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「泣ける恋愛映画のおすすめ30選」感想まとめ出し①|「余命10年」「君の膵臓を食べたい」ほか10本

採用作品のジャケット画像を8つコラージュしたもの

先日もお知らせだけしましたが、まっぷるトラベルガイドさんで書かせていただいている映画紹介記事、今月は「泣ける恋愛映画のおすすめ30選」というハードモードなお題で書いたものが掲載されました。

まあ、言わばネット上に溢れているような記事です。しかし、いざ新規参入で書く身になってみるとたいへん、大変でございました……。これまでで一番苦労したかも……。

なお今回セレクトするにあたって新たにフルで鑑賞した作品は25本。うち、観たけれど採用しなかったのは4本。そこに、過去に別テーマで紹介した作品などを加えて構成しました。というわけで、こちらでは各作品の感想などを書いていくことにします。

全部書いてから、なんて悠長に構えてたら案の定ずるずる遅れていったので、半分ほどを先に放出。作品紹介は(採用作品に関しては)まっぷるさんの記事をご覧くださいね。


泣ける恋愛映画のおすすめ30選! 余命ものから等身大のラブストーリーまで|まっぷるトラベルガイド

余命10年(2022)

最初に観たのはこれ。評判通り、とても上質な作品でした。どんどん端正になっていく坂口健太郎さん、小松菜奈さんの「眼」。主演お二人が素晴らしかった。映画的にも結構尖った作りで、特に「画面が狭まっていく」演出は鳥肌もの。これ映画館のスクリーンで体験したかったなあ。「夢」のシーンが超広角で撮られていたりするのもおもしろい。あと、一瞬だけ田端駅の南口(『天気の子』でおなじみ)が登場! 人気スポットになってきたか。

フォルトゥナの瞳(2018)

死ぬ間際の人間が「透けて」見えてしまう能力を持った神木くんのお話。有村架純さんの、観客を恋に落とす感じはなんなのだろう。『花束みたいな恋をした』といい、尋常じゃない。ちょっと素朴なところがいいのだろうな。などと楽しみはしたものの、終盤の構成が雑に感じたので採用はせず。視覚効果も全体的にチープで気になると言えば気になる。ちなみに監督は大林作品が好きらしく、なるほどクライマックスの「悲惨なのに画はチープな事故」はまさしく『ふたり』のそれかも。

ONCE ダブリンの街角で(2007)

シング・ストリート』と『はじまりのうた』は観ていたが本作は今まで観る機会がなかった。ドキュメンタリーかと思うほどの飾らない映像に、まず驚き。そしてじわじわとした恋物語未満の恋物語がとても好みだった。楽器店で始まるセッションは、才能のある人同士が探り探り合わせているリアリティを感じて、それに曲もめっちゃいいし、観賞後だいぶ経った今でも頻繁に思い出す。音楽映画は相性がだいぶシビアなのだけど、これは好きだったなあ。

(500)日のサマー(2009)

(500)日のサマー (字幕版)

(500)日のサマー (字幕版)

  • マシュー・グレイ・ガブラー
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観てそうで観てないシリーズ。まっぷるさんの映画紹介記事は、こういう作品を一気に観ていくきっかけとなるので嬉しい。自由奔放な映画のつくりは『アメリ』を彷彿とさせる。IKEAデートのシーンが出てくるのだけど、今回観たなかでIKEAデートが出てくる映画、あと2本くらいある(ともに邦画)。将来を視野に入れた嬉し恥ずかし感が一発で出せるから、確かに使いやすいのかもしれない。あと、IKEA店舗の内装はどこも同じなのだなあ。いや、もっと書くべき感想あるだろ。

君の膵臓をたべたい(2017)

出ました、ビッグタイトル。実写版のほう。記事にも書いた通り、前半はかなり小っ恥ずかしいラブコメで見ていられない、のだけど、あとから来るわ来るわ……。浜辺美波さんのヒロイン力と北村匠海さんの巻き込まれ力がすごいし、反則的な展開と、そこまで感情を出さなかった北村匠海さんが決壊するラスト、あんなん泣かないわけにはいかないでしょう。じつは微妙に恋愛ではないのかもしれないが、トップクラスに「泣ける恋愛映画」でした。

世界から猫が消えたなら(2016)

なんかほのぼのふんわりゆるっと感動系なのかなと思っていたら、まさかの超ファンタジー! 1日分の命と引き換えに悪魔が「何か1つ」を世界から消していくのだけど、この消え方が面白く、かつ切実。それから驚いたのが、ウォン・カーウァイブエノスアイレス』のオマージュ。色味がウォン・カーウァイになるだけで楽しいのに、イグアスの滝にまで行ってしまうとは(数ヶ月前に初めて観たにわか、大興奮)。ちょっと過剰にセンチメンタルだったりするところも含めて、「佐藤健×宮崎あおい」からは想像しにくい、なかなかの珍品。

ア・ゴースト・ストーリー(2017)

これ、面白い! わーいルーニー・マーラだ〜くらいの気持ちで何も知らずに観たのでたまげました。まさかこんな変な映画だったとは。なるほどA24。『ゴースト/ニューヨークの幻』的展開を予想していると見事に置いていかれるので、あえて『ゴースト/ニューヨークの幻』的展開を予想しておくのがおすすめ。最後の最後「ファサッ」の感動、余韻は、すばらしかった……。至高のラストシーン。謳い文句をつけるなら「ラスト1秒、全てをよしとする」みたいな映画。

エターナル・サンシャイン(2004)

どこ見ても定番として出てくるのでお初に鑑賞。シークレット・サンシャインだのユア・マイ・サンシャインだの似たようなタイトルの映画多くて、どれがどれだかわからなくなってきた。ええと、なんだっけ、特定の人の記憶を消す話だったっけ。『世界から猫が消えたなら』の「消える」演出はこれが元ネタだと知る。映像世界のめちゃくちゃさとか、面白いけれど、中途半端な古さと整理のされてなさがあまり好みではなく、不採用。

世界一キライなあなたに(2016)

これも観てそうで観てなかったやつ。それこそ『ゲーム・オブ・スローンズ』を履修した頃からチェックはしていたものの、なぜか機会がなく。それにしても、ビジュアルイメージや邦題からは想像しにくい内容で驚いた。まず、車椅子なことを知らなかった。これはおそらくキービジュアルが巧みに隠してるんだな。そして、物議を醸す結末も。は〜、変わった話だなあ。韓国ドラマのテイストに近いかも。「シマシマの脚を誇れ!」が好き。エミリア・クラークの可動域広すぎな眉が強烈で、GOTは(眉動かさないように)頑張ってたんだなあと思った。

HELLO WORLD(2019)

SAOの監督であることが納得のSF。わりとゴリゴリのSFなのに舞台は京都なのがよい。京都タワーがぶっ刺さってくるのとか好き。ちょっとおもしろいのが、主人公二人の声が浜辺美波×北村匠海の『君の膵臓をたべたい』コンビなこと。しかも図書委員! これは敢えての設定・キャスティングか? 浜辺美波さん演じるヒロインのキャラクターが『四畳半神話大系』の明石さんにそっくりだったのがやや気になっています。

きっと、星のせいじゃない。(2014)

日向の『RENT』とでもいうような感じ。悲しい話ではあるけれど極力ウェットにはせず、基本的にはコメディなのがとてもよかった。アンセル・エルゴートかわいい。ヒロインが日本の中高生と同じように「メールまだかな、電話まだかな」ってスマホをちらちらしてる描写も印象に残ってる。海外のティーンも新着メール問い合わせみたいなことするんだなって。そりゃするか。視力を失っていく彼も好きだったな。たまごのシーン最高。

九月の恋と出会うまで(2019)

時間SFなので間違いなく好み。高橋一生はそりゃまあいいし、川口春奈さんもとっても魅力的なヒロイン。脇役で川栄ちゃんが出てるのも嬉しい。ただ、記事でもうっすら匂わせたように全体のクオリティはほどほどで、軽〜く観るのがきっとよい。個人的見どころとしては、近所(というほどでもない)の相模原公園がめちゃくちゃ出てくることにテンションアップ。朝ドラ『ひよっこ』とか、他でもちょいちょい使われるんですよね、あそこ。

今回はここまで。順番はおおむね観た順です。わたしの思考が丸見えです。あらためて、まっぷるさんの記事もよろしくお願いします。


泣ける恋愛映画のおすすめ30選! 余命ものから等身大のラブストーリーまで|まっぷるトラベルガイド


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