ロバート・ゼメキス監督作品「マーウェン(2018)」雑感
PrimeVideoの会員特典に、公開当時気になりつつ観れなかった『マーウェン』が入っていたので鑑賞しました。監督は『バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985〜)』シリーズや『フォレスト・ガンプ/一期一会(1994)』のロバート・ゼメキス。高まる期待! なのですが……。
概要
集団暴行を受けて生死の境をさまよい、記憶も何もかも失った男マーク・ホーガンキャンプ。彼はリハビリのため自宅にミニチュアの町「マーウェン」を造ってドールの撮影に励み、ニューヨークで写真展を開くほどになった。実話に基づく物語。
雑感
題材としては非常に興味を惹かれるもので、面白そう!と誰もが思うような掴みがあるのですが、その期待に対してあまり「思ったほど面白くならない」映画だったかなあと感じました。
ミニチュアの町でオモチャの人形たちが動き回るという設定自体は、ミニチュア好きとしては堪らない。ただ、そこから先の新たな驚きが全くなくて、ピークが最初に来てしまっているように思います。徐々に明かされていくマーク本人の話、新たなご近所さんとの恋物語などのドラマ面も中途半端に進んでいくのみで消化不良。感情移入しづらいからカタルシスもない。なかなか苦しいところです。
終盤ではロバート・ゼメキス本人による『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の大盤振る舞いなセルフオマージュ(パロディ?)で思わず興奮させられてしまうも、そこだけが記憶に残るのもどうなのかなあと。嫌なあざとさが出てしまっているなあと。
本作のベースとなったという2010年のドキュメンタリー『マーウェンコル』そのものを観たほうが面白いんじゃないかなと、予告編を観ただけでも思いました。どこかで本編が観れたらぜひ観たいです。
(2020年88本目/PrimeVideo)