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主に映画の感想文を書いています

2021年の鑑賞記録

2021年に観た映画226本と感想記事の一覧

2021年に観た映画とその感想記事を一覧にしています(全記事へのリンクあり)。鑑賞総数は226本、うち劇場鑑賞は113本でした。2020年の劇場鑑賞が59本で「50本超えヤッター」と喜んでいたことを考えると、2021年は一体どうしたのでしょうか。鑑賞総数のカウント…

2021年12月に観た映画を振り返る〈感想記事の一覧〉

新年あけましておめでとうございます。明けた早々になんですが、2021年12月に観た映画などを振り返ります。21本。いい感じに節操のないラインナップです。ちなみに『ラストナイト・イン・ソーホー』は2回観に行きました。1回目の衝撃は超えられなかったので…

映画「偶然と想像(2021)」感想|ありがとう会話劇、大好きです。映画館で笑おう。

※後半ネタバレあり/『ドライブ・マイ・カー』も記憶に新しい濱口竜介監督の新作『偶然と想像』を観てきました。年末に観てしまうとシネマランキングが崩壊すると話題の作品ですが、我慢できなくて。まあ、噂に違わずとんでもなく面白かったです。はい。で、…

映画「パーム・スプリングス(2020)」感想|缶飲料片手に観たいタイムループもの

パーム・スプリングスとはアメリカ西海岸のリゾート地だそう。結婚式参列のためこの地を訪れた主人公は、謎のタイムループに迷い込んで永遠に結婚式当日を繰り返します。抜け出す方法も見つからずひとり達観した「一日」を過ごしていた彼ですが、とある女性…

映画「君は永遠にそいつらより若い(2021)」感想|佐久間由衣×奈緒、薄曇りのシスターフッド会話劇

感想書けないまま一週間くらい経ってしまいましたけど、映画『君は永遠にそいつらより若い』を観ました。津村記久子さんによる15年くらい前の同名小説が原作となっているようです。この映画、以前から少しずつ気にはなっていて。主演の佐久間由衣さんは朝ド…

映画「こころの通訳者たち~what a wonderful world~(2021)」感想|手話を音声で表現し直す、挑戦的探求のドキュメンタリー

この作品、まず簡単に言うと「映像作品に音声ガイドを付けていく過程を追ったドキュメンタリー」です。なのですけど、その音声ガイドを付けようとしている映像作品というのが「演劇公演に舞台手話通訳を付けていく過程を追ったドキュメンタリー」なんですね…

映画「東京ゴッドファーザーズ(2003)」感想|クリスマスの奇跡が「激突」してくる

舞台はクリスマスイブの東京。ゴミを漁っていたホームレス3人組が捨て子の赤ちゃんを拾ってしまうところから始まる物語。なんか普通にハートウォーミングな話なのかなあとのんびり観ていたら、どっこい次々と「激突」してくるサプライズがすごくて(笑) こん…

映画「くじらびと」「大海原のソングライン」「地球交響曲 ガイアシンフォニー 第九番」|シネマ・チュプキ12月後半プログラムまとめて感想

東京・田端のユニバーサルシアター「シネマ・チュプキ・タバタ」に一日籠って、12月後半のプログラムから『くじらびと』『大海原のソングライン』『地球交響曲 ガイアシンフォニー 第九番』を観てきました。3本ともドキュメンタリー作品です。 くじらびと(2…

映画「血を吸うカメラ(1960)」感想|精神疾患を克服しようと努力するシリアルキラーの物語

『ラストナイト・イン・ソーホー』にまつわる映画といいますか、エドガー・ライト監督のルーツにあるような映画を観ていこうということで先日も『反撥(1965)』『赤い影(1973)』などを観ましたが、今回は1960年のマイケル・パウエル監督作品『血を吸うカ…

映画「マトリックス レザレクションズ(2021)」感想|過去作の再現、メタメタのメタ展開、仰々しいほどの愛。好きです。

まず最初に書いておくべきこととして、わたしが『マトリックス(1999)』を初めて観たのは7日前です。そして『リローデッド』は2日前、『レボリューションズ』は1日前に初めて観ました。時の流れが秒で過ぎるぜ、みたいな比喩ではなく文字通りの意味です。ク…

映画「反撥(1965)」「赤い影(1973)」感想|「ラストナイト・イン・ソーホー」に影響を与えた作品2本(ネタバレあり)

エドガー・ライト監督が新作『ラストナイト・イン・ソーホー』を制作するにあたりインスパイアされたという2作品、1965年公開のロマン・ポランスキー監督作品『反撥』と1973年公開のニコラス・ローグ監督作品『赤い影』を観ました。 なるほどここが共通点!…

映画「マトリックス(1999/IMAX上映)」感想|2021年に初めてマトリックスを観た人の感想

『マトリックス』を観たことがありませんでした。公開当時は中学生、かな。弾を避ける「アレ」をクラスの誰もがやっていたような時代ですが、映画館に行く習慣はおろか映画を観る習慣もほとんどなかったので本物は見たことがありませんでした。 数年後、自分…

映画「ラストナイト・イン・ソーホー(2021)」感想|シラ・ブラック「You're My World」に囚われてしまった

めちゃくちゃ楽しみにしていた映画『ラストナイト・イン・ソーホー』を公開初日に観てきました。『ベイビー・ドライバー』のエドガー・ライト監督作品で、主演がトーマシン・マッケンジー×アニャ・テイラー=ジョイだなんてもう、どうやったって満足度100%を…

映画「MINAMATA -ミナマタ-(2020)」「阿賀に生きる(1992)」感想|熊本水俣病と新潟水俣病を少しずつ知る

水俣病ってすごくメジャーな公害病であると同時に正直よく知らない病気でもあって、今回鑑賞したのも何かしら知れたらいいなというくらいの気持ちでした。後から軽くWikipedia等で調べてみると結構脚色している部分はあるようで、劇映画的にしすぎている気が…

映画「明日をへぐる(2021)」感想|和紙の原料「楮(こうぞ)」農家のドキュメンタリー

この日1本目に観た『明日をへぐる』は「和紙の原料となる楮(こうぞ)農家」のドキュメンタリー。はい、全く未知のジャンルでした。でもこれが門外漢でも非常に楽しめる構成となっていて、かなり秀逸なドキュメンタリーだと思いました。 前半ではまず楮とい…

Netflixの韓国ドラマ「地獄が呼んでいる」感想|韓国と宗教とYouTuber時代のマリアージュ

早くも『イカゲーム』に次ぐ大ヒットを記録しているらしいNetflix製作の韓国ドラマ『地獄が呼んでいる』を観ました。『イカゲーム』も全9話と韓国ドラマ基準では短い作品でしたが、本作はさらに短く全6話。さくっと観ることが可能です。 ※具体的なネタバレは…

映画「ドロステのはてで僕ら(2020)」感想|2分後の未来に振り回されるミニマムSF

12/1から配信開始になった映画『ドロステのはてで僕ら』を観ました。『サマータイムマシン・ブルース』などのヨーロッパ企画によるオリジナル映画作品です。『サマータイムマシン・ブルース』は「クーラーのリモコンを取り戻すべく昨日へ行く」という超ミニ…

2021年11月に観た映画を振り返る〈感想記事の一覧〉

22本、意外と観てました。ちなみに今月で2021年の鑑賞総数200本および劇場鑑賞100本に到達。劇場鑑賞が三桁に届いたのは初めてです。内心とても喜んでいます。そんなに行っている気もしないんですが、3〜4本のハシゴを抵抗なくできるようになってしまったこ…

映画「インシディアス」シリーズ4作品を一気に観た|そっちが主役?!そんなSF展開あり?! 予想外が楽しい連作ホラー

ジェームズ・ワン監督率いる**『インシディアス』**シリーズ4作品を一気に観ました。 怖さという点ではだいぶ苦手なタイプで、4作品通して同じ感想だったので多分しっかりとコンセプトが定まっているのだと思います。ただしアイデア的な面白さでは『死霊館』…

映画「終わりの見えない闘い 新型コロナウイルス感染症と保健所(2021)」感想|コロナ禍における保健所の働きに密着したドキュメンタリー

未知の感染症に医療が逼迫していく状況下で「保健所」がどんな役割を果たしていたか、知っている人はどれほどいるでしょうか。わたしは恥ずかしながら全く何も知りませんでした。それどころか「保健所」というワードにネガティブなイメージを持っていたほど…

映画「君はひとりじゃない(2015)」感想|ホラー映画からホラー演出を抜くとこうなる、のかも。

予備知識ゼロで観たこの映画、序盤からなかなかシュールで、ヨルゴス・ランティモス作品であるとか、はたまたアリ・アスター作品であるとか、ちょっとワケありなアート映画の雰囲気が漂います。加えてささやかなポルターガイスト的現象なども発生し、これは…

Netflixの韓国ドラマ「イカゲーム」に出てくる「モヒートでモルディブ」とは(ネタバレあり)

『愛の不時着』『梨泰院クラス』をも上回る世界的大ヒットを記録しているというNetflixの韓国ドラマ『イカゲーム』を観ました。デスゲームあんま興味ないしと見て見ぬ振りしてたんですけど、試しに観てみたら思いのほかしっかり「韓国エンタメ」していて、あ…

映画「ある用務員(2021)」感想|「ベイビーわるきゅーれ」の女子高生殺し屋コンビに会える作品

『ベイビーわるきゅーれ(2021)』で一躍名を馳せた阪元裕吾監督の前作『ある用務員』を観ました。伊澤彩織さんと髙石あかりさん扮する『ベイビーわるきゅーれ』主役の女子高生殺し屋コンビが(役名こそ違えどほぼそのままのキャラクターで)出ている作品で…

「死霊館」シリーズのスピンオフ作品5本を一気に観た

ジェームズ・ワン監督率いる『死霊館』シリーズにどハマりしてしまったので、スピンオフ含む「死霊館ユニバース」の全8作品を一気見しました。本編3作品を除いた5作品について簡単に感想を書きます。 なお、いきなりハマった理由と本編3作品のほうの感想(主…

映画「マリグナント 狂暴な悪夢(2021)」感想|全部盛りでめちゃくちゃ楽しい、ジェームズ・ワンの最新ホラー

『死霊館』シリーズのおかげですっかりホラーがクセになってしまったわたし。摂取したくてたまんないんですけど、ってことでちょうど現在公開中のジェームズ・ワン監督最新作『マリグナント 狂暴な悪夢』を観てきました。タイミングがいい!!(※ネタバレが…

映画「ひらいて(2021)」感想|綿矢りさ文学の新世代実写化作品。分かりみは少ないが、いいものである。

綿矢りささんの同名小説を原作とした映画『ひらいて』を観てきました。綿矢作品の実写化といえば大九​明子監督とのタッグで作られた『勝手にふるえてろ』『私をくいとめて』の印象が非常に強いですが、今作は若手監督の首藤凜(しゅとう・りん)さんが手掛け…

「映画:フィッシュマンズ(2021)」感想|知らなかったバンドを好きになったり、自分に重ねたり。

わたしフィッシュマンズというバンドに関しては全く何も知らなくて、せいぜいうっすらと「欣ちゃんことスカパラの茂木欣一さんが昔やってたバンド」みたいな認識があるかないか。ボーカルの方が亡くなっていたことすら存じ上げませんでした。おまけに172分と…

津軽三味線映画「いとみち」「津軽のカマリ」感想|物語も演奏も、思っていたのと違った

気になりつつも観るタイミングを逃していた映画『いとみち』、ようやく観てきました。越谷オサムさんによる同名小説を原作としています。まずはポスターをご覧いただきましょうか。印象に残っていたのは一枚目(左)のポスター。多分『スウィングガールズ(2…

映画「死霊館 悪魔のせいなら、無罪。」とシリーズ過去作にハマる|よもやホラーで目頭を熱くするとは

滑り込みで『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』を劇場鑑賞してきました。いや〜、ド直球ラブストーリーで最後は泣いた。めちゃくちゃよかった。え? タイトル間違えてないかって? いいえ、まごうことなき『死霊館』シリーズ最新作『死霊館 悪魔のせいなら、…

2021年10月に観た映画を振り返る〈感想記事の一覧〉

10月に観た映画などを振り返ります。公開から3ヶ月くらいまでのタイミングで劇場鑑賞したものを新作、それ以外を旧作としています。リンク先は感想記事、並びは鑑賞順です。先月分はこちら。 新作 護られなかった者たちへ 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ ジ…