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主に映画の感想文を書いています

2010年代の作品

韓国映画「ハウスメイド(2010)」雑感|「パラサイト」にも影響を与えた古典映画のリメイク版

『パラサイト 半地下の家族(2019)』公開時、たびたび映画評などで見かけた『下女』という1960年の韓国映画があります。ポン・ジュノ監督自身もこの作品から大いにインスパイアを受けたと語っていました。そんな古典的作品『下女』をリメイクしたのが、今回…

韓国映画「悪女/AKUJO(2017)」雑感|前半アクション、後半メロドラマという不思議な作品

パク・チャヌク監督の『渇き(2009)』にて先日わたしのハートをぶち抜いてくれたキム・オクビンさん。彼女が主演する、ずばり『悪女/AKUJO』という映画があるらしいぞってことですかさず観ました。が、結論としてはあんまりピンとこず。まあそういうもんで…

パク・チャヌク監督作品「お嬢さん(2016)」雑感|開けてびっくりなハードコア百合映画

韓国映画のことを調べているとよく出くわす『お嬢さん』という作品。なんだかほのぼのしたタイトルで、なんかまあ魅力的なお嬢さんが堪能できるのかな?とふんわり期待値を上げておりましたが、ようやくご対面と相成りました。ところが開けてびっくり玉手箱…

韓国映画「エクストリーム・ジョブ(2019)」雑感|麻薬捜査班がチキン屋を経営したら繁盛しちゃった話

観よう観ようと思いつつ、だった韓国映画『エクストリーム・ジョブ』をようやく観ました。韓国ではなんと同年公開の『パラサイト』超えをしているというマグナムヒット作。スクリーン独占が問題になったりもしたそうで、今の日本でいう『鬼滅の刃』くらいヒ…

「愛の不時着」第10話に登場する韓国映画「シークレット・ミッション(2013)」

韓国ドラマ『愛の不時着』をご覧になった方であれば、第10話でいきなり「緑のスウェット男」がさも重要人物かのように登場したのを覚えていることでしょう。 『愛の不時着』10話より そう、この人ですね。じつは「この人」、2013年に韓国で大ヒットした映画…

映画「異端の鳥(2019)」雑感|第二次大戦下東欧の市井を舞台にした「1917」的“地獄めぐりライド”映画

映画『異端の鳥』をTOHOシネマズ日比谷シャンテで観てきました。以前シャンテで予告を目にし、おもしろそうだなと思っていた作品。とはいえ3時間弱の長尺だし重そうだし、「途中退場者続出!」なんていう触れ込みにも怖気付いていたのですが、ライムスター宇…

京都国際映画祭2020の大林宣彦監督特集を観た③【「この空の花」「野のなななのか」メイキングと、特別対談】

この記事の続きです。 京都国際映画祭2020の特集『大林宣彦の玉手箱─ワンダーランドな空想映画館─』では、メイキング・ドキュメンタリー作品も上映(配信)されていました。ここではメイキング2作品と、映画祭の特別対談について書きます。 目次 映画の根「…

映画「82年生まれ、キム・ジヨン(2019)」雑感|読書体験と映画体験の違い(主に原作からの変更点について)

映画版『82年生まれ、キム・ジヨン』を劇場鑑賞しました。日本でも大きく話題を集めた韓国の同名小説が原作となっています。この本に関しては別途記事を書いていますので合わせてお読みください。 原作はフェミニズム文学と呼ばれるものですが、フェミニズム…

映画「フェアウェル(2019)」雑感|異文化に溢れたシュールなホームコメディ

映画『フェアウェル』を劇場鑑賞しました。「実際にあったウソに基づく」という小粋な一文から始まるこの作品は、監督ルル・ワンさんの実体験をもとにしているそうで、監督自身を投影した役どころは『オーシャンズ8(2018)』『ジュマンジ/ネクスト・レベル…

韓国映画「The Witch/魔女(2018)」ネタバレ雑感|「魔女宅」を期待すると、トラウマを背負う

Netflixがやたらとおすすめしてくるので『The Witch/魔女』という映画を観ました。韓国映画だというのは再生する直前に知りました(なんならドラマだと思ってた)(最近多いパターン)。なお前後編の前編らしく、正確には『−第1部 転覆−』の副題が付きます。…

映画「ミッドウェイ(2019)」雑感|真珠湾攻撃〜ミッドウェイ海戦を中立視点から描いたローランド・エメリッヒ最新作(しかし居心地が悪い)

ローランド・エメリッヒ監督の新作『ミッドウェイ』を劇場鑑賞しました。太平洋戦争における真珠湾攻撃からミッドウェイ海戦までの戦局を、日米双方の視点で描く作品です。日本からは山本五十六役の豊川悦二さんをはじめ、國村隼さん、浅野忠信さんらが海軍…

映画「レディ・バード(2017)」雑感|グレタ・ガーヴィグ監督×シアーシャ・ローナンの第一弾作品

グレタ・ガーヴィグ監督の『レディ・バード』を観ました。監督&主要キャストが共通している『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019)』の公開タイミングで観ようと思っていたのですがずるずる後回しになっておりましたよ。あるある。 物語…

映画「コレット(2018)」雑感|“奔放”な女流作家、という印象を持つこと自体間違っているのかもしれない。

先日ミュージカル『ダディ・ロング・レッグズ』を観劇したとき、カンカン帽をかぶった文筆家のヒロインを見て「あ、そういえば観なきゃ」と頭をよぎった映画がありました。それが『コレット』です。 主演はキーラ・ナイトレイ。とても好きなお顔立ちの女優さ…

深田晃司監督作品「よこがお(2019)」雑感|血の気が引く、背筋が凍る、胸糞悪い、でもめちゃくちゃ面白い

深田晃司監督の『よこがお』を観ました。WOWOWでなんとなく録画しておいた一本だったのですが、これが非常に面白かった。監督、かなりの変態ですね……。 本作はまず何より主演・筒井真理子さんの怪演を愉しむ映画であり、あらすじを書いてしまうと楽しみが削…

映画「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019)」雑感|スカッと笑いたい全ての人へ

女優としても活躍するオリヴィア・ワイルドの長編初監督作品『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』を劇場鑑賞しました。 「ブックスマート=book-smart」とは「(学歴や教養はあるが)世間知らず」な人のことを形容する言葉だそうです。つまりこ…

ドキュメンタリー「ようこそ映画音響の世界へ(2019)」雑感|映画体験の半分は、音だ。

現在公開中のドキュメンタリー映画『ようこそ映画音響の世界へ』を観てきました。映画音楽ではなく、映画「音響」。もちろん音楽もその一部ですが、それ以外にも効果音や環境音、演者が発する声の扱いまで、「映画音響」の仕事は多岐に渡ります。しかし作品…

終戦から75年の日、池袋・新文芸坐で大林宣彦監督の戦争三部作「この空の花」「野のなななのか」「花筐」を観た

池袋の名画座・新文芸坐さんにて、「追悼・大林宣彦 〜永遠の魔法〜④ 戦後75回目の夏に…」と題された『この空の花 長岡花火物語('12)』『野のなななのか('14)』『花筐/HANAGATAMI('17)』の3本立てを観てきました。新文芸坐さん、企画ありがとうござい…

塚本晋也監督版「野火(2015)」雑感|非常にハイクオリティな戦争疑似体験映画

大岡昇平さんの同名小説を原作とした映画『野火』を観ました(1959年の市川崑監督版ではなく2015年の塚本晋也監督版)。 この映画、タイトルは知っていましたがあまりいいイメージを持っていなかったというか、趣味の悪い映画かなと勝手に遠ざけていました。…

ドキュメンタリー「大林宣彦&恭子の成城物語(2019)」ほか雑感|大林映画は“夫婦”の作品

U-NEXTで『ノンフィクションW 大林宣彦&恭子の成城物語 [完全版] ~夫婦で歩んだ60年の映画作り~』を観ました。元々はWOWOWで60分番組として放送されたもので、現在U-NEXTほかで配信されているこちら82分尺の「完全版」は昨年の東京国際映画祭にて公開され…

映画「この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019)」雑感|広島原爆投下から75年の日に

広島原爆投下から75年の日、片渕須直監督によるアニメーション映画作品『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』を観ました。2016年に大ヒットを記録した『この世界の片隅に』に約40分の新たなシーンを追加した、アナザーバージョンの作品です。8月5日より…

映画「ハンターキラー 潜航せよ(2018)」雑感|あのシーン、早っ!

日本の戦争映画を続けざまに観ていたら潜水艦欲が高まってしまって、これを観るなら今じゃろということで観ました、ちょっと前の話題作『ハンターキラー 潜航せよ』。元原子力潜水艦艦長の方が書いたフィクション小説を原作としているそうです。 ハンターキ…

韓国映画「新感染 ファイナル・エクスプレス(2016)」雑感|南北分断にセウォル号、負の韓国近代史を下敷きにしたゾンビ映画

「マブリー」の愛称で大人気なマ・ドンソクの魅力にわたしもクラクラしたいな、ということで手始めに『新感染 ファイナル・エクスプレス』を観ました。このタイトルは当時のTSUTAYA店頭でやたらよく見た記憶があります。ゾンビものなんて全く興味がなくスル…

韓国映画「1987、ある闘いの真実(2017)」雑感

『タクシー運転手 約束は海を越えて(2017)』鑑賞からの流れで、同じく1980年代韓国の民主化運動を描いた映画『1987、ある闘いの真実』を観ました。 あらすじ 1987年1月14日、学生運動をしていた大学生パク・ジョンチョルが警察の拷問により死亡する。警察…

韓国映画「タクシー運転手 約束は海を越えて(2017)」雑感

ソン・ガンホ主演の韓国映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』を観ました(副題付いてたの知らなかった)。ここのところ韓国文学を何冊か続けて読んでいるためか、空前の韓国ブームがきているわたしです。文化に興味を持ち始めると、俄然エンタメ摂取が楽…

ウディ・アレン最新作「レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019)」雑感

ウディ・アレン監督の最新作『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』を観ました。先日の『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019)』に引き続き、映画館での新作映画が二作連続ティモシー・シャラメ、っていうね。シャラメ嫌いだったんじゃな…

韓国映画「はちどり(2018)」雑感&キム・ボラ監督リモート舞台挨拶のうろ覚えレポート

韓国映画『はちどり』を観ました。韓国では2019年に一般公開され、同年公開のポン・ジュノ監督作『パラサイト 半地下の家族』に次ぐ2019年の代表作として大ヒットしたのだそうです。キム・ボラ監督の長編デビュー作である本作は、世界中の映画祭で賞を獲り、…

待望の劇場公開新作「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019)」はしゃいだ雑感

珍しくノミネート作の多くが日本公開済だった今年のアカデミー賞。しかし新型コロナウイルスの影響により不運にも未公開側にほぼ唯一取り残されるかたちとなってしまったのが本作です。3月27日公開予定改め6月12日公開『ストーリー・オブ・マイライフ/わた…

Netflixドキュメンタリー「13th -憲法修正第13条-(2016)」雑感

Netflixで配信されているドキュメンタリー『13th -憲法修正第13条-』を観ました。2016年公開の作品ですが、Black Lives Matter運動の活発化により再び注目されているようです。 アメリカはその人口に対して受刑者数が異常に多い、という統計から始まる本作。…

ロバート・ゼメキス監督作品「マーウェン(2018)」雑感

PrimeVideoの会員特典に、公開当時気になりつつ観れなかった『マーウェン』が入っていたので鑑賞しました。監督は『バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985〜)』シリーズや『フォレスト・ガンプ/一期一会(1994)』のロバート・ゼメキス。高まる期待! なの…

大林宣彦監督作品「花筐/HANAGATAMI(2017)」原作も読んでの雑感

大林作品集中履修、ついに劇場公開済の最新作まで辿り着きました。2017年作品『花筐/HANAGATAMI』。出演は窪塚俊介、矢作穂香、常盤貴子、満島真之介、長塚圭史、山崎紘菜、門脇麦、村田雄浩、柄本時生ほか、といった相変わらずの豪華キャストでございます。…