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主に映画の感想文を書いています

「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」以前のモンスターバース2作品

f:id:threefivethree:20190630192239j:plain 2019年6月現在公開中「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」。単品の作品かなと思ったらじつは「モンスターバース」という、所謂MCU的な同一世界観のシリーズとして制作された3作目の作品でした。先日「キング・オブ・モンスターズ」の鑑賞前に一夜漬けで前2作を予習した雑感です。

1作目 2014年公開「GODZILLA ゴジラ

現在prime会員特典です。モンスターバース内での「ゴジラ」のお話としては、最新作「キング・オブ・モンスターズ」の前作にあたります。MCUでいうと「アイアンマン」の後に「ハルク」を挟んで「アイアンマン2」に行く感じですね。

ハリウッド版ゴジラというとエイリアンみたいな姿のやつが思い浮かぶ人もいるんじゃないかと思うんですが、それは1998年の「GODZILLA」で、こちらの2014年版「GODZILLA ゴジラ」は日本人にもお馴染みの姿をしています。のちに「ローグ・ワン」を撮ることになるギャレス・エドワーズ監督の作品なので、ギャレゴジなんていう呼ばれ方をしてるみたいです。

観た印象は「ジュラシック・パーク」っぽいかなと。スピールバーグ的ホラー感。焦らしに焦らしてドン!!!みたいなのがウリだと思います。ジュラシックパークが好きな人なら、きっと好き。

ただ、日本人的には大きな難点が。そう、ヘンテコな日本描写です(笑) これはMCUの「エンドゲーム」ですら「あんな描写」されちゃってますからね、まだまだ当面は期待できないんじゃないでしょうか。富士山のようなものが見える架空の都市と思った方がいいですね。辛うじてパシリムの「アップライジング」よりはマシかも…。

キャストはキングオブモンスターズと共通の顔ぶれが出ております。なんといってもケン・ワタナベ。ありがたいことに、ファーストシーンからケン・ワタナベでございます。キングオブモンスターズでは内閣総辞職みたいな扱いでちょっと寂しかったサリー・ホーキンスもいますよ。扱いといえば大女優ジュリエット・ビノシュがかなりチョイ役(大事ではあるけど)で出てたりもします。

他にも「ブレイキング・バッド」のブライアン・クランストンMCUのスカーレット・ウィッチなエリザベス・オルセンなど、さりげなく知った顔いっぱいのキャストです。

キングオブモンスター同様、都市の壊滅に容赦がないので、そのへんの感じが好きだった方はそのままの感じで楽しめると思います。クオリティは普通に高いです。是非どうぞ。

(2019年54本目)

2作目 2017年公開「キングコング: 髑髏島の巨神」

現在prime会員特典ではありませんが200円くらいで観れます。

ご縁がなければ絶対観なかったタイプのタイトルです。キングコング自体馴染みがないし、ゴリラでしょって思ってるし、髑髏島だし巨神だし、そそる要素がひとつもない。距離を置きたくなってしまう要素しかない。

ですがこれ、かなりおすすめです。面白いです。個人的にはモンスターバースの中で今のところ一番好きです。

まず、MCU好きな人にはすごく掴みのいい紹介をします。本作、メインキャストが3人います。サミュエル・L・ジャクソントム・ヒドルストンブリー・ラーソン。そう、ニック・フューリー、ロキ、キャプテン・マーベル。いいのか! そのキャストいいのか!! しかもユニヴァースものですよ。笑っちゃいますね。これだけで結構そそられませんか。

物語の舞台はベトナム戦争の時代。監督が「キングコング×地獄の黙示録」をやりたかったんだそうです。わたし「地獄の黙示録」にしろ「プラトーン」にしろ「フルメタル・ジャケット」にしろ、ベトナム戦争ものって殆ど何も観ていないのでその視点での「楽しみ方」はできてないのですが、町山さんの話なんかを聞くに、ベトナム戦争ど真ん中世代(その時代に安全圏で子供だった人たち?)にとっては堪らない設定らしいですね。

(こっちじゃなくてたまむすびだったかも)

わたしの映画知識ではせいぜい「トロピック・サンダー」のメンバーが合流すればトニー・スタークも加わって楽しいなとか思った程度です(笑)

もともとあんまり食指が…というところなんですけどそろそろ観るべきなのかもしれません、ベトナム戦争もの。気が向いたら。

で、こちら、内容としてはバミューダ・トライアングルみたいなゾーンにある髑髏島という未開の島で調査をしてたらヤベえ巨大怪獣たちにひたすら襲われまくるっていうやつです。恐怖のジャングルクルーズ本当に死んじゃうジュマンジみたいなやつです。おまけにフューリー、じゃなかったサミュエル・L・ジャクソンも狂っちゃうんでもう大変です。

キングコングはですね、モンスターバースでのゴジラ同様「味方」的ポジションになっていくので、最終的には親しみが持てます。今後、彼とゴジラが闘うことになってしまうのは胸が痛みそう。

終盤のシーンで聴いたような曲が流れて、ヴェラ・リン、その名前も聞いたことがあるような、なんだっけ誰だっけと調べてみたところ、キューブリック博士の異常な愛情」のラストに流れるやつでした。

ネタバレしますけど「博士の異常な愛情」のラストシーンでムーディーな音楽のなか核爆弾にまたがってるのがですね、キング・コング少佐っていうキャラクターなんですね。そういう繋がりかー!っていう。

監督が宮崎駿ラブらしくて怪獣や乗り物のデザインがジブリ的だったりとか、冒頭で出てくる日本兵(なんとギタリストのMIYAVI)の名前がエヴァ由来のイカリだったりとか、そういう楽しみ方もできます。

チラ見してみて好きそうかもと思ったら是非、是非是非ご覧ください。キングオブモンスターズに直接つながる内容は特別ありませんが、ポストクレジットシーンで結構アガる映像が出てきますよ。

(2019年55本目)

というわけでゴジラとかそこまで興味なくても案外楽しめましたので、予習してから観に行こうかな〜、もしくは、もう観ちゃったけど遡ってみようかな〜、というモチベーションのある方は是非どうぞ!