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主に映画の感想文を書いています

映画「ピアノ —ウクライナの尊厳を守る闘い—(2015)」をアジアンドキュメンタリーズのウクライナ緊急支援企画で観た

ドキュメンタリー専門動画配信サイト「アジアンドキュメンタリーズ」で現在実施されている「ウクライナ緊急支援企画 視聴料寄付プロジェクト」。その看板的作品である『ピアノ ―ウクライナの尊厳を守る闘い―』を遅ればせながら観ました。月額視聴でも単品購入でも495円が寄付されます。

2014年2月にウクライナで起きた「ユーロ・マイダン革命」という争乱のさなか、青と黄のウクライナカラーにペイントされたアップライトピアノバリケードの一部になろうとしていました。それに「待った」をかけたのが音楽院の学生アントネッタ。瓦礫だらけの荒んだ街中で、彼女はピアノに再び息を吹き込みます。

バリケードと革命のエチュード、目出し帽の戦士が奏でる繊細な調べ、雨風にさらされたピアノを蘇らせる戦場の調律師。状況自体は何ひとつ良くないのですが、劣悪環境の鍵盤から出てくる音色は不思議と全てが魅力的で惹きつけられました。ゼンデイヤっぽいアントネッタさんのピアノがまたかっこいいのだわ。

映画「ピアノ —ウクライナの尊厳を守る闘い—」より
映画「ピアノ —ウクライナの尊厳を守る闘い—」より

約40分の短さは必要以上に心を病ませることもなく、だけどウクライナを少し身近に感じたり、少なくとも思いを馳せることはできる、万人向けの作品なのではないかと思います。何より具体的な支援になりますので、もどかしい気持ちを抱えている方こそ、ぜひ。寄付プロジェクトは一応4月いっぱいまでの予定となっています。

そんでもってこちら、当初は配信限定だったのですが、アジアンドキュメンタリーズさん直々の配給で5月から劇場公開も決定しています。なんと東京ではわたしの推し箱「シネマ・チュプキ・タバタ」での(ひとまず)単館上映!

また、チュプキでもウクライナ難民支援上映と題して、5月に上映する全作品の「経費を引いたチケット売上利益全額をUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)に寄付」するとのこと。『ひまわり 50周年HDレストア版』なども併映されますのでぜひこの機会にチュプキへ行かれてみてください。

それから、4/27(水)には「アトロク」ことTBSラジオアフター6ジャンクション」18:30〜カルチャートークのコーナーにチュプキ代表・平塚さん出演予定です。ウクライナ難民支援上映の話がメインかと思われますが、聴ける地域の方はぜひお聴きください。

(2022年81本目/アジアンドキュメンタリーズ