順番に是枝裕和監督作品を観ていく企画、今回は3作目「DISTANCE」。監督の著書「映画を撮りながら考えたこと」に書かれたエピソードも参照しています。
- 作者:是枝裕和
- 出版社/メーカー: ミシマ社
- 発売日: 2016/06/08
- メディア: 単行本
※書きかけのまま一ヶ月以上放置してしまったので途中のものを上げておきます(笑)
あらすじ
カルト教団「心理の箱舟」が起こした無差別殺人事件から3年。実行犯たちは任務を遂行したのち教祖の手によって殺害され、その遺灰は集団生活をしていた山奥の湖に撒かれたという。慰霊のために加害者側の遺族4名が湖を訪れるところから物語は始まる。
雑感
あんまよくわかんなかった、というのが正直なところです(笑)
前作「ワンダフルライフ」は一般人を多数起用し、フィクションではない実際のエピソードを中心に構成されていました。もともとドキュメント畑だった是枝監督はともすれば「やはり一般人は、リアルはいいものだ」と回帰してしまいそうだったところ、ノンフィクションのなかで俳優たちがきわめて自然に溶け込んでいたことに驚き、それまで懐疑的だった役者の「即興」というものに感銘を受けたのだそう。
そこで、ARATA(井浦新)や伊勢谷友介、寺島進ら前作のキャストを再起用して、今度は全員俳優でありながら各々に断片的な情報しか与えず、即興による映画作りを試みた、それが本作です。
オウム真理教の地下鉄サリン事件などがまだ記憶に新しい時期、設定にもそのあたりが深く影響しています。任務遂行後に命を絶った「加害者」側の遺族という感情移入しにくい対象を描くことで、一筋縄ではいかない疑問提起をしてくる作品です。
状況の掴みづらさ、次第に判明してくる彼らの関係性、観終わってもとりあえず相関図を書いてみないと…と頭の混乱する感じは「万引き家族」っぽさがあります。が、あれよりもさらにエンタメ度は低いです。序盤、とあるアクシデントが発生するシーンあたりはゾクッとする面白さがありますけど。
※11月22日にここまで書いて止まってました。もう書けない! 上げるだけ上げておきます。今日は12月27日。
(2019年139本目)
是枝作品コンプリートしようと思って早々に途絶えてしまったのが今年の悔いです。