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【ネタバレ】「Stranger Things/ストレンジャー・シングス 未知の世界」シーズン3 雑感

先日こちらの記事でみっちりその沼をお伝えした「ストレンジャー・シングス」、最新シーズンが先週より配信されております。てっきり毎週1話ずつ配信されるものと思い込んでいたので、一気に全話来ちゃっててだいぶ戸惑いました。まあ、今回も2日で完走です。

以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。映画ネタ多くなったから映画カテゴリにも入れておこう…。

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舞台は1985年、夏

独立記念日を間近に控えた頃。シーズンごとに1年ずつ進んでいるということで、今回はもうジョナサンたちの代は高校を卒業し、それぞれに働き始めている模様。ウィルやエルなど中学生組も今やティーンの入り口、ザ・思春期。ゲームより彼女のほうが大事。男ってサイテー。そんな感じ。

当時はショッピングモールが栄えていた時代らしく、ホーキンスの街にも大きなモール「スターコート」ができています。今シーズンはこのスターコートが主戦場! ただのショッピングモールと思いきやまさかの方向へと発展していくのですが、「新品の建物」っていう設定はいろいろ都合が良かったんでしょうね。汚す必要がないし、汚いことにならないし。「新品で良かった!」って思うシーンが多々あります(笑)

憂さ晴らしにとマックスがエルをアパレルショップへ連れていく序盤のシーンでは、ミリー・ボビー・ブラウン七変化!みたいなファッションショーが見れて大変眼福。かつては坊主頭から始まり、ブロンドのウィッグを被り、アニーみたいになっちゃったと思ったらスーサイドスクワッドじみたグループでイケメンオールバックにビフォーアフターされ、今回はもうすっかりビビッドにおしゃれマイスター。わかってる!製作陣わかってる!(喝采

1985年といえばあの映画

そう、「バック・トゥ・ザ・フューチャー(以降BTTF)」が公開された年! これまでもJVCのビデオカメラが登場したりだとか小ネタはちょいちょいありましたが、ようやく劇中の時代がBTTFに追いつきました。物語序盤からモールの映画館にはポスターが見えています。

ちなみに、そういえば公開日って?と調べてみたらなんと7月3日。今シーズンの物語は独立記念日(7月4日。シーズン3の配信開始日でもある)に向かって進んでいるんですけど、史実上BTTFはその前日公開なわけですよ。終盤、大興奮で劇場から出てきたあのお客さんたちは公開初日組ってことだ! すげー!

実際の公開日も、TO BE CONTINUED...で歓声が上がったのでしょうか。まだ誰も、絶対好きであろう地下室の子たちもBTTFと出会っていない時代。初めて観る作品だった時代。エモい…エモすぎる…。なおわたしが生まれたのは翌年でして、BTTF好きな父親に繰り返し見せられて育ったので非常に特別な、血肉な作品です。親に一番感謝していることかも(笑)

シーズン3でのBTTFネタを記憶の限りリストアップしてみるので参考にどうぞ。

  • 変な姿勢で寝るジョナサン
  • ズボンを履こうとしてコケるジョナサン
  • クラーク先生のガレージにある模型(55年のドクのガレージ)
  • ナンシーが取材に行った高齢女性宅のキャラ時計(OPで映る時計)
  • モールの広大な駐車場と突っ込んでくる車
  • 「くるくる回って倒れるナンバープレート」のシーンみたいに倒れる何か
  • エンジンがかからずハンドルを叩く
  • 当然ながら、上映されている映画はBTTF
  • 映画と並行して、アラン・シルベストリの劇伴がそのまま使われる
  • ふらふら出てきたスティーブとロビンの会話はBTTFタイムスリップ後のお話

他にも今回はもっといろいろあるんじゃないかと思いますが、今思い出せたのはこんな感じ。そもそもBTTFの基本の時代がまず1985年ですしね。ツインパインズモール(のちのローンパインモール)というモールも印象的に登場しますね。すっげえ細かいところだと、遊園地のシーンで車と旗付きロープが一緒に映るだけで「これさあ!」って立ち上がりたくなりますし、そういえばワシントンポストも流れてたな!とか。

シーズン3鑑賞後に観てみると違った目線で楽しめると思います、バック・トゥ・ザ・フューチャー、今あらためて、ぜひ。

あの子たちもこの後めっちゃハマったんじゃないかな〜どうかな〜。

話を戻しまして……

だいぶ脱線しました。さて今シーズン、ぶっちゃけかなり悪趣味に怖いです。シーズン1の怖さがサスペンス寄り、もしくはスピルバーグ的ホラー感だったのに対し、今回はだいぶタイプの違うホラー。そういう映画ほとんど観てないので喩えられるものがありませんが。ねっちょねちょのグッチョグチョ、スプラッタぐらいの感じすらあります。ダメな人は全く無理かも。

その反面、お話自体は意外とお子様向けだったりして。なんか暗号傍受しちゃったからソ連の陰謀暴くぞ〜!みたいな、今日日あんなソ連バカにしちゃっていいのかしら…と心配になるくらいの内容。なのに、めっちゃグロい。R15+。謎なギャップです。

(そういえば、先日「キングコング: 髑髏島の巨神」でも出てきたヴェラ・リンの「また会いましょう」にまた会ってしまった。ソ連繋がりか、ストレンジ繋がりか。すっかり悪趣味なイメージがついてしまった曲。キューブリックの使う曲全部そうなる)

BTTFに限らず「あれっぽい」っていうか「まんまあれ」な要素がまたいろいろと次々と出てきまして、ありとあらゆるエンタメ映画を詰め込んだような、前シーズンまでもそうでしたけど印象としてはそれ以上になんでもありの詰め込み感がありました。このドラマ一本あれば今年は夏休み映画要らないかもしれません。頑張れ映画。

核心の部分としては結構ショッキングなことが多くて。全シーズン通してジョイスがあんまりにも可哀想すぎるだろうとか、そんな犠牲を払ってまで衝撃の展開を作る必要あるのだろうかとか、思っちゃうところではあるんですが。まだあの人やあの人が本当に死んでしまったかは(いや、あの人は死んでそうだけど…)分からないので、どうやらまだ続きそうな感じで終わりましたし、カムバックもあるのではないかと僅かに期待しながら次を待ちます。次シーズンの頃にはみんなかなり大人びてしまっているでしょうね。そちらも楽しみです。