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主に映画の感想文を書いています

映画「ビバリウム(2019)」感想|ティファニーブルーの胸糞メタファー人生白書

映画「ビバリウム」ポスターエバー……ではなくビバリウムを観てきました。

TOHOシネマズデイの日曜日ということもあってかやけに客入りが良かったですけど大丈夫か、間違えてないか。まあエバーのほうも似たようなもんか。

さてこちら、大島依提亜さんのお仕事から知るという最近よくあるパターンです。「日本版ポスターはダサい」と言われていたのもそろそろ過去の話になってきたかも。大島さんの貢献度高しです。

事前にfilmarksのレビューなどチラ見していたらあまり評判が良くなくて、うーん面白そうなのにハズレなのかなあと期待値を下げていたのですが、個人的には好きなやつでした。今年の「ミッドサマー枠」としておきましょうか。つまるところアリ・アスター的悪夢感。

ざっくりのストーリーは、お部屋探し中のカップルが内見で連れてこられた奇妙な住宅地から抜け出せなくなるというもの。アートワークのイメージそのままに、ティファニーブルーの洒落たおうちがとっても可愛い映画。でも内容は超・胸糞。マタニティホラーとも取れるので、人によっては本気で不快orこんなん見せられてどうしろっちゅうねん!な映画かもしれません。

以下、一応ネタバレとして区切っておきますね。アリ・アスター作品へのリンクをどうぞ。

ミッドサマー(字幕版)

ミッドサマー(字幕版)

  • フローレンス・ピュー
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ネタバレ雑感

公式サイトのネタバレ解説ページによれば思いのほかスケールの大きな話だったらしいのですけど、わたしが感じたのはもっと小さいスケールの、縮尺±1くらいのメタファーで。ずばり「人生」、特に「母親の人生」ってなんぞや(の超ダークサイド)を描いた映画に見えました。

幸せな家庭を築きたい一心で結婚したのに、子供が生まれたら育児という責務でなぜか自分だけ完全に束縛されて、旦那は仕事に夢中ですっかり距離ができちゃったうえに先立たれるし、ようやく子供が手を離れた頃にふと振り返ってみると私の人生なんだったんだ──。

メタファーというよりはほぼ原寸大ですが、妙に違和感のある子供の年齢感だったり仕事が穴掘りだったりとほんの少しだけずらしていることで独特の寓話的メタファーみがあるっていうか。代理母ゆえの台詞「私はあなたのママじゃない!」も、「私には私の人生があったのよ!」な叫びとして聞こえたんですよね。

まあ、説明がつかなくなるようなところもあるので解釈の一例としてお納めください。なんにせよそんなに「わけわからん系」ではないと思います。映画館でドン引きしたい方はぜひ。

(2021年50本目/劇場鑑賞)

循環構造でスパッといく終わり方も好きでした。