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映画「カモン カモン(2021)」感想|これに心動かされない自分、なんか落ち込むかもとか思いつつ。

渋谷のWHITE CINE QUINTOにて映画『カモン カモン』を観ました。


映画「カモン カモン」ポスター
映画「カモン カモン」ポスター


ひょんなことから幼い甥っ子の面倒をみることになってしまったおじさんホアキン・フェニックスのお話。すごく評価の高い作品ですし間違いないやつでしょうと安心しきって観たのですけども、おや、あまりフィットしなかった様子です。

まあコンディションとかライフステージとか諸々で手のひら返しになるタイプの映画だろうとも思いますし、わざわざ好きじゃなかった理由を考える&語るのって誰も得しない気はしつつ、一応考えてみることにしましょう。

その1、好きじゃない白黒。直近に観た『ベルファスト(2021)』がかなり好みの、カラーよりも美しい白黒映画だったので比べちゃったところは確実にありました。そんなところに『オズの魔法使い』の読み聞かせが始まったもんだから、いつどこでカラーになるのかと期待してたのだけどならなかった。

その2、好きじゃない子供。身も蓋もない。でも、ただ子供が苦手というよりは彼の大人を振り回す行為がとりわけわたしの許せないゾーンに入っていたというか。つまり例えば、急にいなくなる=連絡が取れなくなる、行動を妨害する=予定が乱れる=遅刻するかも、みたいな。本当に嫌なの、無理なの、ごめんね。って感じ。

その3、ヒーリングが過ぎる。スーパー銭湯みたいな音楽それ、どうやっても眠くなりますわい。隣のカップルの彼女、爆睡してたし。『アド・アストラ(2019)』級の癒し効果でしたよ。寝かし付けを教えてくれるシーン、そのまま一緒に寝れたらどれだけ至福だったか。じつは昨日の夜ちょっと試した。心地よい映画なのは認めます。

そんななか、テンションが上がったのはやっぱりニューヨーク。マンハッタン橋のたもとあたりにある高層ビル(One Manhattan Squareというらしい)、2018年冬にはまだ工事中だったけど完成したんだなあとか。

わたしもやむを得ない事情でニューヨークへ連れてこられたい。街の音を録るのは、そういえば昔「ラジカセ大作戦」っていう本で見て憧れたことがあります。

(2022年89本目/劇場鑑賞)

今ふと思った。新しくなってから初めて行った渋谷パルコがあまりにおしゃれ空間すぎて少しばかり苛ついていたのも敗因かもしれない。ホワイトじゃないシネクイントのほうだったらよかったかも。おしゃれなとこでA24のおしゃれな映画観るの、なんかアレルギー出てしまったんだ、多分。