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2022年3月に観た映画を振り返る〈感想記事の一覧〉

2022年3月に観た映画を振り返る〈感想記事の一覧〉

2022年3月に観た映画やドラマを振り返ります。公開から3ヶ月くらいまでのタイミングで鑑賞したものを新作、それ以外を旧作としています。リンク先は感想記事、並びは鑑賞順です。先月分の振り返りはこちら。



24本。うち19本を映画館で観ています。ぎょ、そんなに行ったのか。ただ今回はBunkamuraル・シネマ濱口竜介監督特集上映で丸2日こもる(一気に7本鑑賞)、みたいなこともやっているのでイコール足を運んだ回数ではないんですけども。しかしこの調子だと今年は劇場鑑賞150本くらい届くのかしらん。


さて、今月の衝撃度ではまず『さがす』でしょうね! 問題作『岬の兄妹(2018)』の片山慎三監督による商業デビュー作、引き続きあの「尋常でなさ」は保ちつつエンタメとしてのバランス取りも見事で、いやはや、めちゃくちゃ面白い映画でした。

ジャンルに節操がないのも今月の特徴で、四半世紀ぶりに観た「ドラ映画」が思いのほか大人向けのしっかりした作品だったので唸りました。『宇宙小戦争2021』『新・鉄人兵団』どちらも素晴らしかった。のぶ代ドラ世代の方にこそおすすめしたいです。

全くの予想外に心の大ヒットだったのは大島新監督の連作ドキュメンタリー『なぜ君は総理大臣になれないのか』『香川1区』 未見だと絶対想像つかないと思うんですけど、これ「とにかく泣ける」んですよ。今月観たどの映画よりも嗚咽泣きしました。『香川1区』は新作として全国公開中なので、どうか騙されたと思って各種配信プラットフォーム等にて1作目『なぜ君〜』をまずご覧いただきたいですね。必ずや、続きが観たくなるはず!

まだまだあります。前述の通り濱口竜介監督の過去作をル・シネマにて一気に鑑賞。なかでも「317分」という尻込み必至な、しかし傑作と名高い『ハッピーアワー』を観れたのは大収穫でした。評判に違わず「これが317分しか観れないなんて」と最後には寂しくなりました。 世界のハマグチ極まる今、全国的に映画館で観れる機会も増えるんじゃないかと思いますので、ずっと尻込みしてたって方はそろそろぜひ。

んで、最後。何事もなければ今月のベストオブ新作は『さがす』だったんですけど、最後に極小の番狂わせが来てしまって。それが、杉田協士監督作品『春原さんのうた』です。 なんの説明もなくただ流れていく時間を見つめるだけの、ほんっとうに地味な映画ではあるのですが、ただ何か確実に残る「ものすごく好き」が忘れられなくて。タイトルを見るだけでときめいてしまうし、別記事で書きますけど早速ロケ地巡りをしたりとか、特集上映で監督の過去作を観たりとか、どっぷり浸っています。今月いちばんのおすすめ作品です。


というわけで以上、盛りだくさんの3月でした。最後に告知というか、日本点字図書館の提供する「シネマ・デイジー」にて、僭越ながらわたしが音声ガイドの原稿制作を担当したアルフレッド・ヒッチコック『裏窓』が公開されています。視覚障碍者向けサービスになりますが、よきところへ広めていただけたら嬉しいです。 作っていたのは年末年始ごろ。『裏窓』のことなら知らないことはない、くらいの勢いでひたすら『裏窓』と向き合う日々は大変ありがたい経験でした。