大九明子監督の映画『でーれーガールズ』を観ました。
原田マハさんの同名小説を映画化したもので、優希美青さんと足立梨花さんがW主演。また彼女らの30年後を元タカラジェンヌの白羽ゆりさんと安蘭けいさんがそれぞれ演じています。
「でーれー」とは岡山弁で「すごい」「とっても」を意味する言葉。東京から岡山へ引っ越してきた鮎子(優希美青)は転校先の女子校で出会った長身美人の武美(足立梨花)と仲良くなり、自分たちのことを「でーれーガールズ」と呼ぶようになりました。
時は経ち、鮎子は人気漫画家に。知る人ぞ知るデビュー作の「でーれーガールズ」は女子高校生ふたりの友情とトライアングルな恋愛模様を描いた青春物語。どうやら実話に基づくようですが、作者ご本人的には「封印しちゃいたい過去」だとかなんとか。
さて、このたび母校の同窓会から著名出身者として記念式典に招待された鮎子はしばらくぶりに岡山へ帰ります。かつての親友・武美とは、じつは疎遠になったまま。果たして再会できるのでしょうか。そして彼女たちの「過去」とは──。
油断禁物、泣かされます。
いや〜〜めっちゃ泣いた。嗚咽。
劇中世界の実話に基づく漫画作品として「あらすじ」らしきものが先に全部出てくるので、では実際はどんなストーリーだったのか?と想像しながら観ていくことになるんですけども。これがもう、この一言でネタバレになってしまうかもしれませんが『サニー 永遠の仲間たち(2011)』なんですねえ。
原作小説は映画『サニー』の本国公開とほぼ同時期に出版されているので無関係なのだと思いますが、それはともかく(強引)まあとにかく『サニー』です。わたしはああいう物語にすこぶる弱いのだ。ベタベタだけど泣いてしまうのだ。『サニー』もしくは『SUNNY』がお好きな方、ぜひどうぞ。これ以上は語らない。
あと、あんま大声で言うのもあれなんで小声で叫んでおくと、『サニー』とは違ってメインキャラクターの人数がふたりであることにより強まる百合みですね。たまらなく清らかですね。『響け!ユーフォニアム』シリーズの黄前久美子と高坂麗奈みたいなのがお好きな方はこちらぜひ試していただきたく思います。頻出する「鶴見橋」がまた宇治橋っぽいのですわ。
っぽいと言えばあと、本作でふたりが通う高校の制服がでーれー可愛いのですけど、新潟が誇るアイドルグループNegiccoさんの(わたしが好きになった日の)衣装っぽいんですよね〜。ニッチ!
@mioyukihoripro: 今日も元気に映画「でーれーガールズ」撮影していますっ!いまポスター撮影をしました!足立梨花さんとパチリ!(≧∇≦) pic.twitter.com/RPUdSftBop
— 優希美青 (@mioyukihoripro) 2014年9月20日
堀込泰行さんと!! #矢野フェス pic.twitter.com/2q9GOlwkB7
— Negicco Kaede (@Kaede_NGC) 2014年9月14日
この冬服の(制服の話に戻っております)スカートをスケバン的ロング丈で着こなした足立梨花さんがでーれー魅力的で。『あまちゃん』の時には気付けなかったけど足立梨花さんこんなに素敵な方だったんだと、遅まきながらときめいてしまいました。
足立梨花 Photogenic in でーれーガールズ 1980
- 作者:中條未来
- メディア: その他
さて、ではちょっと『あまちゃん』絡みの話に行きましょうか。
パラレルあまキャストの話
これまで『勝手にふるえてろ(2017)』『私をくいとめて(2020)』両方の感想で語ってきましたように、大九明子監督はどういうわけか2013年度朝ドラ『あまちゃん』のキャストを主演に抜擢しまくってくれるお方です。
なぜ「どういうわけか」というと、監督自身は特別『あまちゃん』のファンというわけではないらしいから、なのですが(もちろん「おもしろい偶然だなー」と有難がっているだけで他意は全くございません。念のため)。
実は、私、二人が共演していた朝ドラをちゃんと観ていないんです。もちろん国民的ムーブメントを起こし、東日本大震災で傷ついた日本を癒したドラマであることは知っていますが、皐月役に橋本愛さんをキャスティングしたのは、私自身が彼女と仕事したかったからです。(中略)あとから「そういえば、のんさんとドラマで共演していたな」と思ったくらいで……。(最新作『私をくいとめて』の大九明子監督インタビュー!「のんさんは職人気質の女優です」 | ガジェット通信 GetNews)
ちなみにどれぐらい『あまちゃん』のメインキャストが大九作品に(偶然)抜擢されているかというのを、この3作に限定して(かつ若手キャストで)挙げてみるとこうなります。
『あまちゃん』ファンであればこれがどれだけそうそうたる面子であるか一目瞭然のはず。GMTとアメ女と潮騒のメモリーズですからね! 特に『でーれーガールズ』のふたりは知名度で言うとちょっと下がるだけに、並んでいることのパラレルみがすごくて。ありがたや。なむなむ。
大九監督におかれましては、あと有村架純さん主演で一本撮っていただけたら「パラレルあまワールド(若手編)」ほぼ完成なのでよろしくお願いいたします。
(2021年60本目/U-NEXT)
- 作者:原田 マハ
- 発売日: 2014/10/10
- メディア: 文庫