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【観てほしい】ドキュメンタリー映画「こころの通訳者たち」新宿K's cinemaほか公開中!

当ブログ内でも昨年末からたびたび触れてきた、シネマ・チュプキ・タバタ製作のドキュメンタリー映画『こころの通訳者たち What a Wonderful World』。チュプキでの先行公開を経て、先週10/22(土)からは新宿K's cinemaさんにて上映が始まりました。


映画「こころの通訳者たち What a Wonderful World」ポスター
映画「こころの通訳者たち What a Wonderful World」ポスター


ざっくりどんな映画かと申しますと、ざっくり説明するのが本当に難しい映画なのですが、まあ一応、あらのすじをそれっぽく書いておきましょう。

▼耳の聞こえない人に演劇を楽しんでもらうため、自身もパフォーマーとなって舞台上で手話通訳をおこなう「舞台手話通訳者」という職業がある。そしてその挑戦を追った短編ドキュメンタリーが、まず素材としてある。本番を終えた舞台手話通訳者たちが涙ながらに抱き合うシーンは感動的である。

このドキュメンタリーの感動を「目の見えない人」にも届けられないだろうか。相談が持ち込まれたのは、日本で唯一のユニバーサルシアター「シネマ・チュプキ・タバタ」。全ての映画に日本語字幕と音声ガイドを付けて上映し、字幕や音声ガイドが用意されていない作品の場合は全て自前で制作する、情熱と根性の映画館。

▼早速プロジェクトがスタート。見えない人、聞こえない人、手話通訳者、音声ガイド制作者たちが一堂に会し、「手話表現の音声言語化に挑む。しかしそれはある種、タブーを冒すような行為でもあった。会議室に暗雲がたちこめる——。

この映画に関しては昨年12月の最速お披露目会で初めて鑑賞し、その際にみっちり感想も書いておりますが、まずは額面通り「とある音声ガイド制作プロジェクトのドキュメンタリー」として興味深く観たようでした。

映画「こころの通訳者たち~what a wonderful world~(2021)」感想|手話を音声で表現し直す、挑戦的探求のドキュメンタリー


ただこれ、先月久しぶりに試写で観直したところ、まただいぶ印象が変わってきまして。ニッチな分野のドキュメンタリーと見せかけて、じつはかなり普遍的な「コミュニケーション」についての話なんだなと、すごく思ったのです。

そんなわけで、日頃「対話」と向き合ったり逃げたりしながら社会で生きていかねばならないザ・人間な私たちとしましては、必ずや何かしらグッとくるところのある映画となっておりますので、ぜひ、ぜひ観てほしいなあ!と、手短に言えばそういうことでございます。

新宿K's cinemaさんは上映回が朝10時固定なこともあってか、なかなか満員御礼にはならない現状なのですが、今後全国を回っていくうえでK'sさんの入りはだいぶポイントになってくると聞いておりますゆえ、お近くの方は何卒、足を運んでいただけましたら嬉しいです。11/4(金)までの上映です!

ちなみにわたくし353、チュプキには結果ずるずると関わらせていただいておりますけれども、本作『こころの通訳者たち』に関しましては全く関わりなく、単なるいち応援者でございます。チュプキでの先行公開はかなりご好評いただいており、それを間近に見ているので、この勢いを何とか他の劇場にも波及させていきたい…!!

関東以外も11月からは、名古屋、京都、大阪、兵庫、大分、福岡などなど既にあちこち上映日程が出てきております。そちらもあわせてチェックしてみてください。

あと、アトロクことTBSラジオアフター6ジャンクション」リスナーの皆さまにおかれましては、ゲームのアクセシビリティ最前線特集で番組をギャラクシー賞に導いた白井崇陽さん、先日の『骨噛み』音声ガイドプロジェクト完結編で宇多丸さんにブラインドジョークをかましていた石井健介さん、かつて日比さんが衝撃を受けたというバリアフリー演劇特集にもご出演の廣川麻子さん瀬戸口裕子さん、そしてチュプキ代表平塚さんなど、アトロクゆかりの方々が多数出演されていますので、やはり要チェックです! 最後にめっちゃ早口になりました。