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韓国映画「エクストリーム・ジョブ(2019)」雑感|麻薬捜査班がチキン屋を経営したら繁盛しちゃった話

観よう観ようと思いつつ、だった韓国映画『エクストリーム・ジョブ』をようやく観ました。韓国ではなんと同年公開の『パラサイト』超えをしているというマグナムヒット作。スクリーン独占が問題になったりもしたそうで、今の日本でいう『鬼滅の刃』くらいヒットしたという認識でいいのでしょう。

この映画はあらすじが面白いやつで、ずばりこうです。「張り込み捜査のカモフラージュにチキン屋を買い取って経営してたら繁盛しちゃって捜査どころじゃなくなった麻薬捜査班の話」。なにそれ観たい。

ただ、いきなりこんなことを言うのもなんですがいざ観てみると個人的にはあまりツボではなくてですね。理由のひとつはジャンル的に「アクション・コメディ」へと着地する作品だからかなと。ほんと身も蓋もないんですけどわたしつくづくアクションに興味がない、っていう。その再確認をした感じでした。

それともうひとつは、つい先日『シークレット・ミッション(2013)』で抱いた感想と同じであり、かつとっても「フェアではない」感想になってしまうのですが、似たような要素を持つテレビシリーズのドラマ作品と比べて描き込みの物足りなさを感じちゃう、という理由。

『シークレット〜』の場合は南北分断系の物語つながりで『愛の不時着』とつい比べてしまい、物足りなさを感じておりました。今回はどれかといえば、まあ現状わたし韓国ドラマ2本しか観たことないので消去法です、『梨泰院クラス』です。

ネタバレにならない程度に説明すると『梨泰院クラス』は、主人公が「復讐」を最終目的として飲食業界のトップを目指すお話。本作は「捜査」を目的としてチキン屋を経営するお話ですから、超ざっくり言えば似たような要素を持っているわけですよ。店で働く仲間たちがそれぞれに持つ過去であるとかね、そういうのも当然通じてくるわけです。本作でもボンクラに見えた捜査班のメンバーがじつは……な展開が出てまいりますが、非常によくできたテレビシリーズを先に観てしまっている身としてはどうしても2時間足らずではカタルシスに至らないなあと。

なお『エクストリーム・ジョブ』の名誉のために書いておきますが『梨泰院クラス』のほうが一年くらい後の作品です。いわば後出しジャンケン、そりゃ勝つわよ。最初の理由に話を戻すと、アクションがお好きな方であれば前半コメディ後半アクションと二粒おいしくいただけて大満足なのだと思います。

おいしくいただけるといえば本作とにかくチキンがね、おいしそうです。満腹の状態か、もしくは何かしらジャンキーなフードをお手元に用意の上ご覧くださいと警告しておきます。ちなみにわたしチキン屋と聞いてなんとなくフードワゴンみたいな簡易的なのを想像してたんですけどめっちゃ普通に店構えててびっくりしました。そういえば『愛の不時着』でも同じようなチキン屋が毎回のように出てきていましたね。

(2020年184本目/U-NEXT)

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洗剤かワイルドスピードか、なアートワーク。