353log

主に映画の感想文を書いています

インド映画「マッキー(2012)」感想|ハエを甘く見るな

映画「マッキー」ポスターインドのハエ映画『マッキー』を観ました(掴みがいい)。監督は『バーフバリ』シリーズのS・S・ラージャマウリ。すごいな、これもこの人なのか。

突然のインド映画ではございますが、先日初対面の方と映画談義をしていたらどういうわけか「マッキーはいいぞ」の猛プッシュを受けまして。そういうとこ律儀なタイプですので、次お会いした際に鑑賞した旨ご報告するべく観た次第です。

さて、ざっくりのストーリーは「悪漢に殺された男が、愛する女性を守るためハエとして転生する」というもの。同じ女性に好意を寄せていたがために恋敵として悪漢に消されてしまった主人公。恋敵なき今、悪漢は何も知らない彼女に急接近していく。ダメだ!そいつは極悪人なんだ!ああ!愛する女性が危機一髪ってときになぜ俺はハエなんだ!

悪漢とヒロイン、そしてハエ。無茶苦茶なようでいて、これがなかなかアクションもロマンスも存分に味わえるのですから珍妙です。

現実的に考えてハエごときが悪漢に立ち向かうのは無理ではないかと思いがちですが、しかし、もしもそのハエが人間の記憶と知性、復讐心を持っていたら。これは案外、人間ごときの心身ぶち壊すのも夢じゃないのでは?という感想をわたしは本作から持ちました。後半のホームアローン形式はさすがに無理かもしれない、でも基本スタイルの耳元羽音攻撃は、あれを24時間やられたらノイローゼになって発狂必至でしょう。羽虫を敵に回してはいけません。

あまり真面目に語っていくのもばかばかしい映画なので、特筆すべき名場面を一点のみ発表します。キーワードはずばり「インターバル」。部屋で一人で観ていたにもかかわらず、思わず手をパチパチ叩いて大喜びしてしまいました。最高にくっだらねえ!が、最高にアガる。心の観客賞総ナメです。これからご覧になる方はお楽しみに。

なお「ハエ映画」となると、虫がお嫌いな方は警戒されるはず。MCUの続きは観たいけど『アントマン&ワスプ(2018)』は観たくないよう〜〜とだいぶグズった当方からの情報を提供しますと、このハエは意外といける。ちょっと時々ムムッてなサブイボ要素がなくもないけれど、動きがカワイイのでわりと愛せました。個人的には全然アリです。ハエですが。

(2021年61本目/U-NEXT)

マッキー

マッキー

  • メディア: Prime Video
ちなみにU-NEXTでは「輪廻転生奇想天外抱腹絶倒コメディ」とかいうヤケ気味なコピーが付けられていて好きです。