映画「まともじゃないのは君も一緒(2020)」感想|とびきり口の悪い清原果耶さんを堪能する
新作の波が押し寄せる前に昨年観そびれた作品を優先的に観ていきたいと思っている2022年1月上旬。邦画の一発目として『まともじゃないのは君も一緒』を観ました。成田凌×清原果耶、そんなの絶対好きじゃんってことでずっと注目してたんですけど結局ずっと観れないままだったんですよね。
ざっくり言うと「冴えない予備校教師と女子高生のラブコメ」で、非モテの成田凌にギラギラの清原果耶が無責任な恋の手ほどきをしまーすっていう話なんですが、これが、いい。なんといっても、清原果耶さんがめちゃめちゃ口悪くていい。
あのー、ビジュアルは超正統派の清原果耶ルックなんですよ。多くの方が清原果耶と聞いて想像するであろう、あの端正な清原果耶さんが、幕を開ければ制服姿でそこにいます。が、めっちゃ口悪いの。最初の台詞「横にいるよ、ブスが」ですからね。成田凌さんの待つ予備校に着いてからもイラつきまくり舌打ちしまくりで、わたしのなかの清原果耶が開始5分で完全崩壊ですよ。そして確信した、このひとは怪優だ!
というわけでこの映画、とにかく清原果耶さんの侮蔑的な視線と攻撃的なお芝居がたいへん見どころです。全体的にはそこまでクオリティの高い作品とも思わないのですが、清原果耶さんと成田凌さんという大正解キャスティングの「そんなん絶対好きじゃん」をいい意味で裏切ってくる競演が全てをよしとしてくれます。『おかえりモネ』でその繊細な表情に心酔した方ほどショックを受けると思いますのでぜひご覧ください。
好きなシーンはいっぱいあるんですけども、腹筋ちぎれそうになったのは食器屋さんのとこ。成田凌のああいう感じ、ずるいわ。それから、意外な方向に群像劇が広がっていく某カップルのとこ。栄養ドリンク爆飲みした清原果耶さんがスナックでくだを巻くシーン最っ高。小泉孝太郎の新妻たる泉里香さんも魅力的なんですよね、物言わぬお芝居がうまい。本屋のとこ、名演。
序盤の「恋の手ほどき」は、なんか既視感あるなーと思ったら、そうだ、『バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985)』でジョージにロレインの口説き方を伝授するマーティそのものじゃないですか。奥手なくせして怖いくらい素直に従うジョージはまさしく成田凌。そういやマーティも高校生だし、つまりまさしく清原果耶。君たちがくっついてくれないとこっちがダメなのよ、っていう事情まで一緒じゃないの、お見事〜〜(勝手に楽しくなってます)。
とにかく、もう一回言いますね、清原果耶さんに蔑まれたい方はマストでご覧ください。これはよいものです。
(2022年2本目/U-NEXT)