まっぷるさんで細田守監督作品6本の紹介記事を書きました
「まっぷるトラベルガイド」さんにて、今週&来週の金曜ロードショー『時をかける少女』『竜とそばかすの姫』放送に合わせた記事を書かせていただきました。全6作の作品紹介と簡単な聖地紹介です。
いや待って『竜とそばかすの姫』わたし結構けちょんけちょん書いちゃってますけど大丈夫なんですかと確認したところ、けちょんけちょん記事をチェックした上でのご依頼とのことでしたので僭越ながらお受けした次第です(ついにトラベルガイド的な記事ですし!)。
なお書くにあたり『未来のミライ』は遅まきながらの初鑑賞、『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』『竜とそばかすの姫』は再度鑑賞しました。初見時とだいぶ印象変わったなあ、なんて作品もあったため、こちらでちょっと補足していこうと思います。
『おおかみこどもの雨と雪(2012)』
いちばん見え方の変わった、自分の中での評価が上がった作品でした。“彼”と“花”の幸せな時間や、校舎の横移動で見せていく子どもたちの成長など、画だけで月日・年月を経過させていく描写が、こんなに素晴らしかったかと。アニメーションとしての作り方が巧いなあと心底思ったし、純粋に感動しました。
成長するにつれ自らのアイデンティティに思い悩んでいく子どもたちの描写もすごく普遍的で、それこそ鑑賞タイミング的には『マイスモールランド(2022)』などとも重ねて見ていたりして。これは自分自身の経験とか知見の広がりから真価が見えるようになったということなのかもです。
“雪”と“草ちゃん”の、カーテンのシーン好きだったなあ。ありのままの自分を受け入れてもらえる、ああいうシーンに年々弱くなっていきます。多分これからも観るごとに心の動かされる部分が変わっていきそう。
『バケモノの子(2015)』
『おおかみこども』から本格的に始まった細田監督の「ケモノ」路線がわたし苦手で、これもだいぶ記憶から消していたような……。人間世界のパートにいたっては全く覚えてなかったので、そこが新鮮でしたね。幼くして人間世界から離れてしまったらそらそうなるよねというやけに現実的な部分の描き方が、でも好きでした。勉強したくなる映画でした。
あと、あそこまでモロにリリー・フランキーな豚もそうそういないですよね。あれは見事なキャラクターデザインだと思います(笑)
『未来のミライ(2018)』
この作品のみ初見でしたが、なかなかしんどかった。まずもう開始早々、上白石萌歌さんの声が全く幼児に聞こえなくて、最後まで結局慣れないんですけども。これはそもそもディレクションが罪でしょと思ったし本業声優さんへの冒涜でもあるし、だいぶ嫌悪感ありました(萌歌さんに、ではありません。念の為)。
お話自体も、子どもが苦手(『カモン カモン』でお察し)なわたしとしては苦痛でしかなくて、親の対応含め、こんなひたすらストレスの溜まるもん見せられる映画ある??って思ってました。監督の実体験が多分に反映されてるんでしょうけど、反映させすぎでしょ。ツイッターかよ。
ただ、現実から跳躍していく部分に関してはさすがの面白さでしたね。細田監督の強みは絶対にこっち。子どもの電車好きを活かしたあれこれも秀逸で、個人的には“くんちゃん”が初めて口にする駅が「田端」なのが高得点。まあ、新幹線の車庫あるしね。『天気の子(2019)』といい、ご縁があります。
それから聖地として紹介もしている競馬場の廃墟「旧根岸競馬場一等馬見所跡」。現地には行けていないんですけども、生で見てみたいなと思いました。諸事情により「見れない側」があるらしいのもロマンです。
『竜とそばかすの姫(2021)』
こちらは公開時の感想と特に変わらず。〈U〉の世界は本当にさすがの素晴らしさだし、音楽も最高だし、でも現実パートがきっつい。なんだ、なんなんだこの、ことごとく合わない感じ。そう、ことごとく合わないってことなんでしょうね。not fo me。……いや違うんだ、細田作品の困っちゃうところは、心底「さすが!」と思える大好物な面もあることなのだ。それだけに悔しいんだ。そういうことなんだきっと。もにょもにょ。
まあとにかく、「めっちゃいい」とこと「めっちゃ好かん」とこをより両極端に再確認した感じです。以上、記事のほうには書かなかった(書けなかったわけではありません)アレな感想も含めつつの補足でございました。なんだかんだ『未来のミライ』が一番語り甲斐あるっていう。
ついでにもうひと記事
まっぷるトラベルガイドさんで初めて書かせていただいた「泣ける映画50選」という(いきなり地獄の50本ノックみたいな)記事があるのですが、そこから「深掘り」っていうか駄話を広げていく記事の第1弾「洋画編」も公開となっております。
前にも書いたようなエピソードから最近のエピソードまでいろいろ入っている、出張版「353log」的記事です。よろしければぜひ、お読みくださいませ。