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映画「ある用務員(2021)」感想|「ベイビーわるきゅーれ」の女子高生殺し屋コンビに会える作品

ベイビーわるきゅーれ(2021)』で一躍名を馳せた阪元裕吾監督の前作『ある用務員』を観ました。伊澤彩織さんと髙石あかりさん扮する『ベイビーわるきゅーれ』主役の女子高生殺し屋コンビが(役名こそ違えどほぼそのままのキャラクターで)出ている作品です。

二人の登場は映画のちょうど中盤。姿を見せるや、大スターのカメオ出演を見るかのようにテンションは爆上がり! 本作の試写で関係者から大好評だった二人を再度スクリーンに呼び戻すべく立ち上がったスピンオフ企画が『ベイビーわるきゅーれ』だそうですが、実際観てみると納得しかありません。というか完全に主役を喰ってます(笑)


映画「ある用務員」ポスター
映画「ある用務員」ポスター


本来は『ベイビーわるきゅーれ』のすぐ後に観るつもりだったのをずるずる先送りにしていた本作。二度目のきっかけは現在公開中の映画『ひらいて(2021)』でした。メインキャストの芋生悠(いもう・はるか)さんについて調べていたら、なんと『ある用務員』に出ている、っていうかヒロインだった! そんなわけでようやくの鑑賞と相成りました。

芋生悠さんは開始早々出てきます。『ひらいて』の美雪とそう印象は変わらない、おとなしめの女子高校生役です。そんな彼女がちょっとした家庭の事情(そう、親父さんが堅気じゃないのだ)でえらい目にあっちゃう。そこを福士誠治さん演じる「ある用務員」が助けてくれるってなアクション映画であります。

ただ、先ほども書いたように女子高生殺し屋コンビをはじめとする脇役たちが濃すぎてですね、芋生悠さんと福士誠治さんの主役二人がめっちゃ地味です。特に後半では前野朋哉さん演じる超ゆるふわなサイコパスなども爆誕しちゃうので、なおのこと主役二人の存在感は極薄です。『ベイビーわるきゅーれ』は同年公開の作品ですが、バランス面で比較にならないほどブラッシュアップされていることがよく分かります。

ともあれ、『ベイビーわるきゅーれ』を観た方であれば伊澤彩織さんと髙石あかりさんの登場シーンだけでスタンディングオベーション間違いなし。ファンアイテムとして必見です。

(2021年195本目/U-NEXT)

おまけにPRっぽい自主宣伝。東京・田端のユニバーサルシアター「シネマ・チュプキ・タバタ」にて音声ガイド&日本語字幕付きの『ベイビーわるきゅーれ』が11月18日(木)~30日(火)の期間(水曜休)上映されています。

バリアフリー活弁士・檀鼓太郎さんによる音声ガイドなので間違いなく楽しいはずですし、昔の黒澤映画よろしく台詞の聞き取りにくい映画なので日本語字幕もいい仕事してくれるはず。11/20(土)には阪元裕吾監督の舞台挨拶もあるそうです。お近くの方はぜひどうぞ!(とても小さな映画館なのでご予約マストです!)