勝手にふるえてろ(2017)
観よう観ようと思いながらもウォッチリスト止まりだった作品。急に思い立って鑑賞。ネタバレ控えめで、未見の方向けに書いてみます。
好評っぽい空気を感じていたのでおそらく結構クセのある映画なんだろうなと予想してましたが、ええ、かなりクセのある映画でした。そして大好き、こういうの。とりあえずですね、わたし松岡茉優はGMT(朝ドラ「あまちゃん」に登場したアイドルグループ。GMTは「地元」の略)の頃から好きなんで、2時間ずっと松岡茉優見てられるの幸せでした。
この松岡茉優演じる主人公ヨシカがとにかく喋る喋る。しかもだいぶクセ強めに喋る喋る。ケレン味の強い台詞回し、とでも言いましょうか。たとえば。「波と戯れたりデコルテあらわなドレスで肩上下させてハーハーしたりして花嫁タイムをエンジョイできちゃう」。ここで「キたぞこれは」と思える人は好きになれる映画だし、そんな人にとってはいちいち書き留めたくなるような名台詞の連発。松岡茉優が言うからいいというのも、ある。こういう役が最っ高に映えるよ。
引用したのは冒頭でいきなりお見舞いされる強烈な会話シーンですが、これに留まらず街中、駅、レストラン、妄想なのか現実なのかヨシカはどこでも誰とでも喋っちゃう。舞台っぽいな、というのが最初の感想。でも、いや、この感じ……、そうだ、「歌わないミュージカル」と表わすのが適切かもしれない(と思っていたら…な急展開も鮮烈)。
ミュージカルといってもどちらかというと能天気じゃないほうのやつで、ずばり「ダンサー・イン・ザ・ダーク」的。物語自体は比較的よくあるラブコメ系なのだけど、知ってるミュージカルの中で一番当てはまるもの、空気感が似てると思えるのはまさかのそれでした。もちろん、あんなダークではないですよ。しかし確実にこれはわたしの中で「ダンサー・イン・ザ・ダーク」枠。
原作は、「インストール」「蹴りたい背中」など、本を読まないわたしでも知っているほどの話題作を多く生み出した綿矢りささんの同名小説。なんか、好きなんじゃないかなと思い読みたくなってきました。
- 作者:綿矢 りさ
- 発売日: 2012/08/03
- メディア: 文庫
映画化に際しての監督は大九明子さんという方。この大九さん、ひとつ前の作品「でーれーガールズ」(未見)(追記:観ました)では優希美青と足立梨花を起用していて、ふたりとも松岡茉優と同じく「あまちゃん」のGMTとアメ横女学園出身ですよ。絶対にあまちゃんファンだな…(追記:こちらについても上記『でーれーガールズ』の感想記事内に補足しております)。ちなみに初監督作品が「意外と死なない」というタイトルなのですが、このワード、そのまんま本作の劇中に登場しますね(笑)
こういう邦画はやっぱりいいなあ、そんでもって松岡茉優は相変わらず推せるなあと思える一本でございました。中身にも触れたいけど、そこは各自観て、うわあ〜〜〜となっていただく感じで。これ、映画館で観たかったな! 胸中ぐるぐるさせながら帰りたかった!
(2019年59本目)
- 発売日: 2018/06/06
- メディア: Blu-ray