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主に映画の感想文を書いています

2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

映画「偶然と想像(2021)」感想|ありがとう会話劇、大好きです。映画館で笑おう。

※後半ネタバレあり/『ドライブ・マイ・カー』も記憶に新しい濱口竜介監督の新作『偶然と想像』を観てきました。年末に観てしまうとシネマランキングが崩壊すると話題の作品ですが、我慢できなくて。まあ、噂に違わずとんでもなく面白かったです。はい。で、…

映画「パーム・スプリングス(2020)」感想|缶飲料片手に観たいタイムループもの

パーム・スプリングスとはアメリカ西海岸のリゾート地だそう。結婚式参列のためこの地を訪れた主人公は、謎のタイムループに迷い込んで永遠に結婚式当日を繰り返します。抜け出す方法も見つからずひとり達観した「一日」を過ごしていた彼ですが、とある女性…

映画「君は永遠にそいつらより若い(2021)」感想|佐久間由衣×奈緒、薄曇りのシスターフッド会話劇

感想書けないまま一週間くらい経ってしまいましたけど、映画『君は永遠にそいつらより若い』を観ました。津村記久子さんによる15年くらい前の同名小説が原作となっているようです。この映画、以前から少しずつ気にはなっていて。主演の佐久間由衣さんは朝ド…

映画「こころの通訳者たち~what a wonderful world~(2021)」感想|手話を音声で表現し直す、挑戦的探求のドキュメンタリー

この作品、まず簡単に言うと「映像作品に音声ガイドを付けていく過程を追ったドキュメンタリー」です。なのですけど、その音声ガイドを付けようとしている映像作品というのが「演劇公演に舞台手話通訳を付けていく過程を追ったドキュメンタリー」なんですね…

映画「東京ゴッドファーザーズ(2003)」感想|クリスマスの奇跡が「激突」してくる

舞台はクリスマスイブの東京。ゴミを漁っていたホームレス3人組が捨て子の赤ちゃんを拾ってしまうところから始まる物語。なんか普通にハートウォーミングな話なのかなあとのんびり観ていたら、どっこい次々と「激突」してくるサプライズがすごくて(笑) こん…

映画「くじらびと」「大海原のソングライン」「地球交響曲 ガイアシンフォニー 第九番」|シネマ・チュプキ12月後半プログラムまとめて感想

東京・田端のユニバーサルシアター「シネマ・チュプキ・タバタ」に一日籠って、12月後半のプログラムから『くじらびと』『大海原のソングライン』『地球交響曲 ガイアシンフォニー 第九番』を観てきました。3本ともドキュメンタリー作品です。 くじらびと(2…

映画「血を吸うカメラ(1960)」感想|精神疾患を克服しようと努力するシリアルキラーの物語

『ラストナイト・イン・ソーホー』にまつわる映画といいますか、エドガー・ライト監督のルーツにあるような映画を観ていこうということで先日も『反撥(1965)』『赤い影(1973)』などを観ましたが、今回は1960年のマイケル・パウエル監督作品『血を吸うカ…

映画「マトリックス レザレクションズ(2021)」感想|過去作の再現、メタメタのメタ展開、仰々しいほどの愛。好きです。

まず最初に書いておくべきこととして、わたしが『マトリックス(1999)』を初めて観たのは7日前です。そして『リローデッド』は2日前、『レボリューションズ』は1日前に初めて観ました。時の流れが秒で過ぎるぜ、みたいな比喩ではなく文字通りの意味です。ク…

映画「反撥(1965)」「赤い影(1973)」感想|「ラストナイト・イン・ソーホー」に影響を与えた作品2本(ネタバレあり)

エドガー・ライト監督が新作『ラストナイト・イン・ソーホー』を制作するにあたりインスパイアされたという2作品、1965年公開のロマン・ポランスキー監督作品『反撥』と1973年公開のニコラス・ローグ監督作品『赤い影』を観ました。 なるほどここが共通点!…

映画「マトリックス(1999/IMAX上映)」感想|2021年に初めてマトリックスを観た人の感想

『マトリックス』を観たことがありませんでした。公開当時は中学生、かな。弾を避ける「アレ」をクラスの誰もがやっていたような時代ですが、映画館に行く習慣はおろか映画を観る習慣もほとんどなかったので本物は見たことがありませんでした。 数年後、自分…

映画「ラストナイト・イン・ソーホー(2021)」感想|シラ・ブラック「You're My World」に囚われてしまった

めちゃくちゃ楽しみにしていた映画『ラストナイト・イン・ソーホー』を公開初日に観てきました。『ベイビー・ドライバー』のエドガー・ライト監督作品で、主演がトーマシン・マッケンジー×アニャ・テイラー=ジョイだなんてもう、どうやったって満足度100%を…

映画「フレンズ〜ポールとミシェル(1971)」感想| B'z「FRIENDS」シリーズの命名由来となったらしい作品

突然ですが、B'zのミニアルバム『FRIENDS III』が昨日12/8にリリースとなりました。1992年と1996年にリリースされた『FRIENDS』および『FRIENDS II』という作品がありまして、今作はなんとその25年ぶりの続編になります。 「FRIENDS III」 (初回限定盤) (CD+…

映画「MINAMATA -ミナマタ-(2020)」「阿賀に生きる(1992)」感想|熊本水俣病と新潟水俣病を少しずつ知る

水俣病ってすごくメジャーな公害病であると同時に正直よく知らない病気でもあって、今回鑑賞したのも何かしら知れたらいいなというくらいの気持ちでした。後から軽くWikipedia等で調べてみると結構脚色している部分はあるようで、劇映画的にしすぎている気が…

映画「明日をへぐる(2021)」感想|和紙の原料「楮(こうぞ)」農家のドキュメンタリー

この日1本目に観た『明日をへぐる』は「和紙の原料となる楮(こうぞ)農家」のドキュメンタリー。はい、全く未知のジャンルでした。でもこれが門外漢でも非常に楽しめる構成となっていて、かなり秀逸なドキュメンタリーだと思いました。 前半ではまず楮とい…

Netflixの韓国ドラマ「地獄が呼んでいる」感想|韓国と宗教とYouTuber時代のマリアージュ

早くも『イカゲーム』に次ぐ大ヒットを記録しているらしいNetflix製作の韓国ドラマ『地獄が呼んでいる』を観ました。『イカゲーム』も全9話と韓国ドラマ基準では短い作品でしたが、本作はさらに短く全6話。さくっと観ることが可能です。 ※具体的なネタバレは…

映画「ドロステのはてで僕ら(2020)」感想|2分後の未来に振り回されるミニマムSF

12/1から配信開始になった映画『ドロステのはてで僕ら』を観ました。『サマータイムマシン・ブルース』などのヨーロッパ企画によるオリジナル映画作品です。『サマータイムマシン・ブルース』は「クーラーのリモコンを取り戻すべく昨日へ行く」という超ミニ…

2021年11月に観た映画を振り返る〈感想記事の一覧〉

22本、意外と観てました。ちなみに今月で2021年の鑑賞総数200本および劇場鑑賞100本に到達。劇場鑑賞が三桁に届いたのは初めてです。内心とても喜んでいます。そんなに行っている気もしないんですが、3〜4本のハシゴを抵抗なくできるようになってしまったこ…

映画「インシディアス」シリーズ4作品を一気に観た|そっちが主役?!そんなSF展開あり?! 予想外が楽しい連作ホラー

ジェームズ・ワン監督率いる**『インシディアス』**シリーズ4作品を一気に観ました。 怖さという点ではだいぶ苦手なタイプで、4作品通して同じ感想だったので多分しっかりとコンセプトが定まっているのだと思います。ただしアイデア的な面白さでは『死霊館』…