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映画「ベイビーわるきゅーれ(2021)」感想|最高に愛おしい本格ほのぼの殺し屋アクション

ああもう、こういう「知る人ぞ知る、超最高な映画」の紹介も兼ねた感想記事みたいなの、もどかしくて一番書きづらいんです。というわけで、はい、1996年生まれの超新鋭・阪元裕吾監督による最新作『ベイビーわるきゅーれ』を観てきました。


映画「ベイビーわるきゅーれ」ポスター
映画「ベイビーわるきゅーれ」ポスター


こちらだいぶ前から「知る人ぞ知る」な盛り上がり方をしていた印象の作品だったんですけどもなんとなく見送っておりまして、しかしライムスター宇多丸さんが熱弁しているのを聞いたら辛抱たまらず映画館へ走ってしまう、これぞ宇多丸チルドレンのチョロさです。

火曜OP:宇多丸「『ベイビーわるきゅーれ』を観てきました」 - TBSラジオ「アフター6ジャンクション」 | Podcast on Spotify


で、まあ最高でした。最高に愛おしい殺し屋映画でした。こんなの絶対好きなやつだった。とりあえずこの30秒の特報映像見てラブいものを感じたら公開館探して行ってください。絶対幸せになるので。


概要としてはそうですね、さしずめ元女子高生殺し屋バディの本格アクションほのぼの日常コメディ(ほのかに百合めき)といったところ。スーパーキラキラカラフルクッキリバイオレンスアクションなどでもよい(時事210915)。

とにかく主人公ふたりのカップリングがもう最高に尊くて。新鋭スタントウーマン伊澤彩織さん演じる「まひろ」の不器用なメンタル&強靭なフィジカル。舞台版『鬼滅の刃』で禰󠄀豆子役にキャスティングされていると聞いて超納得の髙石あかりさん演じる「ちさと」のアンニュイな愛嬌&ギャップ&まひろたそ手懐け感。ほんと見てるだけで幸せ。

最高ポイントはいろいろありますが、まず冒頭。死んで欲しいやつが死ぬ。もうこれだけで固い握手です。フィクションとはこのためにあるのです。『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結(2021)』とかが直近の好例ですけど、命を軽んじるのであればとことん軽んじるべきなのです。

かと思えばうっかりマガジン入れたまま洗濯機回しちゃうような日常ゆるふわエピソードも愛おしくて。フローリングを走る犬で早くもゾッコンだし、喧嘩と仲直りかわゆ、かわゆすぎんぞ。または一周回った「アップデート」ギャグ。これは絶妙な痛烈さ。『オーシャンズ8(2018)』観て分かった気になってるわたしには痛かった。おまけに「仁義」で腹筋よじれた。本宮泰風さん大好き。

あえて言うなら、「ラスボス候補みんなザコ」問題によるクライマックスの見えなさだったり(まだまだあると思っていたら終わってしまった)、「キャラ被りの敵」登場による「しばらく新キャラと気付かない」問題とか(秋谷百音さん、ご家族ともに生き返らせていいんで続編お願いします)、黒澤映画かよというセリフの聞き取りづらさとか(コンマ遅れてふふっと笑えてくる良さはある)、そこ妄想じゃなくてもよくない?(冒頭)とか満点中の難点もいくつかあるにはありますが、否、補って余りある満点です。

ああ。案の定もどかしい。全シネコンでかかっておれよ。海外ドラマなら『キリング・イヴ』とか、ああいうほんわかキレキレな女殺し屋ものがお好きな方には性癖マスト案件でございますので、どうかチェックのほどよろしくお願いします。

映画「ベイビーわるきゅーれ」より
二人は殺し屋/映画「ベイビーわるきゅーれ」より


(2021年158本目/劇場鑑賞) こちらのインタビューによれば参考作品として韓国映画界が誇るトラウマほのぼのバイオレンスアクション『The Witch/魔女(2018)』を観ているあたり、本当に「今」の作り手たちによる映画だなという感じがしました。言われてみればラストのバトルシーンとか近いかも。