シネマ・チュプキにて、映画『距ててて』を観ました。監督の加藤紗希さんと脚本の豊島晴香さんが主演もされています。
へだててて。今はすっかり読み慣れたこのタイトルと出会ったのは、『春原さんのうた（2021）』ほか杉田協士監督の特集上映でポレポレ東中野へ通っていた頃。いつも予告編で流れてて、気になりつつも観れてなくて。ああよかった、やっぱりチュプキに来るわ、ってことでようやく観たのでした。
ただ、予告編の時点ではそんなに好みじゃないタイプの映画かなあと思ってて、特別期待するでもなく椅子に座り消灯を迎えたのですが、いんや面白かった超好き。あのとき観ておけばよかった！！！ と少し後悔です。
主に関西方面でこれからまだ劇場公開あるようなので、全体的にふんわりした感想を書きますね。意外と「ネタバレ」要素のある映画といいますか、何も知らないで観るとすごいびっくりするんですよね。なのでぜひ、京都神戸大阪あたりの方は何も知らないまま映画館へ行かれてみてください。
全体的なテイストとしてはちょっとインディペンデントな香りも漂うシュール系の映画。78分という短い尺をさらに4編に割った食べやすいアソート感がまず魅力です。
4つのショートショートはそれぞれ繋がっているようでいてそこまで積極的に繋がろうとしてくるわけでもなくて、不可解だったりゾッとしたりはするのだけど明確などこかに着地してくれるわけでもありません。引き際のいい絶妙な尺感と着地しなさがすごく、粋！
そしてなにより、「何あれ？！」っていうラストが好き。よくぞあんなことを。大勝利ですわ。これ以上言葉を付け足すとネタバレになるから言いませんが、バイト間に合うといいね。
そのほか、はた迷惑な謎かけカップルもたまらなく好きだし（拾われない「富士山！」が特に）、狐につままれたような満腹怪談も好き。で、そこからのラストの不可解さが、ちょーーいい。観終わってからポスターを見ると、じつはいろいろ楽しい。
そんな感じで、チュプキでは明日までなので、とりあえずなんのこっちゃを上げておく雑感の極みでした。もっと早く観ておすすめしたかった。
（2022年147本目／劇場鑑賞）
