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あらすじ
家庭も仕事もどん底な音楽プロデューサーのダンは、失意のうちに訪れたバーでグレタという女性に出会う。彼女は恋に敗れたシンガーソングライターだったが、その紡ぎだす音楽はダンの心に光を照らした。後ろ向きな彼女をどうにかその気にさせ、契約に向けたデモテープ作りをしようとするも、いかんせんどん底なダンには十分な制作費がない。そこで思いついたのが「ニューヨークの街中を音楽スタジオにしてしまう」という破天荒なプランだった。
雑感
「シング・ストリート」が、オリジナル楽曲も映画の雰囲気もほんとすごくよかったんですよね。同じような感じなのかな?と思ったらいきなり自殺の歌とか歌い始めて、おや少し様子が…って感じだったんですが、最終的にはやはり本作もすごくよかったです。
序盤ではまずひとつのシーンが3つの視点から繰り返し描かれます。「えっ、そこが繰り返されんの??」と思ってしまうぐらい絵面的には地味なシーンなんですけど、だいぶ意外性のあるカタルシスというか、3回目で一気に開けていくのがいいんですよね〜。具体的に言うと、ダンの目に生気が戻り、グレタの弾き語りに脳内アレンジが加わっていくところ。無人のドラムがハットを踏み、ピアノの鍵盤が押し込まれ、チェロやバイオリンの弓がひとりでに動く。突然のファンタジア感。このシーンすごい好きです。
名シーンとしてはもうひとつ、本作のキーアイテムである「スプリッター」こと二股のイヤホンジャック。
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ちなみにここでグレタが照れながら聴かせる「好きな映画の曲」っていうのが「カサブランカ(1942)」の「As time goes by」でして。
じつは観てるとき思い出せなくて「知ってるけどなんだっけ……」ってもやもやしてて、「カサブランカ」か!と後から膝打ちしました。いい選曲だ…。本作、ミュージシャンのジレンマ的なところで「ラ・ラ・ランド(2016)」と通じる映画だなと思ってたんですけど、「ラ・ラ・ランド」は「カサブランカ」と通じる映画なので、はい繋がりました〜みたいな自己満足。
映画ネタで言うと「私はスターを夢見たジュディ・ガーランドとは違う」っていうグレタの台詞が序盤にあって。ちょうどですね、TSUTAYAディスカスから「スタア誕生(1954)」のDVDが届いていたんですよね(笑) グレタの台詞はまさにこの映画のことを指しているはず。こういう引き寄せみたいなの、わりとよくあります。引き寄せられたので今晩は「スタア誕生」を観ようと思います。
キャストについて。まずダン役はマーク・ラファロ。ブルース・バナー。この顔すごく知ってるんだけど誰だっけな〜〜〜って、結局最後までマーク・ラファロと繋がりませんでした。バナーだったか……。繋がらなかったシリーズでは、売れていっちゃうシンガーのデイヴはなんとMAROON5のアダム! 「This Love」でヒットした頃すごい聴いてたのに全然繋がらなかった〜〜〜というかまず思いもしなかった、が正解かしら。
そしてグレタ、キーラ・ナイトレイ! これまでそんな気になったことなかったんですが、本作のキーラ・ナイトレイはめちゃくちゃ魅力的。設定上はまだ学生?ということで、素朴なワンピースに斜め掛けカバン、みたいなファッションが多いんですけど、それが超かわいい。特にある日の赤いワンピースが超素朴かわいくてですね、しかもその日が長いんだ! ずっとその服なの! 喜び! とにかく魅力的な彼女が、たいへんポイント高いです。
あとはジェームズ・コーデン。めっちゃいいヤツなのにいつも蚊帳の外っぽい感じが少々かわいそうではありますが、とてもよいジェームズ・コーデンでした。「絶対踊りたくなる曲をかけて踊らないでいられるかゲーム」も最高。あの曲ヤバい(笑)
これで踊らないのは日本人でも苦痛。
そのほか、グレッグ・アレキサンダーさんによる劇中曲の数々だとか、ニューヨークの名所案内的な「青空スタジオ」各シーンであるとか、ちょっと前のApple懐かしみアイテム各種であるとか(あのスケルトンのスピーカーが超懐かしかった…)加点ポイント多数の、とてもよい映画でした。「ONCE ダブリンの街角で(2007)」も近いうち観なければですね。
(2018年191本目)