MCU=マーベル・シネマティック・ユニヴァースの21作目。前作は「アントマン&ワスプ」、そして次作はついに「アベンジャーズ/エンドゲーム」ですよ。どんなテイストであろうと、エンドロール後まで緊張の走る21作目です。
あらすじ
1995年。のちにシールド長官となる若きニック・フューリーは、空から落ちてきた妙な女性を捜査する。彼女の名はキャプテン・マーベルことキャロル・ダンヴァース。二人は出会いこそ捜査官と被疑者だったが、キャロルの失われた記憶を追求するうち良き相棒となる。同時に、強大な外敵の存在も知ることになったフューリー。「アベンジャーズ」計画の立ち上げへと繋がっていく。
やーっぱりMCUはおもしれーーー
ここんとこ毎回この感想になってますね。観る前そこまでテンション上がってなくても劇場出るときには確実に「すげー、すげー」ってなるお決まりのパターン。
「アベンジャーズ起源の物語」と謳われていたので、なんとなく1940年代くらいの話を想像してしまっていましたがそれはシールド、勘違い。アベンジャーズの起源となると、意外に近い90年代のお話だったのでした。
主な舞台は1995年。Windows95がリリースされ、何をロードするにもプログレスバーがじりじりと動いていた時代。インターネット老人会が生き生きする時代。思い起こしてみると「インフィニティ・ウォー」のポストクレジットでフューリーが使っていたのはポケベル。今作のキーアイテムでもあります。
現実世界に思いっきり地続きな小ネタの数々、みたいなのって過去のMCUではそこまでなかった気がして、例えばレンタルビデオ屋*1に墜ちてきたキャロルが「ライトスタッフ」のビデオを手に取るだとか、バンドTを着てたりとか、「レクター博士」なんてワードが出てきたりとか、それこそ読み込みが遅かったりとか、そういう笑いの多さが新鮮でした。
最近ではYahoo!ジオシティーズがサービス終了のお知らせを懐かしの個人サイト風にリリースしていて話題になりましたが、どうやらインターネット老人会は万国共通の模様。本作も「初期Netscape Navigatorで表示されたような*2」ジョークverの公式サイトがあるのです。ネスケね…。この灰色がネスケっぽいよね…。
観客みんなが知っている「その後」に続いていく前日譚タイプの物語ということで、楽しさの種類としては「スター・ウォーズ」シリーズにおける「ローグ・ワン」や「ハン・ソロ」とかと近いかも。名前の由来、そんなだったの?! フューリーの眼帯、そんな理由だったの?! こういうの、無条件に好きです。
視覚効果で25歳ぶん若返らせたというフューリーとコールソンですが、特にフューリーがすごくて、てっきりサミュエル・L・ジャクソンじゃないと思ったくらいでした。キャラもじぇんじぇん違いまちゅちね〜〜。サミュエルしゅごい。対して、予告で興奮させてくれたコールソンは蓋を開けてみたらかなりチョイ役で、ありゃ客寄せコールソンでちゅね。
MCU初の女性主人公キャロルはまあもう、スカッと爽快、サイコー。近いところでは「ワンダーウーマン」もですけど、かっこいい女性が爽快なことやってくれるのは単純に超楽しいですね。ガンズやNINのTシャツ着てるのも素敵。
「オーシャンズ8」の「8歳の女の子のためにやる」くだりが真っ先に浮かんだ、キラキラ目を輝かせた幼い女の子に見送られるシーンも良かったです。Mooooree because we must admire our badass #CaptainMarvel wearing a casual Guns N Roses tee! 🌟😭🤩😍 pic.twitter.com/jNVoMRnKlt
— ✵ Captain Marvel News ✵ (@CaptMarvelNews) 2018年3月29日
ネコチャン
MCU初なのは女性主人公だけじゃありません。本作はMCU初の猫映画です。「エンドゲーム」一歩手前でまさかこんな「ネコチャン…」という気持ちに支配されることになるとは。計り知れないMCU。ちなみにじつは一番最初に貼った画像でもよく見ると左端にネコチャンが尻尾を見せてるんですよ。
寄生獣的奥深さを持ったこのネコチャン、名前はグース。なんでも「トップガン」に登場するトム・クルーズの相棒役「グース」が由来だそう。ちなみにトム・クルーズの役名はマーベルみのある「マーヴェリック」! 空軍のシーンをトップガンっぽいな〜と思いながら観ていたので、こんな繋がりがあったとは嬉しい驚き。
ネコチャンを50分間眺めていられる公式動画もあります。なんなんだ。つい30分くらい見ちゃったよ。
始まる前に泣け
スタン・リー御大があっちのユニヴァースへ旅立たれてから初のMCU作品ということで、冒頭のマーベルロゴが泣かせてきました。本編始まる前からスタンディングオベーションしたくなっちゃった。
上記記事の中の「人々はいつからか、スタンとて有限の命を抱える人間であることを忘れかけていた」「実感はありませんでした。127歳くらいで想定していましたから」が、めっちゃわかりみある。THANK YOU, STAN!!!
さてさて、次は来月の「エンドゲーム」なわけですが。「よーしアベンジャーズ作るぞ!」な本作の一ヶ月後に「アベンジャーズ終わるよ!」なやつ見せられるのつらくないですか。わたしはつらいです。
(2019年34本目/劇場鑑賞)
*1:知らなかったんですがブロックバスターっていうのはあっちの有名なビデオ屋だそう。一時期は日本でも展開していたけれどゲオに飲み込まれたらしいです。
*2:引用元: 映画『キャプテン・マーベル』の公式サイト、時代設定に合わせて95年風にデザイン(アクセスカウンターあり) - Engadget 日本版