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主に映画の感想文を書いています

尾道探訪記【1日目③ 大林映画の世界に迷い込む 〜オープンセット尾道の筆頭、あの歩道橋!〜】

ゆっくりじっくり尾道探訪記、3本目です。前回の記事はこちら。

憧れの尾道をひたすら歩き回り、大林宣彦監督作品の世界に迷い込んでゆきます。作品ごとに巡っているわけでも作品ごとにまとめているわけでもないのでごちゃ混ぜですが、エリア的には比較的近いあたりでまとめてあります。

今回登場するのは--

  • 光明寺下歩道橋: 『転校生』『ふたり』

まさかの1スポットのみ?!

『転校生』『ふたり』の歩道橋

散策早々に迷い込んでしまった山側から下ってきて、ひとまず線路沿いへと戻る。近場かつ早めにご対面しておきたいところというと「あの歩道橋」だ。『転校生(1982)』で入れ替わったばかりの一夫が勢いよく自転車で駆け上がっていく歩道橋、『ふたり(1991)』で北尾父娘が歩いていた歩道橋、である。

この歩道橋、一般的なものとはちょいと違う、いやかなり違う、非常に特徴的な姿をしており、“オープンセット尾道”の中でもひときわ唯一無二なロケーションではないかと思う。だいぶ盛ってしまったが、手っ取り早くお見せしよう。と言いつつやや地味な一枚をセレクト。

歩道橋を下から見る。階段がなく、長い長いスロープが続いている。

階段がなく、長い長いスロープのみが突如バグのように空を目指している。これが「あの歩道橋」である。正確には光明寺下歩道橋という。まあじつは反対側に回れば階段もついているのだけども、なんだか異様に荒々しいし、望遠の圧縮効果もあるとはいえスロープにかなりの勾配がついていることがお分かりいただけるはず。

鉄骨剥き出しの荒々しい歩道橋。

この無骨で美しいランドマーク、実物を見て想起したのはNYのブルックリン橋*1だった。決して大袈裟ではない。電車で尾道入りをしたとき、車窓にいきなりこの鉄骨とスロープが飛び込んできて「お前は!!あの歩道橋だな!!」と興奮したことが忘れられない。是非ともこの目で見たかった場所だ。

望遠圧縮と言ったが、大林映画的アングルでこの歩道橋を撮るためには、結構離れたところにある別の歩道橋から超望遠で狙わなくてはならない。わたしはほどほどの望遠しか持っていないため撮影が叶わず少し残念。近い圧縮具合の一枚を載せておく。

線路を跨いで反対側から翌日撮った写真。スロープの急勾配が際立つ。

だいぶ引きではあるが、『転校生』や『ふたり』ではこんな具合でスロープがそそり立っているのを見ることができる。歩きならともかく、一夫のように自転車爆漕ぎで登っていくのはスタミナがすごすぎる。しかも肉体は小林聡美である。恐るべし。

「あの歩道橋」特集はまだまだ終わらない。別アングルでスロープをどんどん愛でていこう。今度は一転、真横だ。

スロープを真横から。 10度くらいの角度で、延々と続く。

同じアングルを、寄りで。
これは単なるフェティッシュである。

見よ、この坂を。横から見ると「スロープっていうかただの板では」感が尋常ではなく、怖くなる。手すりも全体的に低い。自制心が試される歩道橋だ。試しに山陽本線を走らせてみよう。

歩道橋の真下を走る黄色い電車。真上の歩道橋部分に歩く人。腰の位置に手すり。

近い。低い。怖い。様々な観点から、この歩道橋はそう遠くなく尾道から姿を消しそうな気がしてならない。早めに訪れておくことをおすすめしたい。ちなみにこの、上の写真で人が歩いている部分、あの人の目線で立ち止まり振り返らせてみるとこんなことになっている。

物々しい骨組みと、歩道橋の先に寺へと続く石段。

あくまでここは「歩道橋の上」なのだが。なんかすげえなと思わざるを得ない、ザ・尾道な景色である。

今を逃したらもう次はないぜの勢いで引き続き歩道橋写真を投下していく。

スロープを地上から見上げる。 スロープを上から見下ろす。
人生と名付けよう。

この歩道橋からはじつに尾道らしい、正統派な風景を写真に収めることもできる。

民家と道路に挟まれた、緩いカーブを描く線路。
カルガモのようなこどもたちがよい。

味気のない車両がヘッドライトをつけてカーブの向こうから入ってくる。
狙ったときに限って、黄色い電車は通らない。

EF210型電気機関車
貨物列車はやたらめったら通る。

熱弁していたら疲れてしまったので今回はここまで。進みがあまりにも遅い。果てしない。お口直しに、おすすめの地味な階段と、果てしなさのメタファー的階段を載せておく。

なんとも形容しがたい。
おすすめの地味な階段。

信光寺へと続く長い長い階段が画面を埋め尽くす。
果てしなさのメタファー的階段。
旅のフォトブックを作るとしたら表紙にする。

次回、猫について行ったら大変な目にあった、みたいなエピソードなどを予定。