353log

主に映画の感想文を書いています

大林宣彦監督作品「SADA〜戯作・阿部定の生涯(1998)」雑感

f:id:threefivethree:20200517081120p:plain

どうやらこれで10本目のようです。大林作品履修期間、今回は1998年公開の『SADA〜戯作・阿部定の生涯』を観ました。「阿部定事件」を題材にした物語で、黒木瞳阿部定を演じています。ところで阿部サダヲって阿部定由来の芸名なんですね、知らなかった。

概要

昭和11年に起きた猟奇殺人事件「阿部定(あべさだ)事件」の犯人、阿部定の生涯を描いた物語。晩年消息を絶った定には謎が多く、映画冒頭では『この映画は、その定の不思議の領域に、少しだけ踏み込んでみたものである──。』とテロップが出る。

雑感

阿部定事件って名前は聞いたことがあってもどういう事件なのかは知りませんでした。いくつも映画になっているんですね。ざっくり言うと「性交中に愛人の首を絞めて殺し、隠部を切り取って去った」という事件でございます。典型的な猟奇殺人ですが連続性はなかったみたいです。ちなみに犯行の日付は5月18日。明日ですね(偶然)。

猟奇殺人事件を描いた作品ということでそれなりにシリアスタッチなものを想像していたのですが、これが思いのほかコメディタッチというか、喜劇的な味付けになっていてなんとも妙な映画でした。まあ大林作品である以上、妙な映画であることへの意外性や抵抗はないんですけども。

余談ながら、履修の1本目として『HOUSE/ハウス(1977)』を観たときから大林作品に覚えていた「意外や、慣れ親しんだ感じ」。これ、椎名林檎かなと思ってます。2003年のアルバム「加爾基 精液 栗ノ花」以降のデカダンな世界観で免疫をつけた我々世代、大林作品の妙ちきりんとは親和性が高いのかもしれません。


さて、正直この作品そんなに語りたいこともなくて、ポイントとしてはとにかく黒木瞳さんがべっぴん、というところに尽きましょう。映画っていうのは魅力的な女の人を拝めれば満足、なわたしとしては大満足でございました。

f:id:threefivethree:20200517080518p:plain

あと、ドーナツがエロい。

そんなわけで、ご興味持たれた方はぜひ黒木瞳さんのコケティッシュな魅力をご堪能いただければと思います。アレちょん切るくだりも直接的な描写はないので、猟奇殺人ものが苦手でも大丈夫です。

(2020年75本目/U-NEXT)

YouTubeでも400円くらいでレンタルできるみたいですね。そうそう、主題歌がすごく良くて。タイトルバックでどーんと流れたとき「きたきたきた!」とにやけてしまいました。定のサバダバダ。