映画「Mr.ノーバディ(2021)」感想|いささか!やりすぎだが!愉快だった!
現在公開中の映画『Mr.ノーバディ』を観てきました。
元々はスルーする気満々だった作品なのですが、『ジョン・ウィック』シリーズや『デッドプール』などが好きな人におすすめ!と紹介されているのを見て「おや、好きかも」と予定変更。結論、超・最・高でした。これをスルーしようとしていたなんて恐ろしい!
ちなみに製作はかのデヴィッド・リーチ。『ジョン・ウィック』シリーズをはじめとし、『アトミック・ブロンド(2017)』『デッドプール2(2018)』『ワイルド・スピード/スーパーコンボ(2019)』など名だたる「超・最・高」たちを生み出してきたお方です(なのにスルーしようとしていたのは、単に認識していなかっただけ)。
さてこの映画、とにかく冒頭からドドンパ級のスタートダッシュでキレッキレ。しかし主人公はどうにも冴えない中年男。ゴミを毎週出しそびれ、メトロカードでバス通勤する日々。こいつは一体、何者なんだ……?? 「俺か? 俺は『NOBODY=何者でもない』」。いやそれは知ってんだけどさ。
どうやら明らかに「かつて何者かであった男」が羊の皮をかぶっている状態であろうことがもどかしく垣間見える前半。そのフラストレーションを経て後半、冴えない中年男がどんどん冴えていくカタルシス。どうしたのお父さん、どうしたのあなた。ラッザーニア!
中盤以降見どころとなるアクションはさすがデヴィッド・リーチ氏の息がかかったところで、『ジョン・ウィック』シリーズに代表されるバリエーション豊かな演出が飽きさせません。一番えげつないのは、全然アクションじゃないけどストローかなあ(笑)
そしてさらに、最大?の見どころは終盤まで隠されているのです。これは予告にも出てこないのでサプライズ要素なのかもですが。でもこれを知らずに観逃すのは損失である。ということでポスター挟んでちょっとネタバレしますね。
はい、ずばり、クリストファー・ロイドです。もちろんクレジット的には出てるんですけど、まさかそんな!シークレットウェポンな!爆アゲ!する?! 拍手!拍手喝采!
よくよく考えたらわたし、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ以外でクリストファー・ロイド見たの、少なくともスクリーンでは初だ……。リアル「ドク」な年齢になった御大の姿をリアルタイムで拝めるという感慨……。1885年の西部でマーティを待っていたドクの如き「覚醒」シーンのなんと胸アツなことよ……。
そう、これこそが最大の「これをスルーしようとしていたなんて恐ろしい」でした。何か特別ネタが出てくるとかではないのですが、しかし『BTTF』ファンの方はこれぜひスクリーンで観ていただきたいです。
覚醒したドク(じゃない)は最後に言います。「いささかやりすぎだが愉快だった」。まさに総括。最高に愉快で幸せなアクション映画、こういうの久々に観たな〜! ていうかこの満足度でたった92分?! ポンポさんも真っ青やぞ。超おすすめです!
(2021年87本目/劇場鑑賞)
いささかインターナショナル版の予告はおいしいところを見せすぎているので、先に観ないほうがいいと思います。