ソードアート・オンラインはじめました&「劇場版SAO プログレッシブ 星なき夜のアリア」感想
人気アニメシリーズ『ソードアート・オンライン』第1期を観ました。
時は2022年。高性能VRによる完全没入型オンラインゲームの中、「現実世界の生死」をかけたデスゲームが発動してしまう——というお話。最近『イカゲーム』でも思いましたが、デスゲームってフィクション性が高いのにひどく入り込めてしまう不思議なコンテンツですね。
また本作、これよくわたし言うことですけど『大長編ドラえもん』みがあるSFといいますか。畳ひっぺがして入り込んだ異世界、わーい!って遊んで、そろそろ夕飯だから帰るね〜、と思ったら床下塞がってて、か、帰れない?!みたいな。生死のエグい絡み方はさすがに違いますが、基本的なところではやっぱりこういう話が好きなんだな〜と思います。
エグみのほうでひときわ好みだったのは、冒頭で主人公がヘッドセットを装着したが最後、中盤過ぎまで現実世界がほぼ全く描かれないこと。劇中のビジュアルはゲーム世界の美しい風景。しかしプレイヤーの肉体は、どうやら病院に収容され点滴で生かされているらしい……と分かってからのゾッとする感じ。あくまで頑なに「想像」させるのみなのが、とてもとても巧みです。
男女のメインキャラであるキリトとアスナが恋愛を超えて結婚にまで至ってしまう(子供までできちゃう?!)のもなかなか独特で、むしろ新鮮でした。こんな純愛ものになっちゃうの?? と鼻ホジ禁じ得ない、が、しかし、だからこそ得られる後半のエモみは「続きを見る」の手が止まりませんでした。
まあちょっと、美少女アニメ的なところでうーんと思う部分もあるんですが、10年前ですしね、とりあえずここでは触れないでおきます。
ところで何故いきなり『ソードアート・オンライン』略して『SAO』を履修し始めたかというと、シネマ・チュプキにて『劇場版SAO』2作品が8月中かかっているから、という理由です。正直それまで全く知らない世界だったので、かじっておかないと劇場版観れないでしょ、と思いまして。
で、履修前に聴いたのがこちら。アトロクことTBSラジオ「アフター6ジャンクション」の名物企画「国産RPGクロニクル」シリーズの『SAO』編 by 渡辺範明さん。
基本アトロク全聴き勢なのでこの特集もリアルタイムで聴いていて、へえそういう話なんだ面白いなーとは思っていて、あらためて聴き直したかたちです。渡辺さんのトークはとにかく門外漢にもわかりやすくおもしろいので、これから観ようかなって方にぜひおすすめです。
そんなわけでテレビアニメ版1期を一気見してから、チュプキ8月前半で上映中の『劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリア(2021)』観てきました。
これはアニメ版1期の1〜2話を別視点から描き直した作品でして、アニメ版では主人公キリトがヒロインのアスナと出会って共にゲームを攻略していくのですが、本作ではアスナがキリトに出会うまでを「アスナ視点」で描いているんですね。
アニメ版だと闇落ちしたような状態で登場するアスナ。なぜ彼女はそんなことになっていたのか。そういったあたりを、女性キャラクターを1名加えることでうまく描き、かつシスターフッド要素も盛り込んで、と、大変いい感じになっております(雑な感想)。アニメ版では序盤エピソードに過ぎない第一層のボス戦も、今回はとにかくエモい!
笑っちゃったのは、アスナのプレイヤーネームが本名な理由。リテラシー激低だったってだけかい! しかもお兄ちゃんの部屋だったんかい! ……でも話を知ってると、あの最初のヘッドセットかぶるシーンの絶望感が半端なくて、別視点での描き直しっておもしろいなあ好きだなあと思いました。
『プログレッシブ』はシネマ・チュプキにて8/16(火)まで上映中。もうひとつの劇場版『劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケール(2017)』は8月中ずっと上映しております。いずれも岩浪美和音響監督によるチュプキ用の音響調整版。チュプキなのでもちろん日本語字幕付きですし、音声ガイドも『オーディナル〜』はアスナ役の声優・戸松遥さんがナレーションされているものを聴くことができます。
また、明日8/13(土)21:15より、『SAO』音響監督・アニメーション監督・音声ガイド制作者をゲストにお招きしてオンライントークイベントも予定しています。ぜひご覧ください。
『オーディナル・スケール』は、いろいろ落ち着いてから観に行くつもりです。別にその、家で観たっていいんですが、岩浪音響監督自らによるセッティングが施されたチュプキの轟音上映(と銘打ってはいないがあれはいわゆるそれである)、凄かったんですよ。地響きなんてもんじゃない。チュプキ壊れるのでは???と思った。ぜひ倒壊前にチュプキでご体感いただければと。轟音、しかし快感です。
追記:オーディナル・スケール観ました。