353log

主に映画の感想文を書いています

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

映画「ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記(2020)」感想|少女の純粋な目線で知る、沖縄の「悲しみ」。

ドキュメンタリー映画『ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記』を観ました。 北国・能登半島から沖縄へ15歳にして単身移住してきた好奇心旺盛な少女、坂本菜の花さん(さかもと・なのはな/本名)。老若男女入り混じるフリースクールでの勉強や交流、学生記者として…

映画「沖縄 うりずんの雨(2015)」感想|何も知らなかった沖縄のこと、知らないといけない沖縄のこと。

ドキュメンタリー映画『沖縄 うりずんの雨 改訂版(改訂版の公開は2019年)』を観ました。 6月23日「沖縄慰霊の日」に合わせたシネマ・チュプキ・タバタの特別プログラムで本日6/29まで上映されていた本作。昨日、滑り込みで観てまいりました。ただあまりに…

映画「Arc アーク(2021)」感想|不老不死が当たり前になった世界を描く、期待値超えの国産SF

芳根京子さん主演で石川慶監督作品、おまけにまさかのSF。そんなの期待しないわけにいかないじゃないですかってことでかなり楽しみにしておりました。序盤では「あれ、これ、もしかして、ハズレかも」と思ったのだけど、…否、否、すごかった、これはすごい映…

映画「ラプソディ オブ colors(2020)」感想|極度のカオスに不思議と癒される実録人間狂詩曲

ドキュメンタリー映画『ラプソディ オブ colors』を観ました。蒲田のコミュニティスペースcolorsに所狭しと集う、そのあまりにも「なんでもあり」な人々の生き様を描きます。いろんな場所がある、いろんな人がいる、いろんな人生がある。生きることに対して…

映画「へんしんっ!(2020)」感想|身構えるものじゃなくて単純に面白いドキュメンタリー!

「しょうがい者の表現活動の可能性」をテーマとしたドキュメンタリー映画『へんしんっ!』を観てきました。 自身も電動車椅子を使って生活する石田智哉監督が大学の卒業課題として制作した作品で、自主映画のコンペティションである「第42回ぴあフィルムフェ…

映画「ザ・ファブル 殺さない殺し屋(2021)」前作も含めた感想(今作ぶんは非常に辛口です)

今や和製トム・クルーズとの呼び声も高い岡田准一さんの主演映画『ザ・ファブル(2019)』および現在公開中の続編『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』を観ました。 先に書いておくと、「前作よかった!」「今作は合わなかった」という内容になります。と、いう…

映画「ファーザー(2020)」感想|認知症を擬似体験する映画

公開中の映画『ファーザー』を観てきました。主演のアンソニー・ホプキンスは本作で第93回アカデミー賞の主演男優賞を獲っています。 こちら、そんなに多くを語るような映画ではないのですが、ざっくり言えば「認知症」を扱った作品です。認知症の兆候が出て…

「トキワ荘の青春('96)」「電車を止めるな!('20)〈音声ガイド付〉」書きそびれ感想

ずるずると書きそびれてしまった感想を2本ぶん。どちらも田端のユニバーサルシアター「シネマ・チュプキ・タバタ」にて直近で取り上げていた作品ですが、上映期間中に書けなくてすみません! 「トキワ荘の青春(1996)」デジタルリマスター版 トキワ荘の青春…

映画「クワイエット・プレイス 破られた沈黙(2020)」感想|前作を復習しておいたほうがいい

『クワイエット・プレイス パート2』もとい『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』を劇場鑑賞してきました。絶対『パート2』のほうがかっこいいと思うんですけどね。『バック・トゥ・ザ・フューチャー 悪夢の摩天楼』とか嫌じゃん。 さておき、2018年に公…

ドキュメンタリー映画「陶王子 2万年の旅(2021)」感想|陶磁器の歴史は人類の歴史、だった!

とうおうじ? 一体なんの映画? 星の王子さま? ポスターのビジュアルを一見するとそんな感じなのですが、じつはこれ、こう見えてドキュメンタリーなのです。それも「陶磁器」の。……そう言われても美術史とかあんまり興味ないし、陶磁器の歴史なんてもっと門…

映画「明日の食卓(2021)」感想|感想を書くのが難しい

現在公開中の映画『明日の食卓』を観てきました。椰月美智子さんによる同名小説を、菅野美穂さん、尾野真知子さん、高畑充希さんのトリプルヒロインで映画化した作品です。 石橋ユウ、10歳。 同じ名前の息子を持つ3人の母親たち。 だがある日、ひとりの「ユ…

映画「Mr.ノーバディ(2021)」感想|いささか!やりすぎだが!愉快だった!

現在公開中の映画『Mr.ノーバディ』を観てきました。 元々はスルーする気満々だった作品なのですが、『ジョン・ウィック』シリーズや『デッドプール』などが好きな人におすすめ!と紹介されているのを見て「おや、好きかも」と予定変更。結論、超・最・高で…

映画「意外と死なない(1999)」感想|大九​明子監督の初監督作にして、大九​作品の原液!

『勝手にふるえてろ』『私をくいとめて』などの大九​明子監督が映画学校在籍時に課題で制作した初監督作品『意外と死なない』を観ました。現在この作品は、クラウドファンディング「ミニシアター・エイド基金」のリターンとして特設配信サイト「Thanks Theat…

大林宣彦監督について書いた記事一覧

大林宣彦監督についてこれまで書いてきた感想記事などを一覧にしました。長編映画ではないものも含めると50本以上観ているようで、我ながらよくぞという感じです。 自主映画作家時代の作品 だんだんこ(1957) 絵の中の少女(1958) 木曜日(1960) 中山道(…

大林宣彦監督作品「漂流教室(1987)」感想|どうしようもないけど愛せなくもない珍品

大林宣彦監督の『漂流教室』を観ました。楳図かずおさんの同名漫画作品を原作としている本作、ソフト化はされていないそうで今回が初見だったのですが、ファンなりたての頃(注:ほんの1年ちょい前)から「珍品」としてお噂はかねがね、という感じでした。 …

劇場アニメ「映画大好きポンポさん(2021)」感想|編集マンの苦悩と悦びをコンパクトな尺で追体験

6/4から公開されている劇場アニメ作品『映画大好きポンポさん』を観てきました。ざっくりの内容は映画業界内幕もの。ハリウッドならぬ「ニャリウッド」を舞台に、しがない製作アシスタントだった青年が監督に大抜擢されてヒイコラするお話です。

ドキュメンタリー「<片隅>たちと生きる 監督・片渕須直の仕事(2019)」を観た

『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の制作・公開に密着したドキュメンタリー映画『<片隅>たちと生きる 監督・片渕須直の仕事』を観ました。 一応補足しておくと『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』とは、2016年に大ヒットを記録したアニメー…

2度目の「ミセス・ノイズィ」ほか、シネマチュプキ鑑賞メモ('21/06/06)

雑記的あれこれ。今日は午前中に「ハングル能力検定試験」通称「ハン検」の5級を受けてきました。自己採点では合格ラインだと思うのだけど……はっきりしてからネタにします(しかしはっきりするのは一ヶ月後なのである)。 試験会場は専修大学の神田キャンパ…

2021年5月に観た映画を振り返る〈感想記事の一覧〉

5月に観た映画やドラマ、その他映像作品を振り返ります。公開のタイミングで劇場鑑賞したものを新作、それ以外を旧作としています。リンク先は感想記事、並びは鑑賞順です。先月分はこちら。 新作 地獄の花園 旧作(なのか?ってのも多数) めぐみへの誓い(…