MCUことマーベル・シネマティック・ユニバース25作目『シャン・チー/テン・リングスの伝説』を観ました。前作『ブラック・ウィドウ(2021)』が公開規模小さかったので今回も面倒だな〜なんて思っていたら、今はもう普通にどこでもかかってるんですね。事情はよく知らないけれど『ブラック・ウィドウ』の不遇がますます際立つ。
以下、大したネタバレは多分ありません。
今作、総アジア系キャスティングのMCU作品ということでその意味はだいぶ大きいようですが、いきなり身も蓋もないことを言ってしまうと、こうもオールアジアだとMCUを観ている感覚が全然ないというか。もちろんクオリティは高いし面白いんだけどMCUならアジア舞台じゃないやつ観たいな、なんて思ってしまう気持ちも正直ありました。
それと、これは『ブラック・ウィドウ』の時にも強く感じたことですが、フェーズ4以降のMCUってもう「なんとなく」で楽しめるコンテンツじゃなくなってきてしまったなと。わたしのような「一応全部追ってるけど片っ端から忘れてるマン」には、そろそろキツいのかもしれない。
ただまあ本作に関してはシャン・チーというキャラクターの1作目ですし、これから本格的にキャラクターたちが「サーカス入り」することで、後々振り返った時にまた見え方の変わってくる作品なのかなとは思っています。
そんなところで、やや意識低めな雑感は以下、箇条書きにて逃げさせていただきます。
こちらも大したネタバレはありません
オープニングの「馴れ初めだったんかい」物語、とても良かった。「可動式竹林」から掴みはバッチリだし、きっとMCU史上最も華麗で美しいバトルシーンも永遠に見ていたい魅力があった。母さんとの出会いを美化しすぎである。
束の間のサンフランシスコ編も楽しい。ただ、オークワフィナと中国系移民家族が円卓囲んでる時点で『フェアウェル(2019)』にしか見えないのはちょっとアレ。もうちょい違うオークワフィナが見たかった感あり。
最近『Mr.ノーバディ(2021)』とか「バス車内アクション」をよく見る気がする。アクロバティックに魅せやすい環境なのはわかるし間違いなく楽しいけど新鮮味はあまりない。
マカオ編は妹氏がかっこよくて惚れる。足場アクションはこれまたつい最近『ザ・ファブル 殺さない殺し屋(2021)』で似たようなの見ちゃったなあとか思ったが、「竹の足場」は香港アクション映画定番の舞台らしいのでなるほど。恥ずかしながらわたしはジャッキー・チェンはじめ香港映画を全く観たことがありません。
実家編はやはりなんと言ってもトニー・レオンかっこよ、に尽きる。顔がいい。よすぎる。特別ゲストは全然誰だか覚えてなくてほんとごめんなさい、って感じだった。テン・リングスとの関係性は事前アナウンスされていたのだからせめて『アイアンマン』シリーズをちゃんと観直しておくべきだった。
モーリス、愛おし!! 中国神話ルーツなのかーー。帝江(ていこう)っていうんですって。あっちの世界の突き抜けたファンタジー感とBMWのギャップが良かった。しかし竜まで出てきちゃうともはや何がなんやらである。あとなんか、封印解かれた珍獣らのいきなりB級感がすごかった。
シャン・チーのテーマらしき音階、わくわくした。ワカンダのポッキョコポッキョコした太鼓みたいに、今後のMCUではあの音階が聞こえてきて「シャン・チーだ!」ってなるのかな。ちなみに個人的にはこの劇伴、「ようこそ、OZの世界へ」みたいな気分になった。
正式にMCU入りを果たすっぽいラストは大変ようございました。サーカスへようこそ。ちゃんと「お金はあとで払う」って言ってから離席したのも好印象。
(2021年152本目/劇場鑑賞)
上映前、初めて見た『エターナルズ』の予告にめちゃめちゃアガる。しっかりクロエ・ジャオの色味じゃないか。どんな映画になるんだろう〜〜。ていうかリチャード・マッデンとキット・ハリントン出るんだ!