『ウィキッド ふたりの魔女』を観ました。この映画、アトロクの年末シネマランキングぐらいの時期から(試写で観た人から)とにかく評判が良くて、普段わりと辛口な人にも「完璧だった」と言わせるくらいで、正直そんなに上げちゃって大丈夫かいなと思ってました。大丈夫でした。これは、最高と言わざるを得ないわ。
とりあえず「観てね!」な気持ちを書くのみプラスアルファにとどめたいと思いますが、まずね、開始数分で背筋がのびる、もしくは平伏、および感服・完敗です。わたしは開始3分ないし5分で涙しました。その5分後くらいにもまた涙しました。アリアナ・グランデ演じるグリンダの(全てを物語るような)眼差しを見たが最後です。アバンタイトルで2回は確実に涙腺ぶわっときています。開始10分で完全にペイできると言ってもいいです。
個人的にはオープニングナンバー「No One Mourns the Wicked」のごく一部(3:00頃から)が極端に好きで、開始早々まだなんも知らんけど何かを察せるような音楽とその世界の光景だけで涙させられているとも言えます。まあミュージカルってそういうものでしょう。歌の力のエモーションが圧倒的に強いのです。直で心臓掴まれるのです。ワンコインでアバンだけ上映してくれたら毎日通う。
ちなみに『ウィキッド』わたしは今回初めて触れる物語で、唯一、その代表的なナンバーである「Defying Gravity」だけは以前「ニューイヤー・ミュージカル・コンサート」へ行った際に履修してた、という感じです。あれもう、2019年なんですねえ。NY行って本物のブロードウェイミュージカルを観た、その数ヶ月後ってことですね。
この記事を読み直して、結局『コーラスライン』も何も観に行けてないなと反省。「What I did for Love」の好きさとか、今回のオープニングナンバーの好きさと似てるんだよな。コーラス厚めのエモいフレーズに弱いんだよな。あと、ミュージカル特有のドラムのミックスの感じとか。わたしミュージカル観てると耳がすぐドラムにとられて、オケピでドラム叩きたいなってなるんですよね。
脱線しましたけども。まあほんと良かったですね。ちょっと桁違いだった。予告で見たらただのありふれたファンタジーに見えたけど、実際に観たらもう没入するしかなくて。映画ってすごいなと思ったし、まだこんなすごい映画が生まれてくるんだと思ったし、ど直球のエンタメ映画で心動かされまくるの幸せすぎるし、同時に「自分まだ心残ってたんすね…」ってなるし、「もうしばらく映画とかいいわ……」とも思いました。この「もうしばらく映画とかいい」は、わたしの中でかなり最高点の感想です。
尺だけ見たら160分と長いですが、始まってしまえば「え、終わってほしくないんだけど」だし、気づけば「Defying Gravity」の超音速に顔引きつったままTo Be Continuedでフハッてなって手汗じっとりなハンカチ握りしめ心拍数高めにエンドロールを見つめる感じになるんで、クールダウンに喫茶店でも寄って帰ってください。ていうかあのTo Be Continuedはすげえよ。映画史に残る「前編」だ。感想終わり!