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モノクロ版「パラサイト 半地下の家族(2019)」雑感|劇場公開時ぶりに観てみたパラサイトの感想あれこれ

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モノクロ版の『パラサイト 半地下の家族』WOWOWで放送されていたので観ました。オリジナルのカラー版を劇場で観たのは今年の年始。もっと前にも感じるんですが、まだ今年なんですね。まだ当時はポン・ジュノ作品どころか韓国映画自体も数えるほどしか観たことがなかったなんて不思議な感じです。

そんなわけで、久しぶりにこの作品を観たらこんな感想が出てきたよ、みたいなことをちょいとばかし書いてゆきます。作品自体の感想については当時の記事をお読みくださいませ。


「モノクロ版」やいかに

白黒の古典映画に対する憧れ的な感じで製作されたというモノクロ版。あくまで個人の感想としてはまあ「白黒ですね」程度でした。先にカラー版を観てしまっているので、むしろ色が欲しいな〜と思ってしまうことが多かったですね。スクリーンで観たらまた違うんでしょうけども。

しいて言うなら、汚さがマイルドになる利点はあったかもしれません。特に後半で発生する「ぎょえー」なレベルの汚水描写とか、あれ結構苦手(シーンとしては好き)だったんですけど、白黒だとだいぶ緩和されてアーティスティックにすら見えました。逆?にチャパグリとかは不味そうでしたね(笑)

気付き(キャスト編)

始まって早々に「あ!」となったのは、お兄ちゃんの友達。石をくれた彼。パク・セロイやん! ええと、正しくはパク・ソジュンさん。ドラマ『梨泰院クラス』の主人公ですね。こんなところで会っていたのか〜〜。ちなみにパク・ソジュンさんとは、わたしの初・韓国映画ビューティー・インサイド(2015)』でも既に出会っていたりして。運命感じちゃいます。

それからキム家の母、つまり家政婦を乗っ取るあの肝っ玉カーチャンですが、あの方も「あ!!」でした。ダン母やん! こちらはチャン・ヘジンさん。ドラマ『愛の不時着』で第二のヒロインたるダンという人物のやはり肝っ玉な母親役を演じておられました。主人公たちの両親よりも強烈なキャラ付けがなされていたので、『不時着』ファンならきっとみんな大好きなオンマでしょう。

お兄ちゃん役のチェ・ウシクさんは他作品でも意識して観ていたので新鮮な驚きは特になく。どちらかというとソン・ガンホ大先輩に対する「やっぱどう見てもオッサンだよな…」というキツネつままれ感のほうが強かったですかね。パク・チャヌク作品だと二枚目だからなあ、不思議だなあ……。

追記(2021年1月):この時は全く気付かず、あとから知ってたまげたこと。ダン母どころかダン叔父のパク・ミョンフンさんも出ていた…!! 一体どこか。なんと、リスペクトおじさんです。え、知った上で観ても分からないレベル……。役者ってすごい……。

気付き(文化背景など編)

これは意外とそんなにはなかったんですけど、お父さんが失敗した事業の「チキン」ってのは、ああ『エクストリーム・ジョブ(2019)』のああいうチキンか、とかですね、あとはこれ非常にお恥ずかしい話になりますが、やはりお父さんが運転手モードのときに言う「38度線以南ならお任せを」みたいなセリフ、多分初見時には記憶に残らなかったと思うのでピンとこなかったんでしょうね。

他にもちょいちょいあったような気はしますがもう忘れちゃいました。ポン・ジュノ監督は自分の映画をメタファー的な視点から解釈されることをあまり好かないらしく、実際そういうわかりやすい埋め込みも積極的にはしていないんじゃないかと思います。単純にエンタテインメントとして楽しんでください、という感じを他の監督の作品よりも強く受けました。

ラストはやっぱり好みじゃない

終盤の展開が初見時あんまり好みじゃなかったのですが、改めて観てもやっぱり、お誕生日パーティー以降の展開は好きじゃないな〜と思いました。ポン・ジュノ作品は全部観ているし全部おもしろい&すごいけれど、好みという点ではストライクじゃないんだなと再認識。ちょうど是枝監督くらいのポジションかも。

とかなんとか言いつつ、ポン・ジュノ監督が次にどんな映画を作るのかはすごく楽しみにしてます。お金もあるだろうし! 誰が出るのかな! その頃にはもっと詳しくなっていたい!

(2020年191本目/WOWOW

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モノクロ版はこちらに収録(チラ見したAmazonのレビューが地獄絵図)。