MCU最新作のスパイダーマンなんちゃらかんちゃらを楽しむため、過去の『スパイダーマン』シリーズをスピード履修中。サム・ライミ版の3本と、『アメイジング・スパイダーマン』シリーズ2本の計5本を3日で一気見したので、ざっくばらんに鑑賞メモです。
なお最新作のやつはまだ観てないのでネタバレはございません。
登場ヴィランはグリーン・ゴブリン。めちゃくちゃダサくてびっくりした。こんなにダサかったっけ。クイーンズボロ橋で繰り広げられるクライマックスのバトルは、ルーズベルト・アイランド・トラムウェイの根元をあんな徹底的に破壊してたんだ!超迷惑!というのが今回の新たな気付き。
ちなみに前回観たときはニューヨーク旅行の「予習」として観ていた。
サブキャラの描き込みが丁寧なのもこのシリーズのいいところで、筆頭はメイおばさん。前作で未亡人となった彼女のその後をしっかり描き、悲劇的因果でピーターとも少しぎくしゃくさせる、その塩梅が繊細。「忘れなさい どんな水も流れすぎていくわ」っていう言葉がよかった。なお次作ではちゃんと宣言どおりアパートに引っ越している。ディテールが素晴らしい。
ヴィランはドクター・オクトパス。予告編に出てた人だ! スパイダーマンのヴィラン基本的にみんなダサいけど、このひと(?)は唯一まともな気がする。メカ触手がよくできてる。
一躍スターダムを駆け上り調子に乗ってからズドンと堕ちて自暴自棄になる、そんなハリウッドのダークサイド的な展開をブロードウェイ志向のMJじゃなくてピーターが辿るのはおもしろい。前髪下ろしたイキりピーターが見どころ。トビー・マグワイア、どっちに転んでもいい顔で、見れば見るほど愛着湧いちゃう。
MJとピーターの間に流れる倦怠感もよくて、険悪な別れ方したけどそれはそれとして心配だから来た、みたいな感じがすごく、たまらん。MJの落ち着いたファッションも素敵。ああいうときめいてない男女のヒリついた愛憎関係になぜか憧れてしまう。立て付けの悪いドア。
相変わらず三角関係もビシビシで、記憶喪失まで出てきたもんだからもはやこれは韓流ドラマなのではと思った。とはいえしっかり記憶は呼び覚まさせ、なおかつ終盤でまあまあ関係を修復してくれるのは後味が良い。
ヴィランはキングコングみたいなサンドマンと、ヴェノム! ここで出てくるのか!(『ヴェノム』シリーズ未見)
もうひとつ驚いたのは、エマ・ストーンがMJじゃなかったこと。ヒロインは毎回MJだと思っていた。「グウェン・ステイシー」が『スパイダーマン3』で逆さキスのリバイバル(あの行動は理解できない)されてた彼女だと気付いたのは観賞後のことである。
いろいろ違いを楽しめたのはいいとして、全体的にはパッとしない出来だと感じた。サム・ライミ版と同じようなことをしている序盤なのに物語が全然動き出さないというか。実写版『アラジン(2019)』を観たときの気分を、今ふと思い出した。
が、しかし、そっちの結末を選んだか……。なかなかに残酷。もっと痛快に終わってほしかった。それこそルーズベルト駅でズゴゴゴゴって線路割れたときめちゃめちゃテンション上がったんだから、あれぐらいの感じで最後までいってほしかった。別バースに期待するしかない。グウェンに、ピーターに幸あれ。
(追記:じわじわ納得いかなくなってきた。未来あるプロミシングヤングウーマンをあそこで退場させてしまうのは解せない。止めたのに社会進出しようとしたせいです、みたいに取られても仕方ないのでは。それはまあ言いがかりかもしれないけど、墓前のシーンはもうたくさん!)
今回のヴィランはエレクトロと、新世代型グリーン・ゴブリン。まさかあいつが戻ってくるとは。ハリー役の人が超好みな顔してると思ったら、『ヴァレリアン 千の惑星の救世主(2018)』でもわたしが大変気に入っていたデイン・デハーン氏であった。ああ〜〜いい顔。
以上、時間があればMCU版もざっと観直して、週末には噂の最新作を観たい。おやすみなさい。
(2022年7〜11本目/U-NEXT)