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主に映画の感想文を書いています

唐突に「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」を観ている、からの脱線あれこれ

所謂ニチアサとは無縁だったわたしですが、いきなり『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』を観始めました。


「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」ポスター
「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」ポスター


ことの起こりはまたしてもアトロクことTBSラジオアフター6ジャンクション」。宇多丸さんが今年は久しぶりに戦隊ものを観ているとたまに話していたので、チルドレンとしては気になるっちゃ気になってはおりました。

また、もとよりニチアサ層の多かった我がTwitterタイムラインでも今回のはヤバいぞと。わけのわからなさが常軌を逸しているぞと毎週日曜の朝になるとざわざわしているのを指くわえて見ていたわけです。わけのわからないもの、好きなので。

そんなとき。今度は、アトロク火曜パートナーの宇垣美里さんが、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にどハマりしている話を投下*1(上総介のあたりですね)。あまりの熱弁っぷりに気圧された宇多丸さん、なんと翌週には一気見でほぼ追いついてくるという脅威の展開を見せ*2、以降は『鎌倉殿』トークが番組内のあちこちで起こるようになりました。

再び話はドンブラザーズに戻ります。水曜パートナーの日比麻音子さんは、森崎ウィンさんの大ファン。森崎ウィンさんはドンブラザーズのOP&EDソングを手掛けており、ライブに行った日比さんがドンブラ2曲で超アガった話などをしたところから宇多丸さんのドンブラ話も盛り上がったりするわけです*3

とまあそんな成り行きで、近頃のアトロクは口を開けば鎌倉殿かドンブラザーズかというテレビっ子状態に。鎌倉殿を観ているわたしとしては宇多丸さんが参入してきてくれたのが嬉しくて。となればお返しにドンブラを観るべきだろうと。この謎理論により、2日で10話まで一気に追いついたのでした。最新11話は初のリアタイ。CMひとつひとつが新鮮。

前置きクソ長くなり恐縮ですが、一気に追いつけたということはつまりそう、めっちゃ面白かった。ていうか別にわけわからんこともないし(わけわからんくもあるけど)、小気味の良いテンポ感がとにかく気持ちよくて、なんだこれたのしーーー!ってドンブラドンブラ流されているうちにあっという間の最新話到着という感じです。

ニチアサ有識者の方から伺った話によると「過去に例を見ないレベルで戦隊モノのお約束ごとが取り払われているので、フォーマットにとらわれていない人のほうが馴染みやすいのかもしれない」とのこと。宇多丸さんも「まだフォーマットに落とし込まれていない」みたいな言い方を何度もしていましたが、なるほど、そういう事情だったんですね。

ちなみにわたしが案外すんなり見れたのは上記の理由以前に、大林宣彦監督の映画で耐性がついていたから」だと思っています。大林作品って、ドンブラザーズみたいな感じなんですよ、わりと。突拍子が無さすぎて理解の追いつかないことだらけだし、合成は常にチープ。第10話の花火なんて完全に『この空の花 長岡花火物語(2012)』やん。

大林宣彦監督作品『この空の花 長岡花火物語(2012)』劇中カット
大林宣彦監督作品『この空の花 長岡花火物語(2012)』劇中カット

初期作品では『金田一耕助の冒険(1979)』『ねらわれた学園(1981)』あたりが特にニチアサ臭あると思うので気になった方はぜひご覧ください。多分どこでも見放題。お財布痛みません。

さらに、ドンブラザーズと大林宣彦監督の接点、わりかし明確なものがあるんです。それは音楽の山下康介さん。わたしにとって山下康介さんといえば大林映画の劇伴を数多く手掛けてこられた方で、Wikipediaによればその数16本。遺作『海辺の映画館-キネマの玉手箱(2020)』では出演もされています。

最初にドンブラを観たとき、OPクレジットの「音楽:山下康介」でどえ〜〜〜となったのですが、調べてみると山下さん、戦隊ものも数多く手掛けてらっしゃるのですね。というか主なキャリアが大林作品とニチアサから成っている。知らなかった。いずれにせよ、これは運命。

とはいえそういった運命だけで素直にドンブラできたわけでもありません。なんだかんだ一番の魅力は、志田こはくさん扮するオニシスター・鬼頭はるか北条義時ばりの巻き込まれキャラで体当たりの翻弄っぷりを激演する彼女、最高です。突き抜けたリアクションの数々が至高です。朝ドラ『カムカムエヴリバディ』の3代目ヒロイン・大月ひなた(新津ちせさんもしくは川栄李奈さん)と同じベクトルで好き。

朝ドラ同様、コアなニチアサ視聴者層のみが読み取れるのであろう「文脈」の見えなさにアウェイ感を覚える部分もありますが、そこはまあ巨大コンテンツ新規参入視聴者の避けられぬ第一歩。鬼頭はるか先生視点で巻き込まれていきたい所存です。という記録でした。

PrimeVideoで観れてしまう時代です。