TSUTAYA DISCASを再開したので、配信されていないウディ・アレン作品を何本か借りました。そのうちの一本。これはライムスター宇多丸さんが特に好きなウディ・アレン作品としてたびたび挙げていて、観たかったんですよね。
雑感
裕福な眼科医と、ウディ・アレン演じる売れない映画監督(いつも〜〜〜のウディ・アレン)、この二人が本作の中心人物。ただし接点のないそれぞれのお話として、並行して進んでいきます。
ウディ・アレンはとにかくいつも〜〜〜のウディ・アレンなので、奥さんとは熟年離婚しそうだし、若い女の子には不毛なアタックをしてるし、みたいな感じ。見てて落ち着く。
一方どこぞの裕福な眼科医さんは、陰りひとつない理想的な家庭を持ちつつも、じつは不倫相手がいて奥さんとの離婚を迫られてる状況。どうしても幸せな家庭を守りたい彼は、殺し屋に依頼して不倫相手を殺害。しかし罪悪感に苛まれ……、みたいな感じ。
ちょっとダークだけど、見慣れたウディ・アレン映画のトーンで進んでいきます。が、お、おう、そんな終わり方をするのか…。皮肉が強烈…。
この映画は非常に怖いです。いつものウディ・アレン映画っぽいタッチだから余計に怖い。例えるならば、よくこの例えを出してしまいますが、藤子・F・不二雄が「ドラえもん」のタッチで描いたえらくシニカルな短編を読んだ時のような感覚。あの絵で、人死ぬんか…。みたいな。
テーマとしては2005年の「マッチポイント」と全く同じと言ってもいいような内容でありながら、あっちはウディ・アレンの出演もなく、いかにもウディ・アレン的「ではない」タッチで撮られた作品のため、ぎりぎりエンタメとして成立する作品。こちらは、成立しない作品(笑)
いやまあ、すげえ映画だなって感じで呆然としちゃいました。
はみ出し雑感
ミア・ファロー出てます。ウディ・アレン作品内外問わず、いまのところ一番好きなミア・ファローかも。可愛い。「アニー・ホール」などでのダイアン・キートン的な魅力がある。
殺されてしまう不倫相手を演じるのは、ドラマ「SMASH」でアイリーン役を演じていたアンジェリカ・ヒューストン。消したくなるのも分かるわ、って感じのヒステリックな女性を演じていらっしゃいます。
のちの「マッチポイント」に繋がるシーン「暗闇に司祭登場」が怖い。
幼少期に暮らした家を訪れるとそこには……という展開は「アニー・ホール」そのまま。いつものタッチでさりげなくファンタジーが入るの、好き。
(2019年110本目)
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