 訳) 屋上で会いましょう チョン・セランの本作者:チョン・セラン発売日: 2020/07/31…

2020年に読んだ本の一覧

2020年に読んだ本の備忘録と簡単な紹介です。リンク先は主にAmazon、括弧内は著者のみ表記。今年はもう少しマメに本の感想も書いていけたらと思っていますが、果たして。

男性視点での「82年生まれ、キム・ジヨン(チョ・ナムジュ 著/斎藤真理子 訳)」感想

できれば避けて通りたいと思っていた話題作『82年生まれ、キム・ジヨン』を、重い重い腰を上げて読みました。この本は韓国のフェミニズム文学で、本国では2016年の発表以来130万部の大ヒット、その後世界各国の言語で翻訳され、日本においても韓国文学として…

おすすめ韓国文学「フィフティ・ピープル(チョン・セラン 著/斎藤真理子 訳)」

『フィフティ・ピープル』という韓国の小説を読みました。韓国文学なんて全く馴染みのないジャンルを手に取るきっかけ、これじつは翻訳家の斎藤真理子さんに惚れ込んだことから始まったのでした。 毎度お馴染みのお役立ちラジオ番組「アフター6ジャンクショ…

「ウォッチメン」原作コミック('86)、映画版('09)、HBOドラマ版('19)を一気に摂取した記録

本稿は『ウォッチメン』と名のついた各種作品を初めて摂取する方向け、より細かく言えばドラマ版を観たいんだけど予習は必要? と悩んでいる方向けのガイド記事、のようなものを目指しています。書いているのは、まさに一週間前くらいまでその状態だった人で…

海外ドラマ「シェイムレス 俺たちに恥はない」の紹介と、あわせて読みたい本のことなど

2011年からWOWOWで放送されている海外ドラマ『シェイムレス 俺たちに恥はない』が2020年4月、Netflixに入りました(シーズン5まで)。観終えてから書こうと思っていましたが、シーズン4へ入ったあたりでだいぶ視聴ペースが落ちてきたので一旦書いておきます…

映画「マザーレス・ブルックリン」と、NY都市計画にまつわる書籍いくつか

今年のはじめに鑑賞し、これは暫定年間ベストだ!なんて言っていた映画『マザーレス・ブルックリン』。念願の映像ソフトがリリースされましたので購入、再鑑賞しました。この記事ではそのあらためての感想と、本作をきっかけに何冊か読んだニューヨーク都市…

最近読んだ本の紹介「古関裕而の昭和史」「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」

絶好の読書日和がまだまだ続きそうですね(皮肉)。最近読んだ本「古関裕而の昭和史」「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」2冊のご紹介です。 古関裕而の昭和史 国民を背負った作曲家(辻田真佐憲) 古関裕而(こせきゆうじ)は、現在放送中のNHK…

本の感想「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発(門田隆将 著)」

映画『Fukushima 50(2020)』の原作本「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」を読みました。東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故と各所の対応について、著者の門田隆将さんが膨大な調査とインタビューをもとにまとめ上げたノンフィクションで…

2020年1月 書けなかったあれこれ

アウトプットしないと気持ち悪くなる病気なので今年は映画以外のこともなるべく書き残しておこうと思います。 目次 ライブなど アフター6ジャンクション大みそか特別編・アンプラグドLIVE&DIRECTスペシャル 坂本真綾 LIVE TOUR 2019『今日だけの音楽』追加…

「アイリッシュマン(2019)」映画と原作の感想

ようやく観ました、マーティン・スコセッシ監督による話題のNetflix映画『アイリッシュマン』。3時間半という長尺をしっかり乗り切るため、原作本上下巻を読んでからの鑑賞です。 概要 1975年アメリカ、当時「大統領に次ぐ権力を持った男」とまで言われた大…

こんな雨の日に 映画「真実」をめぐるいくつかのこと(是枝裕和 著)

是枝裕和監督の新著「こんな雨の日に 映画『真実』をめぐるいくつかのこと」を読みました。 先日公開された映画「真実」の構想から制作までを記録したもの、ということで、①映画を観ていて ②是枝監督に興味のある人 にしかあまり関わりのない本、のようにも…

「お砂糖とスパイスと爆発的な何か(北村紗衣)」書籍の紹介

最近読んだ本をご紹介します。ここのところノンフィクション系をいくつか読んでいましたが、今回はちょっと毛色の違う本です。 書店でこの本と出会ったのは3週間ほど前でした。個性的なタイトル、ポップな表紙絵、おまけにライムスター宇多丸さんの帯コメン…

「大脱走 英雄〈ビッグX〉の生涯」「ハイドリヒを撃て!」本と映画の雑感

先日「大脱走(1963)」を観たあとに読んでいた伝記本。といってもスティーブ・マックイーンの役ではなく、本書で描かれている人物はこちらです。劇中での名はロジャー・バートレットですが、モデルとなった人物の名はロジャー・ブッシェルといいます。ロジ…

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」鑑賞にあたって予習した記録とネタバレ雑感

待ちわびていたクエンティン・タランティーノ監督最新作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」、公開日に立川極音レイトショーで観てまいりました。 といってもタランティーノ作品は「パルプ・フィクション」しか観たことがないわたし。何が楽し…

「マリリン・モンロー 瞳の中の秘密(2012)」ほか雑感

昨日8月5日が命日だったということもあり、引き続きマリリン・モンロー関係の備忘録。前回の記事(下記リンク)で書ききれなかった本の話と、もう一本観た映画の話です。 まずはこちらの本から。 マリリン・モンローという生き方 劣等感を持つ女は美しい(山…

「王子と踊子(1957)」「マリリン 7日間の恋(2011)」ほか雑感

海外ドラマ「SMASH *1」の影響でマリリン熱が上がってしまったためマリリン週間入りました。50年代のマリリン出演作品、近年の関連作品、最近読んだ本について書く、つもり。 王子と踊子(1957) 王子と踊り子(字幕版)発売日: 2015/04/15メディア: Prime Vid…

私はガス室の「特殊任務」をしていた(シュロモ・ヴェネツィア 著)

私はガス室の「特殊任務」をしていた (河出文庫)作者: シュロモ・ヴェネツィア,鳥取絹子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2018/04/05メディア: 文庫この商品を含むブログを見る アウシュビッツ強制収容所における「特殊任務部隊=ゾンダーコマンド」を…

映画を聴きましょう(細野晴臣 著/2017)

映画を聴きましょう作者: 細野晴臣,堀道広出版社/メーカー: キネマ旬報社発売日: 2017/11/07メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る言うまでもないスーパーミュージシャン細野晴臣さんによる、「キネマ旬報」での連載をまとめた映画本。決して“…