新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。平成最後の紅白はユーミンと桑田佳祐が肩を組んで「勝手にシンドバッド」を歌い踊りフィナーレ、という目の眩むようなものでございました。すごかった。
さてさて、お正月番組とタイムズスクエアのニューイヤーズ・イブ中継をつけながら通常運転で書き進めます。ニューヨークは雨。0時にかけて絶望の降水確率100%です。つらそう。なお、わたしの旅でもこの日は夜にかけて雨予報。NY旅行記28本目。この記事の続きです。
休み中には書き終えたいところですが、果たして…!
ちょっとアカデミックに
HBO Shopのお隣はブライアントパーク。クリスマスマーケットが催されていていい雰囲気だ。
長蛇の列ができているのは、「世界のベスト公衆トイレ」賞に輝いた有名なトイレである。何を言っているか分からないと思うがわたしもよく分からない。「ブライアントパーク トイレ」で検索するとシュールな記事が沢山出てくるのでご興味ある方はぜひ。
ブライアントパークの敷地内には、ニューヨーク公共図書館がある。「デイ・アフター・トゥモロー(2004)」で主要な舞台となる図書館だ。トレードマークのライオン像がクリスマス仕様になっていてかわいい。
入る気はなかったのだが、「無料なのかな?」と近づいてみて、「無料っぽいな?」と回転ドア(速くて怖かった記憶がある)を抜け、石造りの荘厳な雰囲気と大きなツリーに魅了されて写真を撮っていたところ、荷物検査の警備員から「ほれ!入んな!さっさと!」と呼ばれちゃったので意に反しての入場となった。背の高い回転椅子に座った長身の黒人警備員、なかなか怖かった。
なお入場は無料で、入る時と出る時に荷物検査がある。
正面の大きな窓はそれだけでも十分立派で素敵なのだが、目の前に伸びる通りとぴったり位置が合わせられているのでこんな素晴らしい絵が出来上がる。
ことのほか感動する眺めだった。このためだけにでも入る価値がある。ちなみに正面のこの通りは「デイ・アフター・トゥモロー」で津波が襲ってくる場所である。
ひんやりとした雰囲気の館内、どこもかしこも美しい。全く下調べをしてこなかったので、いわゆる図書館的なひらけたところにはお目にかかれなかった。広くて迷子になってしまいそうだ。あまり歩き回らないこととする。
凄みのあるサイゼリヤ、と思ってしまったから教養が致命的に足りない。
想定外のこととして、ここはショップが充実していた。数百円で買えるようなこまごまっとしたお土産が多く、思わずいろいろ買ってしまった。
MTA路線図デザインのペンが真っ先にわたしの財布を緩ませた。ここでないと買えないのはライオンのバッヂくらいか。とてもかわいい。
会計時、カードのサインをしたらレジのお姉さんが両手でサムズアップして「Perfect!!」と言ってくれた。うれしい。が、もしかしたら少年くらいに思われていた可能性はある。坊や、よく書けたわね! それでもよかろう。
昨日のホールフーズも今日のここも、同じような質感の紙袋だった。シンプルでとても好きだ。
図書館から出てこのサインを見たとき、ああセサミストリートってこういうイメージなのかと思った。
グランド・セントラル・ステーション
予定外に時間を食ってしまったので先を急ぐ。15時ごろにはロックフェラーセンターに戻らねばならない。あと2時間くらいしかないが動ける限り動く。最初に目指したのはグランドセントラル駅。
クライスラービルともようやくしっかりご対面。父が30年前ニューヨークへ来たとき、初めて降り立ったのはここだったらしい。そびえ立つクライスラーがとにかく印象的だったと言っていた。ペン駅で降りるとエンパイアが、グランドセントラルで降りるとクライスラーが、いずれにせよ巨大ターミナル駅は摩天楼が歓迎してくれるのだな。
後ろにそびえているのはメットライフのビルで、「アベンジャーズ」シリーズにおいてスタークタワーが立っている場所だという。ここでのバトルシーンもあるようだが、一作目を観たのがだいぶ前なので正直覚えていない。
古めかしい外見からは一転、中へ入るとまたさっきの図書館を思わせる荘厳なつくりになっていて圧倒される。
ペン駅が渋谷・新宿あたりだとすると、グランドセントラルは内装の雰囲気も含めて東京駅というところだろうか。この駅舎は三代目で、1913年に建てられた新しいものだそうだ。と書いてから気付いたが余裕で100年以上前だから麻痺している。
む、いま調べていたら、東京駅とは姉妹駅になっているらしい。これは嬉しい。
このサインには思わず笑ってしまった。電車と牡蠣の二択なのか。でもそれもそのはずというか、指し示されたオイスターバーは三代目駅舎と同時に開業した超老舗なのだった。父もここで最初のディナーをしたそうな。喧騒のショックにやられてグロッキーだったと言っていたが。
「TO TRAINS」に導かれて進むと、一気に視界はひらける。これぞグランドセントラル!
やはりさっきの図書館を思わせる3つの大窓が印象的。帰ってきてから「シュガー・ラッシュ(2012)」を観たら、「ゲーム・セントラル・ステーション」として明らかにこのコンコースを模した場所が登場して興奮した。
威厳がある、と言うほかない。ここから旅に出たい。
どっしりとしたエスカレーターに惹かれて撮った写真だが、よく見たら保安官(のような格好をしているが保安官なのかどうかは知らない)が大きくワ〜〜オしていた。しかもかなり立派なライフルを持っている。アメリカを感じる。
ところで、これまた父からやたらと「グランドセントラルのアップルストアへ行きなよ」と言われていたので一応探した。これに関しては父もアップル信者だからというだけの理由であり、決してアップルストアが30年前からあったわけではない。
これは最初の写真とは反対側のバルコニーだが、おわかりいただけるだろうか、階段の踊り場部分に白く光るマーク、そうあの果実のマークが。つまりどういうことかというと…
東側のバルコニー全体がアップルストアになっていたのである。なんということでしょう。まだMacが地味な灰色の箱だった頃、りんごが虹色だった頃、漢字がトークしてた頃から不遇の時代を耐えてきたアップルユーザーとしては非常に感慨深い光景。グッときちゃうな、と思いながらグランドセントラルを出た。
もうひと踏ん張り
このあたりでもう足が一旦死んでいた。今日は足を壊すまで歩き回る覚悟ではいるけれど、それにしても痛いのと、乾燥した空気で喉がカラカラなのでちょっとだけ休みたい。
ちょうどそんなところにシェイクシャックが現れたので迷わず入店。シェイクシャックのレモネードを飲んでみたかったのだ。腹は減っていないのでレモネードだけ頼んで飲む。Sが大きい(写真では伝わらず)。注文のほうはなんだかもう慣れっこで特筆することもない。立ち食いエリアしか空いておらず足の休息にはさほどなっていないと思われるが再出発。
イエローキャブの屋根についている広告は映画やミュージカルのことが多い。「メリー・ポピンズ リターンズ」のもいた。日本だと2月だが、こっちでは数週間後に封切りなのであちらこちらにプロモーションを見かける。
ついでに、僭越ながら353スポットも発見。なんでもないところで自撮りしまくるわたし。
写真の下のほうに、寿司屋が写っている。寿司屋はよく見たが、どんな味なのだろう。1日目に登場したShioriさんは「割り切れば美味しい」と言っていた。
あと「Wagamama」という店も見かけた。これはイギリス発祥の日本料理チェーンらしい。日本人的には、特にラーメンがかなり不味いことで有名だそう。
エンパイアと、ちょっと汚いビル群。好きだ。マンハッタンのビルは実際に目で見たときの質量感がすごい。築100年レベルはザラであろうが、よくこんなビルを建てれたもんだと、いやむしろどうやって建てたんだこんなの、と思うようなビルがうじゃうじゃある。全てが名所に見え、常に視線はおのぼりさんだ。
朝イチのマンションに引き続き、「ダディ・ロング・レッグズ(あしながおじさん)」関連のニッチな聖地へもうひとつ寄った。劇中(原作&ミュージカル版どちらも)でヒロインのジルーシャがマンハッタン旅行中に学友と滞在するホテル「マーサ・ワシントン・ホテル」だ。
現在は違う名前のホテルになっているが、当時は女性専用のホテルだった。思っていたよりこぢんまりとした小さな建物なので「本当にここか?」と思ったものの、あとから調べてみると確かにこの建物だった。
こちらの記事が詳しい。なるほど、奥に大きく伸びているのか。
フラットアイアンビルディング
「スパイダーマン(2002)」でおなじみのフラットアイアンビルへ行きたかったが、現在地からは少々距離がある。そして「トップ・オブ・ザ・ロック」の入場予約時間がかなり差し迫っている。もう諦めようかと思ったけれど頑張ることにした。地下鉄と迷って、確実に信頼できる自分の脚をセレクト。ほれ歩け歩け!
いざビルを前にすると、来てよかったなと思えた。それから、想像よりはるかに小さいなとも思った。マンハッタンの摩天楼に慣れてしまっているとフラットアイアンはかなり低いビルだ(87m)。それでも1902年の完成時には世界一レベルに高かったらしいが。
フラットアイアンのこの独特な形をうまく撮るのは意外と難しかった。どれくらいの細さに見せるのが一番フラットアイアンっぽく見えるのだろう。濃厚なキスをぶちかますカップルをフレームインさせてこれでOKとする。
時刻はもう15時になろうとしているが、トップオブザロックの入場チケットは15時20分までだ。これにて自由行動はタイムアウト。大急ぎで地下鉄に乗り、ロックフェラーへ戻る。日本でもここまでギリギリの行動はなかなかしない。最後なのでもはや全て勢いで乗り切れる。ほれ急げ急げ!
次回、トップオブザロックからマンハッタンの夕暮れをのぞむ。
旅メモ: この記事での行動範囲
ちょっと一回に詰め込みすぎた感じがありますが、今回の移動ルートは以下の通りです。
書き始めた頃には残り5時間だったタイムズスクエアのニューイヤーズ・イブも残り1時間切ってしまいました。なんでこんなに時間がかかるのか(笑)